電波天文学(でんぱてんもんがく)とは、電波を天体の観測手段として用い、天体に関する研究を行う天文学の一分野。
しかし、短波より波長が長い(40m以上)電波は電離層で反射されるために地上に届かない。 また波長の短い(3cm以下)の電波は大気中の水分子や酸素分子によって吸収されるため、やはり地上に届きにくい。 そのため、その間の波長の電波が観測に使用されている。1980年代以降では、観測装置の立地を考慮に入れつつ、電波望遠鏡の感度を向上させるなどの工夫によって、ミリメートル領域からサブミリメートル領域の観測も行われている。
第二次世界大戦後に戦争中に発達したレーダーの技術が応用され、より詳細な観測が行われるようになった。しかし、電波での観測は光学観測に比べて分解能が非常に劣るのがネックであった。干渉計の応用によりこの点が大幅に改善された。 その結果、多くの天体が電波では可視光とは違った姿をしていることが明らかとなった。こうして電波観測が天体観測の一手段として確立した。
1940年、グロート・レーバーは直径9mのパラボラアンテナを自作した。これが初めての電波望遠鏡である。レーバーは波長1.85mの電波で天の川の観測を行い、電波地図を作成した。
1942年にイギリスのジェームス・ヘイはレーダーに混信する正体不明の電波が捕らえた。 これは同年アメリカのジョージ・サウスウォースによって太陽フレアによる電波であることが確認された。
1944年にオランダのファン・デ・フルストは電離していない水素原子が波長21cmの電波を放射する可能性を示した。これは1951年にアメリカのハロルド・ユーエンとエドワード・パーセルによって確認された。
1965年にアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンは通信機器のノイズの測定中に宇宙から等方的にやってくる電波を発見した。これがビッグバン理論で予測されていた宇宙背景放射であると考えられている。
また同じ1965年にアントニー・ヒューイッシュとジョスリン・ベル・バーネルは非常に正確な周期でやってくる電波を放射する天体を発見した。これはパルサーと名づけられ、その正体は高速で自転する中性子星であると予測されている。
1946年にジェームス・ヘイらはこれらの電波が天の川とは別の天体から出ている電波であることを確認した。当時の電波望遠鏡の分解能ではこれらの電波源の光学的な対応天体を知ることはできなかったので、これらは電波星と呼ばれ、天体の属する星座とその星座内での電波強度の順にアルファベット順の符号を付けて呼称された。
電波星はその後、活動銀河や大質量星の形成が盛んな星雲、超新星残骸などに同定された。
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