ユダヤ教(ゆだやきょう、聖書ヘブライ語(ティベリア式):יְהֲדוּת yahădhūth(yahăðūθ) ヤハズース, 現代ヘブライ語:yahadut ヤハドゥート, ドイツ語:Judentum, 英語:Judaism)は、古代の中近東で始まった唯一神ヤハウェ(ヤーヴェ)を神とし、選民思想やメシア(救世主)信仰などを特色とする宗教。ただしメシア思想は、今日ではハバド・ルバヴィッチ派などを除いて中心的なものとなっていない。 唯一神教であり、キリスト教やイスラム教の起源にもなった。
ユダヤ教はキリスト教、イスラム教よりも長い歴史を持ち、二つの宗教の源であり、同時に多大な影響を与えてきた。
キリスト教で「旧約聖書」と呼ばれる書物はユダヤ教の聖書そのものであり、「新約聖書」と同じく重要な書物である。
イスラム教でも「モーセ五書」は「コーラン」に次いで重要視される。ユダヤ人であることとユダヤ教徒であることはほぼ同義に近く、血縁よりも行動(とそれぞれのレベルでの信仰)が重要視されることも多い。そのため改宗にも時間がかかるため、単なる入信とは大きく異なる(例えばイスラエル国においてロシア系移民の改宗手続きをする場合、440時間を費やすので、一日2時間勉強しても最低7ヶ月かかる)。このようにユダヤ教が民族的側面を持っているところも大きな特徴である。
一般的・形式的にいわれる「キリスト教」との区別は、聖書に記された救世主がイエス・キリストであると考える人々を「キリスト教」と言い、救世主は未だ存在せずその出現を待ち望んでいる人々が「ユダヤ教」と思われている。
しかし、ユダヤ教からの視点では、ユダヤ教はキリスト教やイスラム教と違い、信仰、教義よりも、その前提として、まず行為・行動の実践と学究をすすめる、しかしキリスト教は行動・行為よりも自己の心の内の信仰を重視するものが多く、イエスをメシアとする、原罪、贖罪、再臨の信仰など三要素ほか、さまざまな点において、すでに大きなユダヤ教との違いが指摘される。
異論1:信仰、教義よりも、その前提として、まず行為・行動の実践と学究をすすめる、しかしキリスト教は…:
これは違います。旧約聖書で有名な箇所ですが「神ヤハウェは、エルサレム神殿での祭儀(行動)よりも、砕かれた魂(信仰)を喜ぶ」と言っています。先ず、神ヤハウェの慈悲と恵みを信じ受け入れることが最重要であり、その後の信じた人の応答が自ずとトーラーの行動になります。
異論2:原罪、贖罪、再臨の信仰など三要素…大きなユダヤ教との違いが指摘される:
これは、皆ユダヤ教にあるもの・概念・信仰です。キリスト教の信仰の基本的な枠組み・概念は、ユダヤ教をそのまま引き継いでいます。
原罪:人間の創造物語でアダムとイブが神ヤハウェに背いたこと、ノアの洪水物語でも、洪水の後に神ヤハウェは「全て人間は、悪いもの。」と認めています。しかし、「今後、例え悪いからと言って、再び洪水を起こすことはしない」と約束しています。
贖罪:原初的には動物の犠牲による贖罪があり、最高の預言書と言われている第2イザヤ書で苦難の僕による贖罪があります。そしてこの苦難の僕は第2イザヤ自身であったという旧約聖書学者、関根清三もいます。または預言者と対になる、同時代のバビロン捕囚から帰還のリーダーの方であったという旧約聖書学者、木田献一もいます。
再臨:これも預言者エリヤなどの再臨が信じられていました。新約聖書ではイエス自身エリヤの生まれ代わりだとも言われています。
異論3:最近この30年間で、イエス時代の初期ユダヤ教の研究が飛躍的に進み、今までの常識がひっくり返ったという報告がされています。その重要な一つには、当時のユダヤ教も「信仰義認:信仰により神によし(義)とされる」という立場であり、「行為義認:正しい行為によって神によし(義)とされる」ではなかったという事です。 このため、「キリスト教側からの偏った見方」と「それの逆のユダヤ教側の偏った見方」から解放され、最近の旧約聖書学の成果を学ぶ必要性があります。そこでは、歴史的なイエスはユダヤ教徒であり、ユダヤ教の改革運動を進めたことを重視する必要があります。その意味でも、旧約聖書で示されるユダヤ教とキリスト教は、ナザレのイエスを仲介にして根底では繋がっていると言えます。
(例えば、アミーダー・アーレーヌー・ムーサーフなどを含んだシャハリート・ミンハー・マアリーブを行わず、シェマア・イスラーエールを唱えず、ミクラーの箇所を読まず、食事とトイレの前の手洗いと祈りを行わず、戸口のメズーザーに手を当てて祈りを行わず、カシュルートを実行せず、ミクラーとラビ文学の研究を行わず、シャッバートを行わず、パーラーシャーを読まず、信仰を重視するユダヤ教徒は良いユダヤ教徒とは言えない)
