都市(とし)とは、集落の一種で、人口や人口密度が比較的大きく、第二次産業や第三次産業に従事する人の割合が高く、住居以外の用途に充てられる施設も多い地域を指す。特に行政体などでは、市と省略される。対義語は村落。
中心機能が集まっている地域をを市街地といい、市街地の周辺の地域を郊外という。
概念
由来
歴史的には、こうした都市の内、その国の行政・文化・祭式の中心地を
都(みやこ)とも呼んだ。元々は、死んだ
君主の
廟が置かれ、
君主が住む所で、その上に人が集まる場所という意味であった。
都(と)と読んだ場合は、現在の
日本では
東京都(狭義では
東京特別区)を指す。
又、商業経済において取引の中心地を市(いち)と呼ぶ。つまり、「都市」は、政治と経済の中心地としての機能を持つという意味になる。
類義語
都市の類義語として、
都会や
都などがある。
「都市」と呼んだ場合には、規模の大小を問わないのに対して;「都会」「都 (みやこ)」というと、「
田舎」「
鄙 (ひな)」の対義語で、規模が比較的大きな都市を指す場合が多い。
対義語で対にすると解り易いが、それぞれの語法での対義語は以下の通りである。
- 都市 ⇔ 村落(学術的用語)
- 市 ⇔ 村(略語)
- 都会 ⇔ 田舎(俗語)
- 都 ⇔ 鄙(俗語の訓読み)
「都市」と「エリア」
ここ六年の日本では、
市町村合併ブームで無秩序・無原則な合併が各地で起こっているため、「
都市」と「
エリア」が混同される傾向が目立っている。
平たく言うと、「都市」は単数の点であり、「エリア」は複数の面のような範囲である。例えば、「本拠地」「城下町」「首都」という場合には都市を指すが、「地盤」「藩」「都市圏」「首都圏」という場合にはエリアを指す事になる。
又、一般的に都市は、港や城や神社といった一個の媒体(極)から興り、それが大きくなって発達する。従って、巨大な面積であったり、巨大な一個の中に幾つも極が存在する所は、「都市」というよりも「エリア」の様相が濃い。(→#規模も参照する事。)
定義
都市についての国際的な統一の
定義はない。都市は、機能的には居住地域、工業地域、商業地域からなる。中心部には
官衙や事務所、商業施設が集中する地域(
都心、
中央業務地区、
CBD;central business district)があり、その周辺に都心住宅地(
インナーシティ)や工業地域が、更に外縁に
郊外住宅地が形成される。
ドーナツ型に同心円を描いたり、都市から放射状に広がる鉄道路線や自動車道の上に衛星都市として点在したり、その周縁の広がり方は、地形的な制約や交通の整備状況などにも依存する。又、その都市に流れ込んでる人口、経済的な商品、人の移動などその用件によって、同心円の形はアメーバの運動のように多様に変化し、一定した周縁という物は無い。
都市共通の機能
都市には
ライフライン、食料の供給と水、電力、通信などの手段が、都市住民の生活を維持し、その他の都市とのつながりを確保する手段として必要とされる。都市には、電力供給の手段と上下
水道の設備、
道路、
鉄道駅や
港、
空港などの
インフラストラクチャーも、その
人口に応じて必要とされる。又、汚水やゴミの処理などの静脈物流も必須である。更に、大量消費の時代に入ってからは、ゴミ・廃棄物の問題が顕在化し、大都市では深刻な問題と化している。
19世紀以降では、都市の限られた空間を効率よく使うために、高層ビルや地下(近年では大深度地下)が利用されるようになった。
都市の発展により、都市の周辺の農村部では、農地の宅地化や工場・商業施設などの進出など、都市としての性格を持つようになる。この現象を都市化という。この内、無計画な都市化をスプロール現象という。
人口による都市圏の順位によると、世界最大の都市圏は東京都市圏である。
(※ 仏教における地獄の王の一人は、都市王 を参照する事。)
機能の種類
- (市役所、市議会、警察署、消防署)
