ATM(Asynchronous Transfer Mode、非同期転送モード)は、53バイトの固定長のデータであるセルを基本的な通信の単位とする、Virtual Circuit cell relay(仮想回線セルリレー)による通信プロトコルである。
コンピュータネットワークよりも電気通信の業界の既存技術・発想をもとに標準化され、グローバルな通信網からプライベートなLANまでを統合しATMに置き換えようと広範囲に渡って準備がなされた。しかし、当初の意図に反し、非常に複雑な技術になってしまったため、一つの統合されたネットワークとしての実装の完成が阻まれ、IPのように広範囲に渡って利用される技術にはならなかった。
ATMで良かったとされた点は、MPLSへと引き継がれ、汎用のレイヤ2のパケットスイッチングのプロトコルとして利用されている。
小さなデータのセルを使うことの目的は、データストリームの多重化において発生するジッタを軽減することにある。
ATMが設計された時点では、155 Mbits/s SDH (135 Mbits/s payload)は高速な光ファイバー通信とみなされ、 数多くのPDH接続は米国では1.544 Mbits/s から 45 Mbits/s程度の非常に遅いネットワークであった(ヨーロッパでは2 Mbits/s から 34 Mbits/s)。
この速度では、最も長いパケットとなる1,500byte(12,000bit)のデータの送信には89マイクロ秒を要する。 1.544 Mbits/sの一次群速度回線などの遅い方の接続の場合は同じデータを送信するのに7.8ミリ秒を要する。
多数の電話会社が広域ATMネットワークを構築し、速度保証を謳ったキャリアサービスの殆どは、ATMバックボーンがベースとなっている。また、高速通信の分野でも、既にPDH・SONET/SDH網とパケット交換網の統合のためにATMを構築してしまった部分もあるので、そういった分野でもしばらくの間は使われることになると予想される。
また、今なおADSLなどのDSLでも多重化のために広く用いられており、この分野については実用上のニーズに良く適合したと言える。
ADSLに代表されるように、端末インタフェイスがイーサネットに移行してしまったので、ATMが一般市民の前に出ることはこれからも無いだろう。しかし、これからもATMは確実に進歩していくであろう。
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"Asynchronous Transfer Mode".
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