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ICカードとは、情報データ)の記録や演算をするためにICチップ(集積回路)を組み込んだカードの事である。チップカード(chip card)ともいい、中でも自立的な処理機能を持つものはスマートカード(Smart card)、すなわち賢いカードとも呼ばれている。

カード内に半導体メモリRAMROMEEPROM)を組み込む事により、従来の磁気ストライプカードと比べ情報量が数十倍から数千倍になり、さらにCPUコプロセッサなどを組み込めばカード内部で情報処理が可能になるという特徴がある。

超小型コンピュータとしての進化


ICカードは、日本では1970年有村国孝が発明した。同時期にフランスでもローラン・モレノ(Roland Moreno)が発明している。

ICカードをICチップの機能により分類すると、次の4つに分けられる。

  • メモリーカード(メモリのみ、ヒューズメモリなど):使い捨てプリペイドカードなどに利用
  • ロジック付きカード(アクセス制御機能等を備えたもの)
  • CPU搭載カード
  • その他(専用コプロなど)

CPUを搭載して単体で演算能力を持つICカードは1970年代後半に登場した。製品としてはブルモトローラが共同して、1973年から1979年に掛けてメモリカードやマイコンカード(EEPROM内蔵CPU、CPU搭載EEPROM、1チップ化したもの)を開発し、これがICカードの始まりとなった。CP8技術あるいはSPOM(Self Programmable One-chip Microcomputer)構造として知られている。世界中のカードメーカーにライセンスされた。その後、STMが1982年にセキュア・メモリICを開発。日本では、トッパン1983年にICチップインカードを、東芝1984年にICカードを、ルネサス(日立)が1985年にICカードマイコン(HD65901)をそれぞれ開発。ソニー1988年から非接触ICカードの研究開発に着手していた。

初期のCPUは4bit~8bitCPUであったが、その後、16bit~32bitCPUも搭載された。搭載CPUは、805180526805Z80H8AE-4AVRARMMIPSなどがある(独自、非公開のカードもある。)。

メモリサイズは当初256bit~8KByteであったが、徐々に大きくなり2003年頃には32KByte~512KByte、1MByteになっている。 不揮発性メモリとしては、EEPROMの他にフラッシュメモリFeRAM(FRAM)を搭載したカードがある。 はじめはEEPROMの書き換えには(Vccの他に)専用の電圧を必要としていたが、その後Vccだけで動作できる様に改良された。

RSA用コプロセッサ搭載カードは1990年代前半に登場した。DES/トリプルDESはソフトウェアで実装される場合と、専用回路で実現する場合がある。

当初のICカードはプログラムをROMに格納していたが、1990年代後半にはプログラムを不揮発性メモリにダウンロードできる仕組みを持つJavaカードMULTOSカードが提案された。 Javaカードはカード内にJava VMを内蔵し、Java言語で記述されたプログラムを実行する事ができる。 MULTOSカードは、MELという専用のアセンブラライクな言語でプログラムを記述する。 Javaの実行環境を含めたJavaカードなどでは、暗号化電子署名の技術を使う事ができるものもある。

カードOS(通信制御・ファイル管理など)にI-TRONを採用しているカードもある。 TRONプロジェクトが提唱している電子身分証のeTRONカードもICカードの一種である。

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ICカードの適用先


通信放送分野での導入

公衆電話
ICカードの最初の大規模な適用先は、1983年にフランステレコムが公衆電話の支払い用に使い捨てのプリペイドカードとして採用したテレフォンカードである。 日本でも、KDDが接触型のカードを採用している。 1999年3月にはNTTが主に磁気カードの偽造対策として、非接触型のICテレホンカード(ICテレカ)を導入している。 その後、公衆電話は世界的に携帯電話に取って代わられ、プリペイドカードとしての利用は減少した。NTTは2005年1月20日に、利用者の減少を理由に、2006年3月までにICテレホンカード・IC公衆電話を廃止し、従来の磁気カード公衆電話に一体化する、と発表した。