市役所、都道府県庁、国家機関といった行政機関や裁判所が含まれ、警察署や消防署などが立地する〔警察や消防の範囲は、エリア(複数の都市)に跨がる物もある〕。水道局、下水道局、ゴミ処理施設などライフラインを支える物。
1990年代以降、
郊外に大規模な庁舎を建設して移転する事例が見られる。
- (デパート、商店街、ホテル、ファストフード店、レストラン)
中心市街地にあったデパートや
商店街は、
郊外の
ロードサイドショップや大型
ショッピングセンターに押され気味であり、消費者の動向は郊外に移動している。中心市街地の
映画館も、徐々に姿を消しつつある。
- (鉄道、バス、地下鉄、空港、港)
中心市街地への車の乗入れを制える
ニューアーバニズムなどの動きが、
ヨーロッパの都市では出始めて、
シャトルバスや
路面電車がその無公害性を再評価され始めた。
- (学校、大学、図書館、博物館、公園、スポーツ施設、ホール、ライブハウス)
都市の継続的な発展のために、その後進を育て育成していく教育機関が、都市には必要とされる。早くから郊外への移転が進んでいるが、その反省から近年では
都心回帰も進んでいる。
- (病院、母子保健センター、老人ホーム)
住民の高齢化に伴い、医療機関や社会福祉施設の充実が、都市の生き残りのために重要な問題になって来た。高齢者専用のアパートやグループホームも、郊外を中心に最近は増えつつある。高齢者の為の分譲地から造られた高齢者の為の都市を
シニアタウンというが、
アメリカで代表的なシニアタウンには、
サンシティ (アリゾナ)がある。
規模
都市の規模を図る上で、
人口の規模や
中心市街地の密度は、重要な指標の一つである。都市人口の定義は複数ある。
- 行政区画の「市」(便宜上、行政市と呼ぶ)の人口
- 都市活動が社会的、空間的に連携されている都市圏(エリア)の人口
- 中心市街地の活気や密度
三つの内のどれを取るかで、都市の規模を測る基準が全く異なる。一般的に、一市について言えば、都市圏の人口は、行政市の人口よりも大きくなる。
但し、名目(人口や面積)と実質(中心市街地の活気)は、必ずしも一致しない。これは、数合わせで人口が増やされたからといっても、中心部の活気が増すわけではないからである。
#「都市」と「エリア」でも既述の通り、「都市」という場合には、名目上の
行政市や
エリアではなく、
中心市街地を指す場合が多い(例:「
横浜」「横浜
市」といった場合、
横浜港周辺や
関内といった
中心市街地を指す、など)。
例えば、アメリカの首都・ワシントンD.C.は、行政市の人口が六十万人であるのに対して、周辺部を含めた都市圏では三百万人を超える。
人口においては、中心市街地の範囲(「旧市」と呼ぶ場合もある)で計測する場合や、行政市で人口を計測する場合と違って、都市圏はどこまでを「圏」とするかで計測結果が異なる。
大都市
「大都市」といった場合には、名目(人口と面積)ではなく、実質(中心市街地の機能や密度)が過度に集中している都市であり、一般に「
過密都市」と呼ばれる都市を指す。一個の媒体(
城、
港など)から端を発して、それが巨大化したのが特徴的である。又、
商業・
交通・
娯楽など、全面において充実度が高い。
都市人口の歴史
推定人口について
歴史地理学者は、文献や遺跡、それぞれの時代の生産性から都市人口を推定している。古代・中世の人口統計は残っている方がまれであり、その信頼性も低い。
アジアは、伝統的に大都市が多い。これはベースとしての地域人口が多いからである。
単位面積当たりの収量が多い稲作が、大人口を支えて来た。漢書によると紀元2年の人口調査で長安には80,800戸の人口がいたとされており、40万人を超える人口を抱えていたと推定される。以降中国では唐代の長安、北宋~金代の開封、南宋~元代の杭州(銭塘)、明代の南京、元代以降の北京などが、人口100万人を超える大都市であったと推定されている。日本においては、平城京や平安京、鎌倉などが10~20万人規模だったと推定されている。
中世末期(日本においては近世とも呼ばれる)頃には、江戸が人口100万人を超え、当時の世界では北京やイスタンブルと並ぶ最大規模の都市であった。
