血糖値(けっとうち)は、血液内のブドウ糖(glucose)の濃度である。血糖値は膵臓のβ細胞より分泌されるインシュリンによりそのレベルが維持される。健常なヒトの場合血糖値はおおよそ100mg/dl前後であり、食後は若干高い値を示す。ホルモンでは、グルカゴン、アドレナリン、エピネフィリンが血糖値を上昇させる作用を持つ。
高血糖
インシュリンの分泌量あるいは作用が減弱すると、血糖値は高値を示すようになり、食後二時間血糖値でおおよそ180mg/dl~200mg/dl以上を示す状態を
糖尿病(diabetes mellitus)と呼ぶ。ちなみに、血糖値がおおよそ180mg/dlを越えると、腎の尿細管でブドウ糖の再吸収が追いつかなくなるため尿に糖が排泄されるようになる。すなわち尿糖は糖尿病の原因ではなく結果である。余談になるがスクロースで180g程度以上を一度に摂取すると健常人であっても一過性の糖尿を生する。この量は、
食品成分表のコーラ・缶コーヒー等に示される量を基にすると2.5リットル前後の量(約1100kcal)に相当する。糖尿病では糖の代謝物あるいはインシュリンの副作用により、高血圧、動脈硬化、末梢神経障害、腎障害などの
合併症を引き起こす。あるいは、食後二時間の血糖値がおおよそ160mg/dl~180mg/dlを示す状態を
耐糖能異常と呼ぶ。
著しい高血糖は排泄された糖が尿の浸透圧を増大させる為、水分、K+、Na+の異常排泄を引き起こし(多尿)、体液量を減少させる。一方、インシュリンが機能せず糖新生が抑制されている肝臓からは、体液量の減少に伴ってケトン体(アセト酢酸やβヒドロキシ酪酸など)の産生と放出が増大し代謝性アシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシス)を引き起こす。例えば代謝性アシドーシスは通常、血糖値400~800mg/dL位に達すると発症することが多い。糖尿病性ケトアシドーシス患者では、呼気にアセト酢酸の自動脱炭酸により生成したアセトン臭が感ぜられることがある。また、糖尿病性ケトアシドーシス患者の一部は傾眠を示し、さらにその一部は昏睡に至ることがある。
低血糖
逆に、インシュリノーマなどでインシュリンが過剰分泌されると血糖は100mg/dlを大きく下回り、低血糖症を引き起こす。とくに血糖値が50mg/dlを下回ると、大脳のエネルギー代謝が維持できなくなり、突然の意識喪失を引き起こし、重篤な場合は死に至る。
空腹時低血糖
- 症状
- ウィップルの三徴(Whipple's triad)を呈する。
- 症状は、空腹・欠伸・悪心で始まり、倦怠感が強くなり、やがて発汗などの交感神経症状が現れる。さらに低血糖が進行すると、異常行動が出現し、深昏睡に至る。
- 代表的な原因
- 緊急対応
- 治療は緊急を要する。糖質の多い飲食をさせたり、50%ブドウ糖液を1~2A静注することで多くは回復する。それでも意識が回復しない時は、ヒドロコルチゾンを静注。それでもまだ意識が回復しない時は、マンニトールを静注する。
- 意識障害患者には、血糖を確認することなくCT検査をすることは禁忌である。
診断と治療
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