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CAM(キャム)とは、コンピュータの支援による製造ComputerAidedManufacturingの略語で、製品の製造を行うために、CADで作成された形状データを入力データとして、加工用のNCプログラム作成などの生産準備全般をコンピュータ上で行う為のシステムであり、出力されたデータは、CNC化された工作機械に送られて実際の加工が行われる。

狭義では、CAD/CAMの設計分野CADとの対比で製造分野の事をさすが、製造分野に最適化されているCAD/CAMシステムや、テキストベースの自動プログラミング装置など、NCプログラムを出力するシステムをすべてCAMと呼ぶ事もある。

CAMの分野では、歴史的にUnixが多く利用されてきたが、これは比較的重い計算を繰り返す為に、安定したマルチタスク性を持つOSが必要な事が主な理由である。しかしWindows NT系へのCPU性能の飛躍的向上による計算時間短縮とコスト低下を目的とした移行が進み、現在では大部分のCAMシステムがWindows NT系をプラットホームとしている。また、UnixからWindowsへの移行の流れの中で檜舞台から去っていったCAMシステムも数多くある。

Unixは既にCAMの流れの本流では無くなっているが、持ち前の安定性とマルチタスク性能を望む声も多く、Linuxへの展開も少なからず始まっている。これは、数多くのCAMベンダーがWindows上での動作にDual CPUを推奨しているのに対し、同等のシステムがUnix上では、シングルCPUで良好なレスポンスを実現していたことも無関係ではない。

歴史


CAM以前

CAMの興隆以前にも、1956マサチューセッツ工科大学にて開発されたAPT(アプト)と呼ばれるプログラム言語が存在し、特に日本では1972年に開発されたLanc(ランク)と呼ばれるプログラム言語が普及しており、総称して自動プログラミング装置(自動プロ)と呼ばれていた。これらは、言語専用の命令を記述したプログラムを工作機械用のNCデータに変換する、コンパイラとして実装されていた。以降のCAMとの最大の違いは言語ベースのためにWYSIWYGではないことである。出力を確認するためには、プロッターで描画してみなければならなかったため、作業者に大きな負担を強いた。
現在でもAPT言語は、いくつかの海外製CAMのCL(カッターロケーション)ファイルとして使用されている。また、Lanc言語もCAM同様のインターフェースを纏って現在に至るまで使用され続けている。

加工形状


加工形状による分類

2D

平面的な輪郭加工及び穴あけ加工のための2軸同時移動データを出力する。加工機側で工具径補正が可能な為、プログラムの汎用性に優れ、輪郭の直線と円弧をそのまま使用するので、精度が高い加工が可能なため、機械部品加工などに多用されている。形状データはCADからの2次元図面データを使用する。NC制御器に内蔵されている対話型は、ほとんどこのタイプである。

2.5D

2Dに加えて、平面輪郭に断面を付加した加工及び、側面から見た輪郭形状加工のための2軸同時移動データを出力する。自由曲面以外のあらゆる形状が加工可能(身近な例: キーボードのキートップ)であり、2D同様に精度が高い加工が可能である反面、作業者のスキルによって形状に差違がでる場合がある。

3D

自由曲面を含む加工のための2軸同時から3軸同時移動データを出力する。CADで定義可能な形状をすべて扱えるため、デザイン性の高い製品に多用される(身近な例: マウスの筐体)が、工具定義をCAM側で行う為、プログラムは定義した工具専用となり汎用性は低く、また、形状を直線近似で加工する為、精度が低下する場合が多い。 形状データはCADからの3次元データを使用する。 一般に2Dと2.5Dの機能を含んでいるが、3D専用の物もあり、また、自由曲面上での輪郭動作に制限のあるCAMを2.8Dと呼ぶ場合もある。

内部データ形式


形状の保持方法による分類

形状を曲面として保持している物

曲面からの計算誤差のみを考慮すれば良いので、加工精度を上げやすい反面、計算速度が遅くなる。

形状を微細平面の集まりとして保持している物

(例えば球面をミラーボールとして近似する。)平面への変換時に誤差が発生するため高い精度を保つのが難しく、計算時の精度だけを上げると、球面のはずが高精度なミラーボールになる。反面、計算速度が速い利点がある。

工具軸傾斜


工具軸固定

通常、2D~3D CAMと言えば、このタイプを指す。

工具軸傾斜固定

固定5軸,傾斜軸,3D+2などと呼ばれ、2軸同時から3軸同時データを出力する。 加工物の高さによって、側面又は斜め方向からの方が加工し易い場合に使用し、斜め方向の穴あけなどにも使用される。

工具軸傾斜連続的変化

同時5軸と呼ばれ、5軸同時データを出力する。主にプロペラやタービンの加工に使用される。

CAM操作例


切削系のCAM作業の流れ
  • 形状データを入力する。
形状を作成したCADが異なる場合は、データの変換が必要。
  • 形状を精査する。
加工上問題になる箇所を確認する。一部自動で出来るCAMもある。
  • 加工法を検討する。
CAMの種類により加工法に制限があるので、CAMごとに異なる加工法になる場合が多い。
  • 加工条件を入力する。
CAMが加工条件のデータベースを持っている場合もあるが、千差万別の加工に対応しているわけではないので、大部分は作業者のノウハウによる。
  • 切削工具の移動経路の作成
カッターパス又はCL(カッターロケーション)と呼ばれるCAM独自のフォーマット
経路の線画による物と、加工結果をオブジェクトとして見る物がある。
  • NC機械用の加工データ生成
POST処理とも呼ばれる。NC機械ごとに調整されたデータを出力する。

データ互換


形状を作成したCADCAMが異なるシステムの場合は、データの変換による精度の低下や形状情報の欠落が問題となる。

幾何データの変換にはIGESSTEPなどが使用されるが、問題がある場合はダイレクトコンバータが使用される。また、異なるシステムでも、同じカーネル(内部データベース方式)を持つ物なら、カーネル形式を使用して、精度の落ちないデータの受け渡しが可能である。(parasolidacisなど)

関連項目


製造 | コンピュータの利用

CIM | Computer-aided manufacturing | Fabrication assistée par ordinateur

 

This article is licensed under the GNU Free Documentation License. It uses material from the "CAM".

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