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赤方偏移せきほうへんいredshift)とは、主に天文学において、観測対象からの光(可視光だけでなく全ての波長電磁波を含む)のスペクトルが長波長側(可視光で言うと赤に近い方)にずれる現象を指す。

波長λのスペクトルがΔλだけずれている場合、赤方偏移の量 z

z = \frac{\Delta \lambda}{\lambda}

と定義する。

赤方偏移が起こる原因としては以下のようなものがある。

光のドップラー効果


遠ざかる音源からの音が低くなるように、遠ざかる光源からの光はドップラー効果によって赤っぽく見える。例えば、地球に対して遠ざかるような運動をしている恒星のスペクトルを測定すると、地球から見た視線方向の後退速度に対応する赤方偏移が観測される。

宇宙論的赤方偏移


アメリカ合衆国天文学者エドウィン・ハッブルは様々な銀河までの距離とその銀河のスペクトルを調べ、ほとんど全ての銀河のスペクトルに赤方偏移が見られること、赤方偏移の量は遠方の銀河ほど大きいことを発見した(ハッブルの法則)。この事象は、銀河を出た光が地球に届くまでの間に空間自体が伸びて波長が引き伸ばされるためであると解釈でき、宇宙が膨張していることを示すと考えられている。2004年現在、観測されている最も z が大きい(すなわち最も遠方にあると考えられる)銀河は z = 10(距離にすると132.3億光年)である。

もう一つの代表的な例として、宇宙背景放射での現象が挙げられる。現在の宇宙では、絶対温度約3Kの黒体放射に相当する放射があらゆる方向からやってきており、宇宙背景放射と呼ばれている。これは、宇宙創成期に宇宙を満たしていた高温状態のプラズマから発せられた熱放射が、ビッグバン後の宇宙の膨張によって波長が引き伸ばされて極端な赤方偏移を受け、現在観測されるような電磁波(特に、マイクロ波)として観測されているものである。

重力赤方偏移


ブラックホールなどの質量の大きな天体の近くから放射された光は、エネルギーの一部を失って振動数が小さくなり、波長が長くなって観測される。これを重力赤方偏移 (gravitational redshift) と呼ぶ。2002年欧州宇宙機関(ESA)のX線観測衛星 XMM-Newton が、中性子星の強い重力による重力赤方偏移を世界で初めて捉えたと報じられた。

赤方偏移を扱った芸術作品


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