つまり、「ユダヤ教」とその伝統・他との違いを無視し、形式的に見た他宗教・他民族との関係は、本質や意味を無視した、全く観念的・飛躍しすぎたものに過ぎないことになってしまう。
ユダヤ教では、宗教に関係なく、あらゆる「地上の全ての民が」(創世記)聖なるものに近づくことができる、救いを得ることができる、と考える。
キリスト教徒のように「イエスを信じるものが救いを得ることができる」などとは考えない。まして「信じるものは救われる」などという講義をするラビはとても考えられない。
このように、信仰に頼らず、行動・生活や民と関係があり、また(特にハシディズムに良く現れる概念であるが)唯一の神は遍在(maqom)するとも考える傾向があるため、ユダヤ教の内部はキリスト教的、またイスラム教的な意味での排他性は存在しない。
「ユダヤ教」を信仰する人々が「ユダヤ人」と呼ばれる
(しかし、かなり形式的に考えた場合、初期のキリスト教徒はすべてユダヤ人だったのであり、また「ユダヤ教」への改宗者もユダヤ人とされてきた。このことを考えると、「ユダヤ人」「ユダヤ人キリスト教徒」という名称そのものが矛盾を含んでいる。民族(血縁)か、宗教か「ユダヤ教」そのものが「民族宗教」的面を持っているのか、あるいは「宗教民族」ともいえるのか、といった問題につながる)。
世界中の全ての民族は「ユダヤ教」に改宗することによってユダヤ人となりうるのであり、ユダヤ人は他宗教に改宗することによってもはや狭い意味での「ユダヤ人」ではなくなってしまう
(「民族宗教」という言葉が使用されることはあっても、特定の地域・場面においての繋がりしかなく、改宗手続き・運動もなく日本人になる絶対的要素でもなく、日常生活の中での多種の実践と学びとも哲学・思想とも無縁の「神道」とは全く性質・意味の異なる部分である。
また、神道ははじめから抽象的な唯一神教ではなく、ミクラー・ミシュナー・ラビ文学のような書籍を持たず、個人の家庭で研究を行うわけでもない。また、日本は思想空白地帯とも言われる)。
その起源にどのような力が働いているのか知りえなくとも、優れたシステムとしてのヤハドゥートを伝え発展させていくことがユダヤ人の役割である。
聖書(ただ聖書は多分にキリスト教的表現。キリスト教徒によっての旧約聖書。「タナハ tanakh」、「ミクラー miqra'」と言う)を聖典とするが、成立状況が異なるので、書物の配列も異なる。タルムードをはじめとしたラビ文学の伝統は重要である。
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:וַאֲהַבְתֶּם, אֶת-הַגֵּר: כִּי-גֵרִים הֱיִיתֶם, בְּאֶרֶץ מִצְרָיִם 寄留者(ゲール)を愛しなさい:あなた達がエジプトにおいて寄留者であったからである = 改宗者を愛しなさい(ミツワー、典拠は申命記10:19) |
その後(紀元前539年)、この捕囚されていた南ユダ王国の人々がユダヤに帰還したが、政治運動であるユダヤ王朝の復興は禁止されたままであったので断念し、捕囚期の宗教改革を受けたヤハウェ宗教の下で「エルサレム神殿の儀礼」と「神ヤハウェの教えであるトーラー・律法の遵守」を2本の柱とするユダヤ教団を発展させた。
ここで「ユダヤ」とは、イスラエル十二部族の一つユダ族の居住していた地方の名である。
(1)脱出の共同体:紀元前1280年頃:モーセがヘブル人(これは、民族・人種ではなく、社会的下層の人々を示す)を中心とした集団をエジプトから脱出させ、シナイ山で神ヤハウェと契約を結ぶ(十戒、律法)
(2)部族連合の形成:約200年間:カナンに定着後、12部族からなるイスラエル民族とし、王は神ヤハウェであるので人間の王を立てずに、平等な社会を形成
(3)王国の形成:紀元前1020年頃から約400年間:外部からの防衛上必要悪として王を立てるが、平等な関係が崩壊し、支配・被支配の構造が作られる。預言者による王への批判が起こる。ダビデと子のソロモンの時代が有名。
(4)教団民族の形成:新バビロン帝国に南ユダ王国が滅ぼされ(紀元前587年)、政治・宗教のエリート層の全員が捕囚され異郷の地バビロニアで生活を強いられ、そこで長い間の民族神・神ヤハウェに対する深刻な葛藤・省察の後に、国はなくてもユダヤ教団として生きる道を選ぶ。旧約聖書の天地創造物語はこの時代に著述された。
他にヒューマニズム・ユダヤ教(Humanistic Judaism)、自由主義ユダヤ教(Liberal Judaism)、進歩主義ユダヤ教といった用語がある
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ユダヤ教史
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