携帯電話
GSM携帯電話NTTドコモ第三世代携帯電話FOMAFOMAカードVodafoneVodafone 3GにはSIMカード/UIMカードという電話番号などが記録されたICカードが搭載された。 SIM/UIMカードは取り外す事ができて、カードを別の端末に挿入する事で、別の端末に同じ番号を引き継ぐ事が可能になっている(通話用端末とデータ通信用端末とを1枚のカードを抜き差しして利用できる。)。

日本に於いてはこれと別に、「おサイフケータイ」としてKDDIとNTTドコモ、Vodafoneが相次いで非接触ICチップ(FeliCa)を携帯電話のアプリケーションとして導入している。

デジタル放送
Videocrypt pay-TVシステムではICカードが使用されている。

日本では、2000年12月1日に開始されたBSデジタル放送の視聴制御用カードとして、接触型ICカードのB-CASカードが導入された。 B-CASカードには、ID番号とマスター鍵が格納され、受信機に同梱されて配布されている。有料放送(WOWOW、BSスター・チャンネル等)のスクランブル解除のための秘密鍵を配布管理する手段として利用された。 その後、地上デジタルテレビジョン放送(2003年12月開始)、110度CSデジタル放送でもB-CASカードが採用されている。2003年5月まで17万枚を発行。 2004年4月5日には、デジタル放送のコピー制御(コピーワンス)が始まり、B-CASカードが挿入されていないと視聴できなくなった。B-CASカードは(株)ビーキャスが発行している。

スカイパーフェクTV! でも、視聴するために受信機にICカード(スカイパーフェクカード又はパーフェクカード)を入れる。 PPVの課金管理も行われる。

デジタルケーブルテレビ(デジタル化されたケーブルテレビ)の視聴には、接触型ICカードのC-CASカードが使用される。但し再放送される各種デジタル放送(上記の一般のB-CASカードが対象とする放送)の視聴にはC-CASカードの他に、ケーブルテレビ用のB-CASカードが必要である。 そのためB-CAS/C-CASの両方に対応する受信機(STB)もある。C-CASは受信機メーカー間で仕様の差異が課題になっている。 C-CASカードやケーブルテレビ用のB-CASカードの運用業務は「有限責任中間法人日本ケーブルキャスセンター(JCCC))」が行っている。

決済手段としての導入

キャッシュカード(バンクカード)、クレジットカードプリペイドカードのメディアは、磁気カードからICカードへの切り替えが進んでいる。

フランスでは、1989年頃からバンクカードにICカードが導入された(1984年には最初のATMバンクカードが登場している)。 日本では、クレジットカードは2001年頃から、パチンコ用プリペイドICカードは2000年からそれぞれ導入されている。クレジット・プリペイドカードに続いて、2002年からキャッシュカードのICカード化が始まった。

ICクレジットカード
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ICキャッシュカード
2001年3月に全国銀行協会が「ICキャッシュカード標準仕様」を制定、2002年頃から導入検討や実証実験などが行われていたが、カード偽造が拡大し、その被害が報道された2004年~2005年以降、導入が加速した。
=2004年
=
  • 三菱東京UFJ銀行(当時:東京三菱銀行)、「スーパーICカード『東京三菱-VISA』」(2004年10月12日)ICキャッシュカード、クレジットカード、電子マネー(Edy)、手のひら静脈認証を搭載。カードOSは、Java Card/Visa Global Platform と Felica OSの2つで、接触/非接触のデュアルI/F。および「ICキャッシュカード」クレジットカード機能を搭載しないもの。
  • 三菱東京UFJ銀行(当時:UFJ銀行)、「オールワンICカード」(2004年11月)ICキャッシュカード
=2005年
=
  • 三井住友銀行、(2005年2月21日)ICキャッシュカード、(2005年12月19日)指静脈認証。
  • みずほ銀行、「みずほICキャッシュカード」(2005年3月7日)ICキャッシュカード
  • 広島銀行、「<ひろぎん>バリューワン」(2005年4月)クレジット&ICキャッシュカード、手のひら静脈認証(キャッシュカード単体のICカードについては2006年8月を予定)
  • 新銀行東京、(2005年4月1日)ICキャッシュカード、セーフティパス機能、(2005年7月1日)Suica機能。
  • 池田銀行、「 +sa-ica(プラスサイカ)」(2005年6月20日)ICキャッシュカード、手のひら。
  • 千葉銀行、(2005年10月17日)ICキャッシュカード。
  • 横浜銀行、(2005年10月24日)ICバンクカード・ICキャッシュカード。
  • 京都銀行、(2005年11月21日)ICキャッシュカード、指静脈認証。
  • 南都銀行、(2005年12月19日)ICキャッシュカード、手のひら静脈認証。
  • 中国銀行、 「DREAMe-W(ドリーミーダブル)」(2005年12月)
=2006年
=
  • びわこ銀行、(2006年1月23日)
  • 福岡銀行、(2006年1月23日)ICキャッシュカード、(2006年3月20日)指静脈認証。
  • 第四銀行、「だいしICキャッシュカード」(2006年2月)
  • 北洋銀行、「clover(クロバー)」(2006年3月3日)キャッシュ&クレジットICカード
  • 北越銀行、(2006年3月13日)ICキャッシュカード
  • 常陽銀行、「常陽ICエースカード」(2006年3月22日)ICキャッシュカード、指静脈認証。
  • みちのく銀行、「Michinoku Card(みちのくカード)<みちのくICキャッシュ&クレジット>」(2006年5月15日)ICキャッシュ&クレジットカード(ICキャッシュ単体も発行)。