近代以降、アジアにおける人口爆発は大都市の急成長を促す事になる。
明治維新以後、東京は成長を続け、20世紀頭には数百万人規模の都市になっていた。尚、当時は大阪も東京に匹敵する規模を持っており、関東大震災後には一時的に東京を上回る規模になった。
第二次世界大戦の戦災で人口が減った東京は、戦後復興の中で再び成長した。現在では、東京は、「都市」として見た場合には約800万人の規模だが、「都市圏」として見た場合には3,000万人とも言われる人口を抱える規模になっている。又、大阪も、「都市」として見た場合には約260万人の規模だが、「都市圏」として見た場合には1,900万人の規模となっている。
20世紀後半には、工業化の進んだ国だけではなく、途上国でも都市人口が急増した。より良い雇用や教育の機会を求めて、地方から過密都市に多量の人口が流入した。中国、インド、パキスタンなどの大人口国家では、名目で1千万人を超える巨大都市を初めとして、大都市が首都以外に幾つも生まれている。
都市の構造は、中心地に大規模な超高層ビル群を建設する北米型と呼べる。特に、近年の開発が顕著な中国や韓国、マレーシアでは、このタイプの都市が多い。但し、アジアは人口が非常に多く、土地もさほど広くないため、四方に都市空間の広がりを見せている。よって、北アメリカのように、中心地に無数の摩天楼が峙えても、10kmも走ればただっ広い牧草地が見えるような都市形成は、極めて少ない。主に自動車道に沿って、中層階級のための団地が延々と建設され、その外れには、都心や団地に住めない貧困層が、不法にスラムを形成している例が多い。
一方、日本では、東京や大阪などの過密都市を除いて、高層ビルの建設は少ない。理由としては、(1)大企業の本社が東京と大阪に二極集中している点(アメリカやドイツなどでは、全国各地に著名な企業の本社が分散している)、(2)高層ビルを建てるには不向きな地盤である点、(3)北米などに比べて都市間隔が短いため、地方都市の拠点性が弱い点、などが挙げられる。又、景観を保全する為に制限が設けられる京都、旅客機の飛行を妨げない為に高層建築に制限が設けられている福岡などの事例もある。
又、日本は旅客鉄道網が発達しているため、大都市中心部を拠点とする鉄道沿線に、郊外や衛星都市が発展するという特殊な事例が見受けられる。これは、自動車道の整備やモータリゼーションよりも前に、鉄道会社が自社の沿線人口を増やす為に、不動産事業を兼ねて宅地開発を促した事が背景にある。代表的な衛星都市として、所沢(西武)、日野(京王)、町田(小田急、東急)、生駒(近鉄)、豊中(阪急)、枚方(京阪)、河内長野(南海)などがある。尚、鉄道が衛星都市や郊外の形成に寄与しなかった地方都市では、1990年代以降に急速に整備されたバイパスや郊外環状線の沿線に、住宅やロードサイドショップが進出した為に、中心部が空洞化し、シャッターを閉じた商店街(シャッター通り)と駐車場が目立つ、荒廃した風景が見られるようになった(→郊外化)。
古代において、
ローマが200万人とも推定される巨大都市へと成長した後は、
商業の衰退や
荘園化、相次ぐ異民族の進入や内乱による都市の破壊が進み、
ヨーロッパの都市は軒並み衰退した。
中世においては都市人口は、最大でも40万から60万人規模(後ウマイヤ朝の首都コルドバや、東ローマ帝国の首都コンスタンティノポリス、など。いずれもイスラム圏や東方正教圏)であった。特に西ヨーロッパでは10万人規模を超えた例はまれであった(百年戦争休戦期のパリが推定28万人, 最盛期のヴェネツィアが推定11万人)。大航海時代到来後、ヨーロッパ各所に10万人規模を超える都市が出現する。
産業革命後、工業の集積でロンドンが巨大化。数百万人規模の都市となり、19世紀中葉において世界最大の都市となった。その後、各地で工業化が進むにつれ、人口百万人を越える大都市が複数生まれた。
