電波望遠鏡(でんぱぼうえんきょう 英:radio telescope)とは、可視光線を集光して天体を観測する一般の光学望遠鏡に対して、電波を収束させて天体を観測する装置の総称。これを専門に用いる観測では電波天文学という分野がある。
可視光線を集光する光学望遠鏡では、レンズを利用して光を屈折させて集光する方法(屈折望遠鏡)と反射鏡を利用して光を集光する方法(反射望遠鏡)が利用されている。それに対して電波は収束できるほど屈折させることは困難なため、電波望遠鏡では反射による方法だけが利用されている。アンテナの材質については、すべての金属は電波を反射するので、どのような金属でも反射鏡の素材になりうる。しかし、反射鏡の形状は回転放物面から波長の1/4程度以下のずれであることが必要である。そして電波望遠鏡は直径数十mにもなる大型のものが多いため、それ自身の重さで形が歪むことが無視できない。そこで反射鏡には歪みをなるべく減らすためにアルミニウムのような軽い金属が主に使用される。初期には構造体が木製のアンテナも製作されていた。
また、電波はその波長よりも小さい隙間が金属面にあいていても透過せず、反射される性質がある。これを利用して、複数の隙間のあるパネルを組み合わせて鏡面を構成したり、そのパネルに穴を開けたりすることでさらに軽量化を図ることが可能である。また、波長が長い電波を観測する場合には金網のような鏡面でも問題ない。
そしてなるべく低緯度にある方が地平線に隠れる天体が少ないため、多くの種類の天体を観測できる。
このため開口合成を用いて、複数の電波望遠鏡を1つの大きな望遠鏡に合成して用いている。
電波望遠鏡間の距離(基線)の長さが長くなるほど分解能が上がることから、別の大陸の電波望遠鏡と同時に同一天体を観測するVLBI(Very Long Baseline Interferometer:超長基線電波干渉計)を利用することで、非常に高分解能な観測を実施している。
また、地球上にとどまらず電波望遠鏡を地球周回軌道へ打ち上げることでさらに基線を延長するスペースVLBIと呼ばれる技術がある。VSOP計画(VLBI Space Observatory Programme)などがあげられる。
天体の観測とは逆に、ある天体からの電波の到達時間の差から基線の長さを決定することも可能である。これにより基線の長さの変化を測定することで、より高度な測量が可能となる。これにより、プレートテクトニクスによる大陸の移動の様子など、地殻の変化を知ることができる。
ジャンスキーの用いたアンテナは結果的に世界初の電波望遠鏡となったが、はじめから地球外電波を検出する目的で作成された世界で最初の電波望遠鏡は、このジャンスキーの論文に興味を抱いたグロート・リーバーによって1940年に自宅の庭に作られた口径9.5mのものである。
日本では野辺山電波天文台(Nobeyama Radio Observator)にある、直径45mのものが最大。
また、現在日本、アメリカ、ヨーロッパの共同プロジェクトとして80台の電波望遠鏡によって構成されるアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA:Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)の建設計画が進められている。このプロジェクトは2012年からの運用を目標としている。
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