電子媒体(記録メディア、データメディアとも)は、電子計算機(コンピュータ)での情報処理に使用する記録媒体の総称。コンピュータで扱うため、記録内容は全てデジタルデータである、という特徴がある。
また、かつては磁気テープが主流であったが、近年は FDや CD-ROMなど、ディスク形状のものが主流になっている。
狭義の電子媒体は、主としてリムーバブルメディアの事を言う。
広義の電子媒体は、主記憶装置(メモリー)以外の記憶装置(すなわち補助記憶装置)に使用されている媒体を指す。また、記憶媒体、記録媒体、ストレージとも言う。
さらに広義の概念としては、インターネットなどでファイルを伝達する場合に、プロトコルであるHTTPやFTPを「電子媒体」の概念に含める場合もある。
本項目では狭義の電子媒体について記述する。その余の電子媒体に関しては上述の各項目を参照のこと。
電子媒体の種類
現在(
2005年)、広く使われている電子媒体のうち、主な物を以下に列挙する。
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電子媒体の種類毎の用途
前項で述べた、主要な各電子媒体の用途を簡単に述べる。より詳細な内容については、各媒体の記事を参照されたい。
- 磁気テープ(データレコーダ)
- 大容量のデータを安価に記録出来るが、ランダムアクセスは出来ないため、大量の情報を記録するが頻繁には利用されない場合に用いる。
- 例えば企業における情報のバックアップなどである。
- アナログデータにも対応でき、データ容量の増加ももテープ長を増やすという物理的対処で済んだため光学的記録媒体が進化するまではコストパフォーマンスの点で他の記録媒体よりも有利であった。
- また、コンシューマー用途としては、FDが普及する以前に、CMTがメディアとしてよく使われていた。
- FD
- 出現当初は、ドライブ機器が高価であったため普及していなかったが、PCの普及に伴い価格が下がり、急激に普及した。
- 8インチ、5インチ、3.5インチ等の種類があり、片面/両面記録や記録密度で更に区分された。
- 磁気テープと異なり、記録できる情報は少ないがランダムアクセスが可能である、という利点がある。一般的に、FDは1枚あたり1.2~1.4MBが記録可能である(両面HDフォーマットの場合)。
- 2000年代になると、徐々に衰退傾向にあるようだ。
- 現在最も使われている3.5インチFDのディスクはプラスチックのケースに入っているが、初期(5インチ・8インチ)の物は紙のケースに入っており、シャッターも無いために非常に破損しやすかった。
- CD-ROM
- FDと同様にランダムアクセスが可能で、しかもFDの数百倍もの大容量を記録出来る事から、ソフトウェアの販売パッケージは、ほとんどがCD-ROMに取ってかわられた。
- 現在使われているコンピュータシステムにおいて、CD-ROMを扱えないものはほとんどない。
- ちなみにCD-ROMは1枚あたり650~700MBが記録可能である。
- CD-R
- ライティングソフト、又はパケットライトソフトと呼ばれるアプリケーションを使って、PC上のファイルを書き込んだり、専用のCDレコーダーを用いて音楽を記録するのに用いる。
- いったん書き込みを確定すると、後から上書きや改変が出来ないという特性があり、重要書類などの記録に用いられる事も少なくない。
- また媒体価格が安価であるため、個人でPC内容をバックアップしたり、個人が少部数を電子出版したりする際にも、よく用いられる。
- 記録容量はCD-ROMと同じである。
- CDの反射面のうちラウンド(溝でない部分)にあたる部分は色素を利用しており、その色素が紫外線などで退色すると反射率が変わり、その時点で媒体寿命を迎える。その寿命はおよそ1、2年程度とされる。
- CD-RW
- ライティングソフト、又はパケットライトソフトと呼ばれるアプリケーションを使って、PC上のファイルを書き込んだり、専用のCDレコーダーを用いて音楽を記録するのに用いる。
- CD-Rと違って、何度か書き換える事が出来るが、約1000回程度の書き換えで媒体寿命を迎える。
- 記録容量はCD-ROMと同じである。
- DVD-ROM
- CD-ROMとほぼ同じ使い勝手でありながら、CD-ROMの6倍強もの大容量を記録出来る。しかしながら、まだ主流はCD-ROMであるようだ。
- ちなみにDVD-ROMは1枚あたり4GB以上の記録が可能である。
- DVD-R
- ライティングソフト、又はパケットライトソフトと呼ばれるアプリケーションを使って、PC上のファイルを書き込んだり、専用のDVDレコーダーを用いて動画・音声を記録するのに用いる。
- CD-Rと同様に、いったん書き込みを確定すると、後から上書きや改変が出来ない。
- 記録容量は種類により異なるが、DVD-ROMとほぼ同じと考えて良い。
- DVD-RW
- ライティングソフト、又はパケットライトソフトと呼ばれるアプリケーションを使って、PC上のファイルを書き込んだり、専用のDVDレコーダーを用いて動画・音声を記録するのに用いる。
- DVD-Rと違って、何度でも書き換える事が出来るが、約1000回程度の書き換えで媒体寿命を迎える。
- 記録容量は種類により異なるが、DVD-ROMとほぼ同じと考えて良い。
- DVD-RAM
- FDと同じような使い勝手でPC上のファイルを書き込んだり、専用のDVDレコーダーを用いて動画・音声を記録するのに用いる。
- 10万回の書き換えに耐えるとされる。また、他の書き換え媒体と異なり、両面媒体が存在する。
- 記録容量は種類により異なるが、片面当たりはDVD-ROMとほぼ同じと考えて良い。
- 光磁気ディスク(MO)