現代においては、ヨーロッパの人口停滞を背景に、都市の急成長は見られなくなった。主に、各国の首都が大都市となっている他には、大都市は少ない。首都以外での大都市の例としては、バルセロナ、バーミンガム、ミラノ、ハンブルク、ミュンヘンなど、国民国家誕生以前の地方国家の首都だった都市や、産業革命で鉱工業都市となった都市がある。
又、中心市街地が歴史的価値を持っている都市が多いため、都市開発に制限が設けられている(市街地自体が世界遺産に登録されている都市も多い)。そのため、アジアや北アメリカのように、摩天楼が林立する大都市は成立し難い。第二次世界大戦の空襲で完全に破壊されたドイツの金融都市・フランクフルトや、中心市街地付近の廃墟をビル街として再開発したロンドン(ドックランズ)や、ベルリン(ポツダム広場)などは例外である。
アフリカでは、紀元前から
エジプトにおいて都市が発達している。特に
ヘリオポリス近隣は都市が少しずつ場所を変えて成長し、
フスタート、
カイロへと発展する。学者によっては
プトレマイオス王朝時代の
アレキサンドリアは100万人を超える人口を抱えていたと推定している。
また
フェニキア人が植民都市とした
カルタゴも全盛期には50万人規模の人口があったと推定されており、
ローマ時代も北アフリカの重要な都市として栄えていた。
7世紀以降、イスラム教の伝播により、各地に祭礼と交易の拠点が築かれ、アフリカ北部で都市が発達した。サハラ砂漠を越えるキャラバンなど交易の網は広がり、次第にサハラ以南においても都市が発達した。
大航海時代以降、ヨーロッパ諸国による奴隷貿易や商品貿易の拠点として、西アフリカのギニア湾岸に港湾都市が建設された。以降、植民地の統括中心地として各地に都市が作られた。
第二次世界大戦後、アフリカの年を経て独立した国々が、自らの都市として整備を開始したが、間もなく各地で内戦が勃発。長引く戦乱により、経済活動が停滞して発展を阻害されている。一方、各国の首都などには、地方から飢饉や内戦を逃れたり、教育や雇用の機会を求めて人口が流入し、無秩序な拡大の一途をたどっている。収容し切れない人口は、都市周辺にスラムを形成している。
中東は、人類が初めて都市を作った場所の一つである。以来多くの
王国や
帝国が生まれ、
東西交易の拠点として商業都市が繁栄していた。
ウル、
ウルク、
バビロン、
スーサ、
ニネヴェ、
ダマスカス、
エルサレム、
ペルセポリス、
セレウキアと対岸の
クテシフォンなどがその典型である。その多くは、川の流れの変化や政治的拠点の喪失などにより衰退した。
イスラム教の拡大により11世紀頃には、世界でも最先端の技術と文化が生み出される繁栄の拠点となった。百万都市バグダード、イスラム教の聖地メッカ、バスラ、アデン、イスファハン、又はヨーロッパ側のイスタンブル、アフリカ側のカイロなども、イスラム文化の中心地として繁栄した。
大航海時代以降、陸上貿易が衰えて、商業拠点としての優位性を失った都市は、次第に発展が頭打ちとなり、19世紀にはヨーロッパの都市発展を前に、相対的な没落を経験する。
第二次世界大戦以降、特に石油危機の後はオイルマネーの流入により経済的に躍進を遂げ、アラビア湾岸には莫大な資金で維持される豊な都市が現れた。これらの都市の富裕ぶりに人口が集中して、砂漠の中に大都市が存在している。
北アメリカには、
18世紀頃から都市が生まれた。当初、
大西洋岸に限られていた都市は、
19世紀後半には
中西部から
太平洋岸にまで存在するようになり、その中の幾つかは、
20世紀初頭に大都市となった。
北アメリカの都市は、世界に先駆けてモータリゼーションを経験した事から、自動車保有を前提にした都市計画が実施される事になった。そのため、人口では同規模の他国の都市に比較して、都市圏の面積が広い。このため、中心となる都市の人口だけを見て、他国の都市と比較する事があまり意味を成さない。
