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VTEC(ブイテック、Variable valve Timing and lift Electronic Control system)は、本田技研工業が開発した可変バルブタイミング・リフト機構及び、その名称である。

概要


初期のVTECは、カムにハイカム・ローカムの2種類の山を設け設定回転数でカムが切り替わり、バルブの開閉タイミングとリフト量を変化させる。VTEC以前にもカムシャフトを油圧によりスライドさせてバルブタイミングを変える方式は実用化されていたが、リフト量も共に変化させる機構はVTECが初めてであった。これにより、低回転域と高回転域それぞれにおいて、バルブタイミングおよびリフト量の最適化が行われ、低速時のトルクと高速時のパワーを両立させることが可能となる。B16A DOHCエンジン(前身はZC)に初めてこの機構が搭載され、自然吸気エンジンでありながらリットル100馬力超を実現した。その後、1991年発表のシビックにはSOHCエンジンにもVTECが搭載された。SOHCのVTECエンジンは2種類設定され、ひとつは吸気バルブを「DOHC VTEC」と同様に低速、高速で切り替える「VTEC」エンジン、もうひとつは2つある吸気バルブのうちひとつをほぼ休止し、リーンバーン運転をする「VTEC-E」エンジンである。1995年発表のシビックでは2つを統合した3ステージVTECが発表された。2000年にはそれまでの、高速カムと低速カムを回転数によって切り替える制御方法に加え、吸気側のバルブタイミングを、回転数や負荷に応じて無段階で連続変化させる、VTC(連続可変バルブタイミングコントロール機構)制御も加わった「i-VTEC」エンジンへと進化。このi-VTECの「i」は「intelligent」の頭文字のiで、エンジンの知能化を意味する。2003年にはi-VTECにホンダ初の直噴ガソリンエンジンとなる「i-VTEC I」やV型6気筒のうちの片バンクの3気筒を休止させる可変シリンダー機構を備えたものなどが開発され、様々なバリエーションが存在する。 なお、二輪車用VTECは特定の回転数での吸排気バルブの切り替え構造のみとし、燃費向上を図ったものであるがため、一般的にHYPER VTECと呼ばれる。

初代VTECの機構については、開発者同士で呑みに行った際に焼き鳥の串を見て思いついたとも、新婚の開発者が休日に妻が洗濯を行っている際に、洗濯機の脱水時に洗濯物が偏ってしまい、偏心しながら回転しているのを見て思いついたとも言われている。

VTECのバリエーション


DOHC VTEC

1989年4月に発売されたインテグラに初めて搭載された。吸排気バルブともにリフト、バルブタイミングを可変する。以後、i-VTECになるまでは高回転高出力型エンジンのみの設定であった。

SOHC VTEC

1991年9月に発売されたシビックに初めて搭載された。吸気バルブのみリフト、タイミングを可変。「DOHC VTEC」に対して発表当時は単に「VTEC」とのみ表記された。以後、ホンダ車の通常エンジンに広く用いられる。

VTEC-E

上述の「SOHC VTEC」と同時にシビックに初めて搭載された。2つあるSOHCエンジンの吸気バルブのうち片方をほぼ休止することによりリーンバーン運転をする。
(→VTEC-E参照)

3ステージVTEC

1995年9月に発売されたシビックに初めて搭載された。「SOHC VTEC」と「VTEC-E」を統合したもの。エンジン低速では吸気バルブのうち片方をほぼ休止しリーンバーン運転、中速では吸気バルブ2バルブ運転、高速では高速カムによる運転を行う。シビックのモデルチェンジにより一時ラインナップから消えたが、2005年9月に発表されたシビックハイブリッドでは「3ステージ i-VTEC」として復活した。これはIMAとの連携最適化を狙って減速時では全気筒休止運転を行うよう改良されたものである。

i-VTEC

2000年10月に発表されたストリームに搭載された、VTC採用の新型VTECエンジンに初めて命名された。以後、ホンダの新型VTECエンジンは「i-VTEC」と称され、いくつかの機構上のバリエーションが存在する。その後、2002年10月には2400cc版がアコードアコードワゴンに搭載された。更に、2003年6月にはV6・3000cc版がインスパイアに搭載された。
(→i-VTEC参照)

HYPER-VTEC

二輪車専用VTECで、構造的にはVTEC-Eと似ており、特定の回転数までは2バルブで吸排気(吸気1排気1)を行い、特定の回転数を超えた時点で4バルブて吸排気を行う。(吸気2排気2)

VTEC採用状況


1989年インテグラでの初採用以来、VTECエンジン採用車種が飛躍的に増え、ホンダ車のエンジン、すなわちVTECエンジンというイメージがユーザー間に植え付けられる程、VTECエンジン採用車種は多くなった。2006年現在生産している1700cc以上のホンダ製エンジンは、全てにおいて何かしらのVTEC機構を備えている。一方で、1000~1500ccのエンジンにおいては、VTEC機構採用・非採用のエンジン双方生産されている。

2000年にi-VTECが登場してからは、2000cc以上のVTECエンジンは、エンジンの世代交代と共にVTECからi-VTECへの移行が進み、2006年現在、i-VTECへ移行していないVTECエンジンは一部のスポーツカー用エンジンや大排気量エンジンと少数になった。1700ccのVTECエンジンもi-VTECへの移行が行われていないが、後継として1800ccのi-VTECエンジンを新開発したため、1700ccのVTECエンジン自体のi-VTEC移行は行われない見込みである。

1500cc以下のエンジンには、より低燃費化が図れるi-DSIの採用が拡大しており、特に1300cc以下のエンジンでは、IMA用エンジンを除いてVTECは採用されていない。VTECとi-DSI、共に採用していない660ccエンジンも生産されているが、i-DSI化の可能性はあっても、VTEC化の可能性は低いと見られる。排気量が共に1500ccのVTECエンジンとi-DSIエンジンの双方をラインナップに揃えている車種では(ex:モビリオ)、VTECエンジンではパワフルさを、i-DSIエンジンでは経済性を謳うことで、棲み分けを図っている。

関連項目


外部リンク


エンジン

VTEC | VTEC

 

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