電子マネーへの導入
ICカードは電子マネーにも導入されている。 欧州では、ゲルトカルテ(独・1996年)やモンデックス(英・1995年7月)などICカードベースの電子マネーが導入されている。 日本では、2001年10月に、ビットワレットが電子マネーサービスEdy(FeliCaを採用)、NTTコミュニケーションズからICカード搭載の電子マネーサービスセーフティパスの提供が開始された。2004年3月にはJR東日本がSuicaショッピングサービスを開始している。

決済手段の融合
偽造耐性や(磁気カードと比べて)大容量メモリを活かして、運輸業界などから、クレジットカードとプリペイドカード、ポイントカードの機能を融合した複合型カードも登場している。 クレジットカードと乗車カードが合体したカード(VIEW SuicaやHANA PLUSなど)や、クレジットカードに電子マネーを搭載したカード(My Sony Card)もある。 また、乗車カードをコンビニなどの店舗でも利用できる様にしたカード(SuicaやPiTaPa)もある。 電子マネー(ちょコム)や電子チケット(ぴあ)、インターネットでの本人確認手段など幾つかの機能を1枚のカードで提供するサービス(SAFETY PASS)も登場している。

交通分野での導入

日本の鉄道
日本の鉄道分野では、2000年3月に日本鉄道サイバネティクス協議会による、ICカードを利用した乗車券の規格(サイバネ規格)が定められ、その後、JRや私鉄などでICカードの導入が進んだ。 サイバネ規格にICカード乗車券が定められる前には、1996年頃に「汎用電子乗車券技術研究組合」が設立されて、技術検討や実証実験が行われていた。 非接触ICカードにはType-AやType-Bなどの規格があり、ユーバスカード(静岡県豊田町(現:磐田市)、1997年10月)ではType-Aが採用されたが、サイバネ規格に採用されたソニーの非接触型ICカードFeliCaが最も普及している。 ICカード乗車券の採用状況は、 などがある(参照:乗車カードcategory:乗車カード)。

各カードは読み書きをする機器こそ共通ではあるが、2005年12月時点で相互利用できるのは「Suica」と「ICOCA」の基本的な機能のみである。 なお、関東の私鉄や交通局、バス会社が展開する「パスネット」・「バス共通カード」と「Suica」の共通利用を可能にする方針が2003年7月28日に発表された。2005年12月21日に愛称が「PASMO(パスモ)」に決まり、2007年3月から順次パスネット・バス共通カード導入事業者に導入する予定である。 また2004年4月27日には、「Suica」「ICOCA」「PiTaPa」の相互利用化も発表されている。このうち「ICOCA」と「PiTaPa」については2006年1月21日から相互利用が開始された。

これらのICカードは、自動改札機自動券売機など、各種の駅務機器で使用する。

また、ICカードは、磁気カードに比べ、記録できる情報量が多いのはいうまでもないが、非接触式(無線式)であるため、自動改札機等の可動部分を減らす事ができ、メンテナンスの頻度を減らす効果も期待できる。もっとも、実際には磁気券との共用機が多いので、メンテナンスの頻度が直ちに減る訳ではない。

