BCG(仏:Bacille de Calmette et Guérinの略、カルメット・ゲラン桿菌)は、ウシ型菌(ウシ型結核菌、Mycobacterium bovis)の実験室培養を繰り返して作製した弱毒性の細菌の一種。結核を予防するために接種するワクチンとして利用される。
さらに1881年にはルイ・パスツールが実験室での培養によって弱毒化した炭疽菌を用いた、世界初の人工的な弱毒生菌ワクチンの作製に成功し、これまで自然界に弱毒株が存在しない場合には不可能だと考えられていた生菌ワクチンを人工的に作り出すことで、さまざまな感染症予防の可能性を示したものであった。
20世紀初頭、フランスのパスツール研究所の研究者であったアルベルト・カルメット(Albert Calmette)とカミーユ・ゲラン(Camille Guérin)が、ウシ型菌の強毒株の一つであるNocard株を継代培養してBCGを作製した。病原細菌では実験室で人工的に培養を繰り返す(継代培養)うちに毒性が弱くなる現象がよく観察されるが、ウシ型菌は増殖の遅い抗酸菌の一種であったため、作製には13年間、230代にわたる、ウシ胆汁加バレイショ培地による継代培養が行われた。その結果作り出されたBCGは元のウシ型菌よりはるかに弱毒性で、ヒトに対してほとんど病原性を示さないほぼ無害な菌に変化した。
1921年にパリにおいて、母乳にまぜて乳児に投与され、乳児結核症に対して著明な予防効果を示したことから世界的に注目され、各国に配布されて結核予防のための弱毒生菌ワクチンとして利用されるようになった。以後、国ごとに継代培養されていった結果、現存するBCGには国ごとに遺伝的な違いが生じている。
日本では1924年に志賀潔が直接カルメットから分与されたBCG日本株が利用されている。
BCGは2005年現在、結核に対する予防効果が認められた唯一の弱毒生菌ワクチンであり、世界中で利用されているが、国ごとに対応は異なる。
BCGの予防効果については疑問点も残されている。少なくとも、結核性髄膜炎など血行性に広まる結核病変については阻止する効果があることは認められているが、経気道感染した肺結核に対する予防効果については意見が分かれている。このため、BCGに変わる新しい抗結核ワクチンの開発も勧められている。
方法としては、直径2センチくらいの円の中に針が9本あるスタンプ状の接種器(管針と呼ばれる)を上腕部に二回押し付けて行う。接種後しばらくは赤くはれた状態になり、かさぶた状に変化して、1ヵ月後にはかさぶたが取れて18個の痕がくっきり残る。スタンプによるBCG接種はほぼ日本だけで行われているものであり(他国では通常の皮下注射が利用されている)、局所の炎症や潰瘍を軽減する効果があるとされる。
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