例えば、サンフランシスコ市は人口が70万人程度であり、日本の都市と比べると熊本市や堺市ほどの規模になるが、近郊の都市も含めたサンフランシスコ都市圏は人口は700万人規模となり、東京特別区ほどの人口を抱えている事になる。この例では他に、ボストン(人口60万、都市圏500万)、アトランタ(人口40万、都市圏400万)、シアトル(人口50万、都市圏320万)、マイアミ、ミネアポリス及びセントポールの双子都市、デンバー、カンザスシティ、タンパなどが代表であり、高層ビルが林立する大規模なダウンタウンが見られる。
セントルイス、デトロイト、ボルティモア、クリーブランド、ピッツバーグ、シンシナティなどのように、中心市街地の空洞化、インナーシティのスラム化、再開発に伴う建物の高次化・地価高騰などによって、住民が郊外に移住したことにより、都市圏が拡大された例もある(ピッツバーグ、シンシナティなどは再開発に成功し、市街地の空洞化も食い止めている)。
これらの都市は年々、行政市の人口は減少しているものの、都市圏全体で見ると横這い又は増加している。反面、近年になって発展したサンベルトなどの都市は市域が広いため、人口に反してダウンタウンが比較的小規模であるケースも見られる(サンディエゴ、サンアントニオ、サンノゼ、フェニックス、コロンバス、ジャクソンビル、シャーロットなど)。
よって、北アメリカの都市を調べる時は、単に行政市の人口で見るより、都市圏の人口、拠点性やCBDの集積度などで都市規模を見るのが望ましい。
南アメリカでは、古来より祭礼の中心地として、
メキシコ高原や
アンデスに都市が盛えた。
大航海時代に
スペインと
ポルトガルが侵略したため、これらの都市は破壊され、跡地は
メキシコシティなどキリスト教を中心とする植民都市となった。又、大西洋沿岸部に、ヨーロッパとの交易窓口として
ギアナや
ブラジル、
アルゼンチンなどに港湾都市が建設され、
19世紀後半から
20世紀前半にかけて、農作物の集散地と欧州への輸出拠点として、これらの都市は繁栄した。
20世紀後半も、工業化により都市の成長は続き、千万人規模の都市が複数ある。アジアやアフリカと同様に、これらの都市も人口流入とスラムの形成が深刻である。
l
都市の成立要件
地形的要件
- 広い平野は開発に制約が少なく、土地を有効活用できる。そのため、大規模な都市が発展し易い。
- 例:東京、名古屋、モスクワ、ロサンゼルス、パリ。
- 盆地は、山に囲まれているが、土地が比較的広いので、土地を有効活用できる。
- 例:京都、会津若松、松本、高山、津山、デンバー、カトマンズ。
- 谷間で、山地と平野の接点。山間に住む人たちが、商売などの目的のために集積する。
- 例:青梅、飯能、寄居、桐生、大間々、日立、棚倉。
- 海と陸との交易上の拠点となり、港町が発達し易い。
- 例:東京、気仙沼、沼津、清水、敦賀、長崎、フィラデルフィア、サンクトペテルブルグ。
- 海上交通において、重要な拠点となる。双方に都市が形成される事が多い。
- 例:下関と北九州(門司・小倉)(関門海峡)、青森と函館(津軽海峡)、イスタンブール。
- 海上交通の重要な拠点となる。
- 例:スエズ、ポートサイド。
- 水陸交通の接点として重要な地位を占める。河口や、川の合流点、潮汐限界点などに立地する。日本では殆ど見られなくなったが、川が大規模な海外では舟運が多い為、依然として多い。
- 例:酒田、新庄、新潟、津川、水戸、ロンドン、ブレーメン、ケルン、ロッテルダム、ニューオーリンズ、上海、天津。
- 湖と陸との接点に発達する。湖は大抵、運河を経て海に至る。
- 例:大津、土浦、下諏訪、シカゴ、ジュネーヴ。
- 瀑の近くや、河川交通の終着点に当たる。急流の落差を利用した水力発電が行われ、工業都市が発展する。特に、アメリカ東部のアパラチア山脈一帯には、瀑線都市が多く見られる。
- 例:シャーロット、アトランタ、リッチモンド。
- 人や物資が滞留する交通拠点となる。
- 例:小田原、三島、下諏訪、ミラノ、トリノ、デンバー。
- 道路が川を横切る地点。人や物資が滞留する事で、都市が発達し易い。
- 例:島田、パリ、ベルリン、セントルイス、ミネアポリス、マナオス。
- 鉄鉱石、金、石炭などの埋蔵により、鉱工業都市が発展する。
- 例:日立、新居浜、大牟田、撫順、キンバリー。