日本のバス
2002年1月21日より長崎県の主要バス事業者(西肥バス、佐世保市営バス、島鉄バス、長崎県営バス、長崎バス)がFeliCa技術を採用した全国初の共通ICバスカード「長崎スマートカード」システムを導入。(ソニーのソース*)その後、地方の一部バス事業者が導入を始めている。また、前述の様にICカード化される「バス共通カード」と「パスネット」・「Suica」の共通利用も予定されている。 などがある(参照:乗車カードcategory:乗車カード)。

その他に実証実験を行っている会社が数社ある。

日本外の交通機関

香港オクトパス(OCTPUS)カード」(1997年9月導入、FeliCa)やマレーシア「Touch'n Goカード」(1998年導入、Type-A)、シンガポール「ez-linkカード」(2002年4月導入、FeliCa)、英国オイスター(Oyster)カード」(2003年2月から、Type-A)など、各国で非接触ICカードが普及している。

ETCシステム
ETCシステムでは、通行料金の支払い用として、専用のICカードのクレジットカードを車内の機械(車載機)にセットして利用する。なお、クレジットカードの発行が難しい、あるいはクレジットカードの必要のない人向けに、ICカードを利用したETCプリペイドカードの導入が検討されている。

行政分野への導入

日本では、市民カード(図書館カードや施設予約カード)や「住民基本台帳カード」(2003年8月から)から、運転免許証パスポートなどにICカードの採用が進行している。

またe-JAPAN戦略に関連して「国家公務員身分証明書ICカード」も検討されている。政策総括監に総務省の職員の出向を得て、IT CITYを標榜している大阪府箕面市では、全国に先駆けて職員証にICカードを導入した。

霞ヶ関WANやLGWANにおける電子証明書を発給するための認証のため官職カードが各官庁や都道府県市町村に導入された。

海外での事例

マレーシアでは、多目的市民カード「MyKad」としてICカードが採用されている。2001年4月に導入され、2003年7月までに約570万枚配布された。 アプリケーションとして、身分証明(氏名・性別・住所・生年月日・出身地等)、個人認証(PKI)、健康情報、キャッシュカード、電子マネー、運転免許証、パスポート(近隣入出国管理)、コンタクトレス・ペイメントシステムがある。

フランスでは、1998年にICカード式の健康保険証ヴィタルカードが配布開始された。また、医師にはCPS(Carte de Professional de Sante)カードが配布された。保険金の還付手続きを電子化する事で、事務処理費用の削減と払い戻し期間の短縮などが実現された。

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商店街での導入

1988年に東京・世田谷区の烏山駅前通り商店街にて、ICカード「IC-CARDIA」を導入し、スタンプのカード化を行っている。その後、プリペイド機能、クレジット機能が追加され、商店街カードとして利用されている。

その後2006年に東京・世田谷区の烏山駅前通り商店街は、より安全・快適に使用できるセキュアな、NTTコミュニケーションズが提供するセーフティパス機能付きICカード搭載「えるもーる LUCK CARD」を導入を行った。

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社員カード、学生カードとしての利用

企業の社員証や学生証などのIDカードとしても使用されている。 ビル入管や社内食堂、売店での支払い管理に利用されている。 1980年代の後半には、社員カードとしてICカードは採用されている。

建設業界では、「建設ICカード(Construction Card)」として、共通に利用できるカードがある。 1995年頃から建設業務用ICカードの規格が制定が始まり、翌1996年頃から建設ICカードの発行も始まった。2004年には発行累積枚数は13万枚を超えた。 建設現場の入退管理、機械操作の資格確認などの合理化に使用されている。1つの現場には工程ごとに様々な企業が関係し、人の出入りが複雑なため、企業や現場を超えて共通して参照できるカードが必要とされた。 例えば、機械(クレーンなど)を運転する際にICカードで資格確認と運転履歴の記録を行う。 カードから読み出した資格・技能コードで資格判定し、OKの時にはエンジン起動ロックが解除される。

