高齢者(こうれいしゃ)とは、成人で一定の年齢以上で職業生活から引退し、社会の第一線から退いた人のことである。高齢者になると、身体の不調が増加し、徐々に死を意識し始めるといわれている。
高齢の線引きは曖昧且つ主観的な部分があり判断は容易ではない。定年退職者もしくは老齢年金給付対象以上の人を云うことも考えられる。国連の世界保健機構(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としている。65~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者という。因みに、人口の年齢構造では、0~14歳までを年少人口、15~64歳までを生産年齢人口、65歳以上を高齢人口という。
高齢者は古くより、社会的にも様々な経験や知識によって、一定の地位を獲得しているが、特に古代から近代に掛けては、医療技術が発展していなかった事もあり、高齢になるほど希少な存在となったため、長らくは「古老」や「長老」と呼ばれる、高齢者に対する特別な尊称が存在する。
近代に於ける社会では、高齢者は豊富な知識と経験で民間療法にも通じ、呪術医などと同列の存在となっていた。このため高齢者に対する一定の畏敬の念が存在し、高齢者に関連する物品までもが、何等かの霊的な効能を持つと考えられていた。実際には高齢者の持つ薬草などの知識や、経験から来る適切な看護措置に負う所が大きいが、これらは後に高齢者が人の生命(健康)をも左右するという考えに発展、更には魔法使い等のイメージの原型となったとされる。
このため高齢者である武術の達人は、身体的な衰えがあったとしても、基本の出来ていない若者と比較して、圧倒的な強さを発揮する。(しかし、基本の修練により練磨された身体能力は、簡単には衰えない筋力を使用している事が多い為、必ずしも筋力で劣っている訳ではない。)
流石に素手で岩山を叩き割ったと言うのは多分に誇張が含まれるが、長年の経験によって、弱点を正確に捉えたり打撃する・相手の動作を予測してかわすといった動作により、これら達人に挑んだ者は、あたかも異常な能力によって打ち倒されたと錯覚するケースも発生する程である。(実際に猛者を吹っ飛ばしてしまう者も存在する為、練磨された技能と錬成された筋力の両方の力によって、本当に「異常な能力」をもつ者は多い。)
このため架空の世界を扱った作品(漫画・アニメといった物から映画・小説に至るまで)等でも戦闘に長けた老人は多数登場する。中でも武術を習得し、格闘戦等が得意で戦術の知識を長年培ってきた老人キャラクターも多々見られ、またメジャーとは言えないが老騎士もかなり戦闘力が高い形で描かれている。
しかし漫画や小説のメディアでは、読み手が感情移入しづらいので、高齢者がこれら作品中で主役になることは殆ど無く、そのポジションは脇役になることが多い。例えば主人公の未熟な時代の師匠という役割である。これはこれら作品の受け手が血気盛んな若年・青年層に集中するためと思われるが、実社会でも若年・青年層が高齢者に学ぶ物は多いと言えよう。しかし作品の途中で敵と戦った末に戦死したり、次の世代に意思を託して衰弱死するなど物語の中間地点で死んだりすることも少なくはない。(と言うより多い)
ある国・地域において、高齢者が人口の7%以上を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会と呼ばれる。因みに、1935年は4.7%で最低であったが、2004年では19.5%となり、高齢社会となった。今後も高齢化率が進み、介護ニーズも高まってくることが予想され、今後高齢者が日本社会にとって負担となるとする意見もある。
時間とお金に余裕があり、また痴呆、寝たきりなどの高齢者に対する恨み、妬み、嫌悪から高齢者に対する蔑視、高齢者虐待(agism)が増えてきた。これを受けて、「年をとった、年寄り、高齢の」といった年齢を強調した表現を避け、「より経験豊かな、先任の」といった価値中立な表現を工夫して用いるような傾向がでてきている。たとえば、oldではなく、senior、eldery、agedなど。
日本語においては、同義語として老人、年寄(お年寄り)などの言葉がある。またこの世代を老年と称する場合がある。
公共交通機関には高齢者、病気・怪我人、妊婦などのために優先席が設けられているが、シルバーシートと表現していた。ここから日本においては高齢者のことをシルバーとも呼ぶようになった。