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ATMAsynchronous Transfer Mode非同期転送モード)は、53バイトの固定長のデータであるセルを基本的な通信の単位とする、Virtual Circuit cell relay(仮想回線セルリレー)による通信プロトコルである。

解説


ATMは、既存の一般電話網(PSTN)・デジタルハイアラーキ(PDH・SONET/SDH)・パケット通信(データ長が可変のIPフレームリレー)を統合する、複数レベルのQoSをサポートする高速サービス総合デジタル網(B-ISDN)の実現を目的としていた。OSI基本参照モデルでいうところの物理層(第1層)から、データリンク層(第2層)、ネットワーク層(第3層)までの標準規格を提供している。

コンピュータネットワークよりも電気通信の業界の既存技術・発想をもとに標準化され、グローバルな通信網からプライベートなLANまでを統合しATMに置き換えようと広範囲に渡って準備がなされた。しかし、当初の意図に反し、非常に複雑な技術になってしまったため、一つの統合されたネットワークとしての実装の完成が阻まれ、IPのように広範囲に渡って利用される技術にはならなかった。

ATMで良かったとされた点は、MPLSへと引き継がれ、汎用のレイヤ2のパケットスイッチングのプロトコルとして利用されている。

ATMの仕組み


回線交換とパケット交換の方式間の特性差を解消するため、それらのビットストリームとパケットストリームは仮想回線識別子の付いた53バイト固定長のセル(5バイトはヘッダー、残りの48バイトはそのペイロードへ)に割り付けられ、中継網の同期されたタイム・スロット・パターン中に必要に応じて送出される。つまりここでの非同期というのはセルの送出についてであって、キャリアとなっている低レベルのビットストリームのことではない。

セルを使う理由


小さなデータのセルを使うことの目的は、データストリームの多重化において発生するジッタを軽減することにある。

ATMが設計された時点では、155 Mbits/s SDH (135 Mbits/s payload)は高速な光ファイバー通信とみなされ、 数多くのPDH接続は米国では1.544 Mbits/s から 45 Mbits/s程度の非常に遅いネットワークであった(ヨーロッパでは2 Mbits/s から 34 Mbits/s)。

この速度では、最も長いパケットとなる1,500byte(12,000bit)のデータの送信には89マイクロ秒を要する。 1.544 Mbits/sの一次群速度回線などの遅い方の接続の場合は同じデータを送信するのに7.8ミリ秒を要する。

ATM方式の悲運


前項にもあるように、設計当初のATMは、次世代の高速網に適したものとなっており、1Mbps以下の回線速度では、充分なメリットが出ないばかりか、512kbpsの回線速度になると通信サービス品質そのものに影響するほどであった。ATM黎明期における国内でのATM応用用途は、512K回線に32チャネル分の音声帯域を確保することなどであり、本格的なデータ通信用途の需要には程遠い状態であった。これにより当時の日本国内の大手キャリアは512kbpsで充分な特性の出ない製品を仕様外として排除したため、日本市場をアテにしていた海外ベンダは、一気に体力が失せることとなった。加えて、ATMフォーラムでの仕様策定が遅れに遅れたり、開発のコアとなる技術者がL3スイッチベンダに行ってしまったり、そのうちに100BASE-TXの普及や1000BASEの目処がついてくると、ATMフォーラムは一時壊滅状態となった。

裏方としての役割


ATMネットワークは、実は健在である。

多数の電話会社が広域ATMネットワークを構築し、速度保証を謳ったキャリアサービスの殆どは、ATMバックボーンがベースとなっている。また、高速通信の分野でも、既にPDH・SONET/SDH網とパケット交換網の統合のためにATMを構築してしまった部分もあるので、そういった分野でもしばらくの間は使われることになると予想される。

また、今なおADSLなどのDSLでも多重化のために広く用いられており、この分野については実用上のニーズに良く適合したと言える。

ADSLに代表されるように、端末インタフェイスがイーサネットに移行してしまったので、ATMが一般市民の前に出ることはこれからも無いだろう。しかし、これからもATMは確実に進歩していくであろう。

通信プロトコル

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This article is licensed under the GNU Free Documentation License. It uses material from the "Asynchronous Transfer Mode".

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