形態的要件
- 封建時代に築かれた、武士や領主の城を媒体として発達した都市。日本やドイツに多く見られる。
- 神社や寺などの宗教施設を媒体として発達した都市。宗教都市とも呼ばれ、特定の宗教の聖地となっている所もある。都市の経済が、訪問客の滞在費で成り立つ場合も少なくない。
- 港を媒体にして発達した都市。
- 古代の官衙・政庁から発達した都市。観光都市となっている所が多い。中でも、首都が置かれた事のある都市は、古都とも呼ばれる。
機能別分類
国際都市
国際的に存在意義が高く、重要な都市。
世界の
政治・
経済に多大な影響力を持つ。
首都に多く見られる。
国際機関の
本部が置かれたり、
国際会議がよく開催されたりする。
多国籍企業の拠点にもなる。又、
外国為替市場や
証券取引所が置かれている為に、
世界経済において重要な都市になっている所もある(
ニューヨークや
東京など)。
行政都市・政治都市
国家の
中央政府(
国会、
最高裁判所、
中央省庁)や地方政府(
道政府、
県庁などの広域自治体)が置かれている都市。特に、国家の中央政府が置かれている都市を
首都といい、道政府の置かれている都市を
道都ともいう。
中央政府や地方政府から政策などに関する発表(日本国政府では内閣官房が発表する)が行われるので、自然と放送局や新聞社などの報道機関が立地し、情報発信地ともなる。更に、官衙への届出の為に企業が立ち並び、いつしか「経済の中枢」となる都市も少なくない(東京やソウルなど)。
こうなった後の首都を持つ国の一部は、政治の中枢と経済の中枢を分離するため、遷都(首都機能移転)によって新たな都市が誕生する例もある(ブラジリアやキャンベラなど)。しかし、遷都には多くの問題(経済的問題や世論の反発など)を妊むため、計画が破綻する例もある。日本では、首都機能移転計画が宙に浮いたままであり、大韓民国では首都移転計画を憲法裁判所が却下した、など。
地方中枢都市
その地方における中枢機関(特に
道政府。日本の場合はその地方を総轄する国の出先機関。)が置かれている都市。人口の多少に拘らず、その地方の中央部に置かれる場合が多い。
州都に見られるタイプである。括弧内は、その都市が中心になっている地方。
商業都市
古くから商業が活発な都市。古くから、大口の物資の運搬方法が
船である事から、大河の辺や潮流の穏やかな、海に面した場所が多い。
工業都市
特定の
工業が集積した都市。都市の経済が
第二次産業で成り立つ。古くからある工業都市は、原料や完成品の運搬のために
港湾設備を備えた所が多い。最近は、新たに工業生産品がPCパーツのように小型である場合には、空港があれば、臨空都市としても産業振興が図れるというケースもある。
尚、一つ特定の企業の工業が立地している所は、下請けのための工場が林立するため、俗に
企業城下町と呼ばれる。
資源都市
地下資源を産出するか、産出地に生産要素(
労働力・
資材・
機械・
技術など)を供給する都市。資源を運搬する
鉄道・
船舶や労働者、資源を利用する
重工業が集まる。産出量が落ちて衰えるなどの問題を抱える事が多い。
農業・漁業・林業都市
経済が
第一次産業(
農業・
漁業・
林業)で成り立つ都市。自然環境に恵まれた場所に位置する。天候不順の時には経済的打撃を激しく受ける。
- 農業:夕張、中標津、小出、田原。
- 漁業:宮古、小名浜、銚子、清水、焼津、境港、土佐清水、下関、枕崎。
- 林業:新宮、日田。
交通都市
空港や
港、一般
道路や
鉄道の重要な
ターミナルや、
高速道路の
ジャンクションを持つ都市。狭義では、陸上
交通の要衝を指す事が多い。四方八方から路線が集まって来るため、物流の拠点や工場が整備され易い。
軍事都市
基地や
兵站などの軍事機関が立地している都市。広大な平地があるか、軍艦が隠せる程の入り組んだ海岸線に位置する事が多い。
学術都市・研究都市
大学を初めとした高等教育機関や
研究所が集まる都市。
