酪酸(らくさん、Butyric acid)は示性式CH3(CH2)2COOH、分子量88.1のカルボン酸。IUPAC命名法ではブタン酸(n-butanoic acid)となる。CAS登録番号は107-92-6。。イソ酪酸(CH3)2CHCOOHと呼ばれる構造異性体がある。
融点-7.9℃、沸点164℃の無色の油状液体で、特有の臭気を有する。水とはよく混和するが、食塩水には溶けにくいから、酪酸水溶液に多量の食塩を加えると分離することができる。弱酸であり、塩基と反応する。
バターの中から得られたのでこの名で呼ばれるようになった。
脂肪酸の分解過程で生合成されるほか、バターやチーズ、皮脂に含まれている。哺乳類の大腸や反芻胃では細菌が食物の中のセルロースやヘミセルロースを嫌気発酵し、酪酸などの短鎖脂肪酸を生成しており、これが植食性動物の体内では重要なエネルギー源となっている。
工業的にはブタノールやブチルアルデヒドの酸化によって作られている。また、酪酸エチル、酪酸イソアミルなどのエステルはパイナップルの香気成分として知られる。
なお、体臭の成分の一つでもあり、イヌなどでは10ppb、人間は10ppmまで嗅ぎ分けることができる。
Buttersäure | Butyric_acid | Acide_butanoïque | Boterzuur | Kwas_masłowy | Ácido_butírico | Smörsyra