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主な規格


情報の読み書きには大きく分けて接触型と非接触型があり、それぞれに幾つかの方式がある。

接触型

国際的には、物理的な仕様からコマンド仕様などの論理面までを、国際標準規格 ISO/IEC 7816(Part1~Part15まである)にて必要最小限の部分が共通化されている。 国際標準規格でのICカード関連の規格は、カードの規格(ISO)を参照。

ISO/IEC 7816では最小部分しか規格化されていないため、業界やサービスに特化した仕様が作成されている。 金融向けに、EMV仕様と呼ばれるEuropayMasterCardVISAによる国際デビット・クレジット用の標準仕様がある。 GSM、3GPPでUSIMカード仕様がある。 マルチアプリケーション搭載可能なカードやプラットフォーム仕様として、Javaカード仕様やMULTOS仕様がある。 Javaカードには、VISAによるVisa Open Platform仕様がある(現在Global Platform)。

日本では、ISO/IEC 7816を元にした日本工業規格 JIS-X 6300 がある。 日本工業規格でのICカード関連の規格は、カードの規格(JIS)を参照。

業界標準仕様には、JICSAP仕様、全銀協ICキャッシュカード標準仕様などがある。 限定受信システム(CAS)用のICカード仕様は、ARIB STD-B25 デジタル放送に於けるアクセス制御方式 の第1部第4章にて記述されている。 建設ICカードの標準として、日本建設機械化協会規格がある(JCMAS G 001-1 建設業務用ICカード-カード-第1部:物理特性 1997、JCMAS G 001-2 建設業務用ICカード-カード-第2部:機能仕様)。

業界標準は、ISO準拠だけではカード間の相互運用ができない場合があるという実装上の課題を解決するために生まれ、初期にはS型実装仕様などがあった。 業界標準を規格化するために、JICSAP仕様をベースに、JIS・ISO原案が作成されている。

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非接触型

国際的には、ISO/IEC14443。リーダとライタの通信距離に応じて「密着型」「近接型」「近傍型」「遠隔型」の4種類に区別され、さらに近接型は「Type-A」「Type-B」に分類される。 Type-Aカードが普及している。 ソニーが独自に開発した「FeliCa」を「Type-C」としてISO/IEC14443へ提案されていたものの上手く進まず、FeliCaの通信方式が ISO/IEC 18092 として標準化された。

日本では、JIS X6321~6323がある。特定用途向けの規格に、日本鉄道サイバネティクス協議会によるICカード乗車券規格(サイバネ規格、FeliCaの技術を採用)、住民基本台帳カード仕様(Type-B)などがある。サイバネ規格のアプリケーションに関係する部分を除いた部分は、標準化のために、JICSAP仕様の第4部にて仕様が規定されている。

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安全性の懸念


ICカードは磁気カードよりも安全であると考えられており、偽造対策等のセキュリティの向上を目的とした置き換えが進んでいる。 磁気ストライプ上の情報には不正な読み書きを防止する仕組みはないため、比較的安価な装置で改竄やコピーができるのに対して、ICカードの場合には、ICチップでアクセス制御を行う事ができるため、偽造を行うには、ICチップを分解し、専用装置を用いて内部を解析しなければならないため、その手間やコストが掛かる分だけ安全であるという。 しかし、1990年代中頃から、ポール・コーチャ(Paul Kocher)やロス・アンダーソン(Ross Anderson)達の研究により、サイドチャネル攻撃など数々の攻撃方法が開発され、秘密鍵の読み出しが容易なICカードも存在する事が判明した。これらの新しい攻撃方法に対処したICカードの開発が課題となっている。

期待

ICカードは、偽装や変造などの不正が、磁気カードよりも難しい事が期待されている。その根拠は、
  • CPUとメモリが1チップ化され、さらに樹脂(エポキシ等)で固められている。接触型の場合は、外部端子(I/O,CLK,RST,Vcc,Vpp,GNDの6本)、非接触型の場合は、内蔵アンテナだけがメモリにアクセスする手段である。
    • 内部の配線が露出していないため、制御信号に細工したり、バス信号をモニタするのは難しい。
    • チップを分解して直接メモリを読み出すには、高価な専用装置が必要である。
  • 外部端子や内蔵アンテナからのアクセスには、CPUによるアクセス制御(パスワード等)を掛ける事ができるため、不正な読み書きは難しい。