学園都市ともいう。大学の新設や移転と共に付属する研究所が林立し、更に発展して、先端産業の工場が立地する事もある。海外では、名門大学が本拠を置く
College townが存在する。
観光都市
観光地を持つ都市。都市の
経済が観光業で成り立つため、特に自然が関わるレジャー(夏の海水浴や冬のスキーなど)では、天候不順などによる経済的打撃が大きい。
タイプとしては、(1)歴史文化的な資源を主とする物(寺社や教会、歴史的建造物や街並など)、(2)海や山などの自然資源を主とする物(リゾート都市も含む)、(3)レジャー産業が発展している物(大規模テーマパーク、カジノ、ショッピングモールなど。大都市近辺に立地する)、(4)伝統工芸、文化、芸術を主とする物、(5)
祭や大規模イベント、スポーツ大会を売りとする物、など。必然的に、一時期に客が集中する現象が起こる。
(→詳細については、観光都市 を参照する事。)
保養都市
保養地のある都市。
温泉や
高原の保養施設が多く立地する都市や、避暑地・避寒地がここに属する。観光都市に含まれる事もある。
宗教都市
(→
#形態的要件の「門前町、寺内町」を参照する事。)
住宅都市
特に過密都市の周辺にあり、過密都市に勤める労働者などが居住する都市。俗に「
衛星都市」「
ベッドタウン」と呼ばれる。近年の日本では、東京や大阪の近郊で、住宅都市の成立が多い。海外では、アメリカの
サンベルト地帯で、大型の住宅都市が見られるようになった。
都市を形容する通称
特定の都市を指し、
接尾語として「○都」「○○の都」「○京」を付けて通称にする事がある(必ずしも政治上の首都とは限らない)。古くは、
国府や守護大名の所在都市に、「府」「陽(
洛陽つまりその国の都)」を付けた名称もあった。
甲府や
防府など、現在の都市名に引き継がれている物もある。
- 「○府」
- 「○陽」
- 「○都」
- 「○京」
- 京都。主に、東日本で京都を指して言う。京都を初めとする近畿地方では、この名称で呼ばれるのを嫌い、そもそも、近畿地方では京都は「西」でないので用いない。尚、京都市の西京区は「京の西」の意味。
- 山口。応仁の乱以降、大内氏が戦乱を逃れた貴族や文人を迎え、文化的に繁栄したため、「西の京」と呼ばれた事に由来する。山口市を指すより、歴史・観光上の美称の色が濃い。
- 音訳
又、海外の都市を漢字で音訳する場合、都市名の音の頭文字を漢字に置き換えて、それに「都」「府」「港」を付ける事がある。但しこれは古風な表現で、現在では殆ど用いられない。尚、現在での漢字表記を、括弧内に記す。
行政
日本の行政制度
Ordinance designed Cities.png
外国の都市行政制度
大都市や小都市や
村落など、規模を問わず、基礎自治体を一括して「
コミューン」(原義:
共同体)と呼ぶ国が、ヨーロッパに多く見られる。
この代表的な国家には、
フランスや
イタリアなどがある。これらの国家では、
パリや
ミラノのような大都市でも、
カンヌのような小都市でも、
カマンベールのような村落でも、全て「
commune (仏。
コミューン)」や「
comune (伊。
コムーネ)」と呼ばれる。イタリアでは、市役所(・村役場)のホームページアドレスには、“comune”の後に都市名(・村落名)が来る物が多い。
首都以外の特別市
一般に、
首都は「特別市」として、一市単独で
道を構成する所も多い。しかし、首都以外でも、過密になり大都市となっている市もある。その中にも、「特別市」として、一市単独で道を形成する所もある。以下に、その例を挙げる。
都市の研究
様々な表現形態での都市
- ゲーム
- 仮想都市
- SF
参考文献
関連項目
外部リンク
都市 | 社会
Град | Dinas | By | Großstadt | Πόλη | City | Urbo | Ciudad | Kaupunki | Ville | Citta | Urbs | Stad | Miasto | Cidade | Oraş | Город | City | Stad | Lungsod | ma tomo | 市