- FDと同じような使い勝手でPC上のファイルを保存するのに用いる。
- 1000万回の書き換えに耐えるとされる。また、カートリッジに保護されることで傷、埃にも強い。その耐久性を生かし、主に長期保存に用いられる。
- 128MB〜2.3GBまで6種類の記録容量が用意されており、用途に合わせて選べる。将来的には5GBも用意される予定になっている。
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電子媒体の構造
テープタイプ
ディスクタイプ
- カートリッジ -- ディスクを保護するためのプラスチック製のケースのこと。CDなど、一部のメディアには存在しない
- シャッター -- カートリッジに設けられた、記録面にアクセスするための孔を塞ぐための機構。これにより記録面が汚れたり傷つくのを防ぐ。一部のメディアはカートリッジ式でも存在しない
- レーベル面 -- 信号が記録されていない、内容を表す写真などが印刷されたディスクの面のこと。CDやDVD、Blu-ray Discのみに存在する
- 記録面 -- 信号が記録されているディスクの面のこと
- セクタ -- ディスクメディアの最小単位。この容量が大きければ大きいほど記録密度が高く、大容量になる
- クラスタ -- セクタをいくつかまとめたもの
- トラック -- ディスクに設けられた、信号を記録する部分。螺旋状または同心円状に作られている。ディスクによっては溝として物理的に設けられており、溝をグルーブ、グルーブとグルーブの間をランドという。ランドのみに信号を記録するランド記録、グルーブのみに記録するグルーブ記録、ランドとグルーブの両方に記録するランド&グルーブ記録とがあり、左から順に記憶容量が向上していく
- シリンダ -- ハードディスクにおいて、各プラッタの同一同心円上のトラックをひとまとめにした円筒形の領域
- スピンドルホール -- スピンドルモーターの回転軸を通す孔のこと
- 記録マーク -- 0と1を表す部分のこと。CD-ROMやDVD-ROMにおけるピット*を記録マークと考えて差し支えない。この記録マークの形成方法にはマークポジション記録とマークエッジ記録とがある。前者は記録マークを1、その他を0として記録する方式。後者は記録は記録マークの端点を1、その他を(記録マークが形成されていても)0として記録する方式。記録マークが多少大きくても記録密度の向上が可能
- 回転制御方式 -- ディスクの回転の制御の方法のこと。方式によって記録密度とシークタイムが変わってくる。
- CAV -- CAVとはConstant Angular Velocity、つまり角速度一定という制御方式で、ディスクの回転数と記録回数が一定であるため、外周に向かうにしたがって記録密度が低下してしまう。しかし、CAVはシークタイムが短く済む。この方式はHDDやフロッピーで採用されている。
- ZCAV -- Zoned CAVのことで、外周に向かうにしたがって記録周波数を変化させることで記録回数を変え、外周でも記録密度を一定に保つことが出来た。また、回転数は一定であるためシークタイムは短い。主に230MB以降の3.5インチMOで採用されている。
- CLV -- Constant Liner Velocity、線速度一定。ディスクの回転数を変化させることでトラックの記録密度を一定に保つ方式。しかし、ディスクの回転数を変化させなければならず、シークタイムが伸び悩む。CDやDVDに採用されている。
- ZCLV -- Zoned CLV。媒体の半径方向でセクタ数が異なるように複数のゾーンに分け、それぞれのゾーンで回転数を変化させることで記録密度の向上を図る方式。DVD-RAMに採用されている。
- パーシャルCAV -- CAVとCLVを組み合わせた方式。Professional Discに「自動最適化モード」として採用されている。(書きかけ)
メモリータイプ
寿命
この世のすべてのものに寿命があるように、電子媒体にも寿命はある。電子媒体の場合、3種類の寿命がある(これ以外にも読み書き装置(ドライブ)の寿命もある)。
- まず一つ目はデータをいつまで保持できるか。例えば、CD-RやDVD-Rは色素が退色すると反射率が狂い、データが保持出来なくなる。磁気テープやFDなどは磁力が薄れていき、やがてはデータが保持出来なくなる。
- もう一つは書き換え回数(書き換えサイクル)。電子媒体は何度でも書き換えられるものではない。読み書きを繰り返していくうちにレーザー光による熱、電圧などのダメージが蓄積され、その部分が劣化し、反射率、電圧などが狂いはじめる。CD-RWやDVD-RWは基本的に全体を書き換えるため、1000回ほど書き換えると寿命になる。それ以外では基本的に1セクタあたりの書き換え回数であり、すべてのセクタを使っているのでもなければ、簡単には書き換え回数の寿命に達することはない。さらに磁気テープや一部のフラッシュメモリを除き、同じデータでも毎回記録位置を変えることで更なる延命を行っている。そのため、書き換えサイクルの寿命の前に媒体の寿命が来るだろう。現在の書き換えサイクルは古いフラッシュメモリの数百回、次いでCD-RW/DVD±RWの1000回、磁気テープ、BD-RE/UDO/PDDの1万回、DVD-RAM/GIGAMO/一部フラッシュメモリの10万回、Phase-change Dualの50万回、磁気ディスク/一部フラッシュメモリの100万回、MOの1000万回となっている。
- 最後に読み込み回数(読み込みサイクル)。通常、読み込み時にも媒体は劣化していくが、書き換え時ほどの劣化はなく、無視できるものと考えてよいだろう。ただし、フロッピーなど、ライトプロテクトを施しても確実に劣化するということは念頭に置いた方が良い。
関連項目
電子媒体