金箔(きんぱく)は、金を微量の銀や銅とともに金槌で叩いてごく薄く伸ばし、箔状態にしたもの。主に物体表面を装飾するために用いられる。
金箔のうち、もっとも利用される四号色という規格では、金94.43%、銀4.9%、銅0.66%を、厚さ約0.0001mmに伸ばしたものである。したがって、の金から、約の金箔をつくることができる。こうした大きな展性により、わずかの純金を用いて広い面積にわたって上質な輝きと光沢が得られることから、箪笥・屏風などの家具類、襖などの建具類、漆器などの工芸品、仏像、仏壇などの美術品、金閣寺に代表される建築物の外装・内装など、多くのものに対して装飾利用されている。また、金箔を漆器などに用いるための工芸技術として、沈金、蒔絵が発達した。
また、料理を彩るための用途で、人体に毒性のない金・銀だけを用いて、様々な形状に加工した食用金箔も製造されている。具体的な用途としては、金箔入りの酒などの飲み物、和菓子・洋菓子のデコレーション、金箔包みの寿司、汁物や麺類などの「あしらい」などがある。いずれも、輝きをアクセントに用いたり、豪華さをもたせることを意図したものである。また、科学的根拠はないものの、「金は体に良い」という迷信から利用されることもある。
金は(王水の例外を除いては)強酸などとも反応しないため、食用された金は、胃酸などの消化液とは全く反応せず、体内を素通りしてそのまま排泄されてしまう。これが、(イオン化されていない)純金の食用が、人体に何の効用も毒性ももたらさないことの根拠である。また、金箔に微量に含まれる銀も、胃酸では溶解しない。
以上のことから、金・銀ともに着色目的の食品添加物として、とくに使用量の制限を設けずに承認されている。食用金箔として販売されている金箔は、食品添加物規制に適合するように、あえて銅を除いて金・銀だけで製造されたものであり、安全性が確保されている。また、金・銀ともに、歯科用材料(いわゆる金歯・銀歯)として長らく使用されており、その安全性は実証されている。
日本の金箔生産では、石川県金沢市が総生産量のうち98%を占める独占的な産地である。江戸時代初頭には箔打ちは幕府に独占されていたが、当時の加賀藩がその免許の獲得に成功したことと、高湿な気候が箔打ち作業に適していることが、主な理由である。
金箔製造の副産物として有名なのが、あぶらとり紙である。金地金を叩き広げる際、地金を挟むために用いられる箔打ち紙が、皮脂もよく吸収することから転用されるようになった。金箔製造に10年以上用いられた箔打ち紙は、「ふるや紙」とも呼ばれ、高級品として扱われる。
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