そこで、プリペイドカード(テレホンカード、パチンコカード、乗車カード)や、クレジットカード・キャッシュカードの偽造変造による被害を防止するために、ICカードへの置き換えが進んでいる。

高機能なCPUを搭載したICカードは、カード内部で複雑な処理が可能であり、磁気カードよりも多機能なカードとして利用できることが期待されている。例えば、パスワードをICカードに格納し、利用者が入力したパスワードを、ICカード内で検証する事が考えられる。

プログラムダウンロード可能な仕組みをもつICカードは、発行後にも、新しい機能をICカードに追加する事ができ、多目的なカードとして利用できる事が期待されている。1サービス毎に1枚のカードを発行する従来の方式では、複数のサービスを利用する人は複数枚のカードを持つ事になるが、多目的カードでは、1枚のカードにできる事になる。

以上の様に、偽造耐性があり、多機能・多目的なカードとしてICカードは期待されている。

効果

フランスでは、バンクカード(クレジットカード)をICカード化することにより、それまで発生していたカード偽造犯罪を激減させる事ができた。

日本では、テレホンカードがICカード化されたが、ICテレカ自体の利用が減少している。 同じく磁気カード(PETカード)であったJRのイオカードのICカード版(Suica IOカード)は、偽造変造の事件は知られていない。 数百億円の不正使用があったパチンコカードもICカード化されているが、ICカード化以前に、サービス縮小・サーバでのID管理などによって不正使用対策を施したため、ICカード化の効果は未知である。

問題点

  • 1997年9月、モンデックスカード(Hitachi's H8/3101、スィンドンの実験で使用)には、内部情報を読み出す事ができる脆弱性がある事が公開された。この脆弱性は少なくとも1996年5月頃には発見されていたが、この脆弱性に対処した新しいチップ「H8/3109」ができるまで秘密にされていた。ICチップ内の切れたヒューズをマイクロプローブを用いて接続し直すと、テストモードになり、外部端子にメモリ内容がダンプできるという。発見したのはTNOの技術者で、Eurocrypt'97にて発表した。スィンドン実験では共通鍵暗号ベースの電子マネーを使用していて1枚のカードから秘密鍵が読み出されるとシステム全体に影響があるため、衝撃的な報告であった。
  • 1999年6月、フランスのバンクカードが偽造されて、偽造した技術者が逮捕される(2000年1月)という事件が起きた(地下鉄の切符を購入したため)。偽装できた原因はカードの認証に使用するRSA暗号の鍵長が十分に長くなかったため、計算機によって解読された(素因数分解された)事にある。
  • 1999年12月、ドイツSiemens社のSLE44C80Sがクラックされ、ROMコード(Chip Managemnt System)が読み出された(逆アセンブルしたリストが公開された。)。SLE44はドイツの電子署名カードやゲルトカルテ(Geld kartes)で使用されているICチップである。Siemens社によると、プログラナブルなカードのROMコードを読み出せただけで、この情報を利用してゲルトカルテや電子署名カードを攻撃できる訳ではない、としている。
  • 2002年5月、GSMで使用されているSIMカードの秘密鍵を1分で取得できる攻撃方法がある事が発表された。partitioning attackというサイドチャネル攻撃の一種。多くのSIMカードに実装されているCOMP128の鍵(128bit)を取得するには、8個の選択平文が必要である。
  • 2004年3月、日本のLSI技術者が、市販ICカードに使用されているLSIを取り出し、内部メモリを観察できる事を示した。必要な装置は高価ではあるが、LSI故障解析用の製品である。これらの装置の購入金額より、ICカードを攻撃して得られる金額は少ない事が望ましい、あるいは故障解析技術の進化に合わせて、セキュリティ対策も見直す事が大切とも言える。
  • 2004年9月、日本の鉄道用のIC乗車カード「ICOCA」を使って、駅員らが無賃乗車(キセル)を行っていた、との発表があった。ICカードを解析して不正を行ったのではなく、駅窓口の処理機を用いて、入場記録を消去していたという。詳しくはこちらを参照のこと

