都市圏(としけん)とは、核となる中心市(自治体)、および、その周辺の市町村をひとまとめにした地域の集合体であり、行政区分を越えた広域的な社会・経済的な繋がりを持った地域区分のことである。
大都市圏(だいとしけん)とは、
- 都市圏の内、人口・経済力などが大きいもの。「大都市」の都市圏。英語のメガポリスまたはメガシティにあたる。三大都市圏、七大都市圏など。
- 複数の隣接都市圏の集合体。複数のCBDや中心商業地がある都市圏。人口が多い場合が多い。英語のメトロプレックスにあたる。京阪神、福北大都市圏、岡山・倉敷都市圏、前橋・高崎など。
- 都市圏の周囲にある農村部も含めた、ある程度の経済的枠組みが見られる地域。面積的に「広大」な都市圏という意味で、人口の大小は不問。広域都市圏。英語の「グレーター~」にあたる。
「大都市圏行政」と言う場合は、2、または3の定義に従う。
概要
明治以降の日本においては、都市の発達に伴って中心市とその周囲の自治体との間で
市町村合併が繰り返され、日本最大の都市圏をもつ
東京では
都制(
東京府→
東京都)がしかれるなど、いくつもの自治体の集合である都市圏を一体的な自治体にする方法が試みられてきた。
モータリゼーションが発達した20世紀末には、中心都市の市域と都市圏と圏域とのギャップが大きくなり過ぎたことも一因となり、21世紀になって「平成の大合併」と呼ばれる広域合併が行われた。都市圏全域で合併する例(新潟市など)や、都市圏よりも大きな枠組みで合併がなされた例(秋田県や山陽地方の市など)も多いため、現在では必ずしも「都市圏>中心市」ではなくなった。
定義
都市圏という言葉を用いる場合、
経済圏、
生活圏の言い換え、または同様のものとして用いられるケースも多い。分析や政策の目的に則した設定によって都市圏を作成しているケースもある。
基礎データとして、国勢調査の統計データを利用して作成することが多い。
総務省の定義
国勢調査の都市圏・大都市圏の定義は以下のとおり。いわゆる「1.5%都市圏(1.5%通勤通学圏)」。
- 中心市:
- 大都市圏の中心市は、東京都特別区部及び大阪市、名古屋市その他の政令指定都市。この際、中心市同士の距離が近い場合には、その地域を統合して一つの大都市圏とする。
- 都市圏の中心市は、大都市圏に含まれない人口50万人以上の市。
- 周辺市町村:周辺市町村は、中心市への15歳以上通勤・通学者数の割合が当該市町村の常住人口の1.5%以上であり、かつ、中心市と連接している市町村とする。
ただし、通勤・通学者数の割合が1.5%未満の市町村であっても、周囲を周辺市町村に囲まれている場合には周辺市町村とする。
国土交通省の定義
都市・地域レポートで示した都市圏の定義は以下の通り。いわゆる「5%都市圏(5%通勤通学圏)」。
- 核都市
- 周辺都市
- 核都市への通勤通学者が、全通勤通学者の5%以上または500人以上である市町村
※核都市が20km以内に併存する場合には、連結して一つの都市圏とする
※昼夜人口比率:常住人口100人あたりの昼間人口の割合
都市・地域レポート2005によれば、上記基準では全国に85の都市圏があるとしている。
その他の定義
公的な「1.5%都市圏」、「5%都市圏」は、交通インフラ整備などの行政には適しているが、圏域が広過ぎて、一体的で日常的な生活圏を形成しているとは言い難いため、民間では一次商圏に近い値となる「10%都市圏」が有用な指標となる。
「10%通勤圏」。金本良嗣、徳岡一幸両氏が「応用地域学研究」(2002) で、
DID(Densely Inhabited District:人口集中地区)人口を利用して中心地域を決め、その地域の雇用求心力を基準に設定された都市圏。家計の中心である世帯主がどこに家族を連れて住むか、というのは、雇用との関連が強いため、都市圏の富の度合いを見るには最も適した指標。通学者についての考慮はないが、10%通勤通学圏と似た圏域となることが多い。
10%通勤通学圏
ウィキペディアの各大都市圏からよくリンクが張られている
こちらのページでは、「周辺市町村の定義は、通勤・通学者数の割合は10%以上」としている。毎日の決まった人の移動に注目した都市圏。大学・高校の郊外化が進んだ都市圏では、10%通勤圏とは異なった圏域となることもある。
広域行政圏
都道府県内の広域行政による地域分けに依存した都市圏。上下水道・交通・ごみ処理・医療・消防・観光などの広域行政のために、都道府県庁は都道府県内をいくつかの地域に分けている。その内、都市機能が集約している地域は、「都市圏」という名称を使っていることも多い。この場合、複数の自治体からなる協議会が置かれ、広域行政計画を作成している。都市圏の線引きは、自然障壁や長年の慣習に依存していることが多く、通勤・通学圏や商圏とは異なった地域区分になっている(参照 :
福岡都市圏、
札幌都市圏、
仙台都市圏、
松本広域連合)。
広域都市圏
「経済圏」「商圏」「地域圏」。なんらかの経済的つながりから設定される都市圏の集合体、または都市圏とその周囲の農村部の集合体で、通勤・通学などの定期的・日常的な人の移動よりも、購買活動や娯楽などの不定期的な人の移動に着目したもの。普通、いくつかの「都市雇用圏」が含まれ、有力な「都市雇用圏」の間にある小都市圏や農村部も含まれる。都府県境を越えて設定されることもある。
三大都市圏では、その中心部の求心力が大きいため、東京圏・京阪神圏・名古屋圏(中京圏)という大都市圏の設定と、都府県単位の首都圏・近畿圏・中京圏(東海地方)が用いられている。また、北部九州から山口県に渡る経済地域を福北大都市圏と呼び、「四大都市圏」とすることもある。
四大都市圏以下でこのような経済圏を表す場合、行政においては「広域都市圏」という言葉を用いることが多い。行政が設定する「広域都市圏」は、中心都市の政治的求心力に依存しているため、商圏とは異なる範囲となることが多い。また、「広域都市圏」の中にプライメイト・シティが無い場合、あるいは中心商業地の経済的求心力が弱い場合は、「ロードサイドショップ商圏」「文化圏」「地域圏」等に近い形態となっており、都市圏という言葉はあまり適当ではない。
Wikipediaの中で、広域都市圏を「広域都市圏」・「~圏」・「経済圏」と表現しているものは札幌経済圏、仙台経済圏、広島経済圏、「都市圏」と表現しているものは北九州都市圏、関門都市圏、岡山・備後・讃岐連合都市圏、備後都市圏などとなっている。
日本の主な大都市圏・都市圏
総務省基準により設定された大都市圏、都市圏及びその名称は以下の通り。括弧内は中心市。
※名称、都市の順番は統計表で用いられる地域区分の解説に倣った。
この他にも様々な都市圏がある。例えば、静岡市は東海地方を中心とした東海都市圏を設定しており、朝日新聞は発売した民力では横浜都市圏、川崎都市圏等を設定している。
関連項目
都市圏
Àrea metropolitana | Metropolregion | Metropolitan area | Área metropolitana
Aire urbaine | מטרופולין | Metropolitan | Obszar metropolitalny | 城市群