対応

チップ自体の耐タンパ性、OSやライブラリの実装方式、アプリの設計など様々なレベルで、対応が検討されている。また、第3者による評価・認証も求められている。 認証制度には、ISO/IEC 15408, FIPS PUB 140-2や、業界独自の認定(VISAによる認定など)がある。

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評価認定機関
=ISO/IEC 15408
=

1998年10月創設

  • 英Communications-Electronics Security Group and Department of Trade and Industry(CESG) UK IT Security Evaluation & Certification Scheme
  • 仏Direction Centrale de la Securite des Systemes d'Information(DCSSI)
  • 独Bundesamt fur Sicherheit in der Informationstechnik(BSI)、TuVIT
  • 米National Information Assurance Partnership(NIAP)
  • 加Communications Security Establishment(CSE) Canadian Common Criteria Evaluation and Certifcaiton Scheme(CCS)
1999年10月参加
  • 豪Australian Information Security Evaluation Program(AISEP) Defence Signals Directorate(DSD)
  • ニGovernment Communications Security Bureau
2003年10月参加
  • 日Japan Information Technology Security Evaluation and Certification Scheme(JISEC)

=ISO/IEC WD 19790
=
  • FIPS140-2(CMVP)ベース

=業界独自の評価プログラム
=
  • VISA
  • MULTOS
  • 全銀協

チップメーカ
ICカード用のICチップを製造している主なメーカ。
  • インフィニオン Infineon(ジーメンス Siemens)
    • SLE44/
    • SLE66/SLE66CX322P with RSA2048(EAL5+ @BSI、2002年5月取得)
  • フィリップス Philips
    • P8WE5032V0B(EAL3 @BSI、1999年11月取得)
    • P8WE5032V0G(EAL4 @BSI、2001年1月取得)
    • P8WE6017V1I(EAL5+ @BSI、2001年7月取得)
    • P83/
  • STマイクロエレクトロニクス STMicroelectronics(SGSトムソン)
    • ST16/
    • ST19/ST19XR34,ST19XS08,ST19XS04(EAL4+ @DCSSI SERMA、2000年5月取得)
    • ST22/(EAL5)


EAL5 ライン

  • ルネサス Renesas(日立 Hitachi)
    • H8/3101・H8/3109(1997年9月発表)、H8/3111・H8/3112(1998年9月発表、E6 1999年9月取得)、H8/3113・ H8/3113S・H8/3114(1999年2月発表)、H8/3114S(E6 2001年7月取得)
    • AE-3/
    • AE-4/AE45C(E6 2002年4月取得、EAL4+ @BSI T-Systems ISS GmbH 2002年5月取得)、AE43C(EAL4+ @BSI 2003年5月取得)
    • AE-5/
  • アトメル Atmel
    • AT90SC19264RC(EAL4+ @DCSSI 2002年11月取得)
  • サムソン Samsung
    • S3CC9PB(EAL4+ @DCSSI 2002年12月取得)
  • 松下 Matsushita
    • MN63Y1005(2001年9月)
    • MN103S41(2002年)、MN103S41H(2003年1月発表)
    • MN101CY727(2003年9月開発を発表、2004年4月発表)

    • MN67S360(EAL4+ @TuVIT 2004年10月取得、2005年2月発表)

  • シャープ
    • SM4128(V3)A5-step module(EAL4+ @BSI 2005年9月取得)VLA.3


EAL4+ ライン

  • ソニー Sony
    • RC-S860(EAL4 @CESG 2002年3月取得)
      • RC-S860は、SoF-basicである事に注意。
    • RC-S853(EAL4)、RC-S854(EAL4)
      • RC-853/854 の EAL4取得はメーカカタログでのみ確認。

  • モトローラ Motorola
    • MC68HC05SC0401(E3 @DCSSI 1998年6月)


なし

  • 東芝
    • JT6N55(2000年1月発表)
  • 富士通

カードベンダ

関連項目


外部リンク


セキュリティ技術 | カード

Chipkort | Chipkarte | Smart card | Tarjeta inteligente | Sirukortti | Carte à puce | Smart card | Chipkaart | Karta elektroniczna | Smart card | Смарт-карта | 智能卡

 

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