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薄膜トランジスタThin Film Transistor, TFT) は、電界効果トランジスタ(MOSFET:以下MOS)の1種。主に液晶画面などに応用される。MOSの一種であるが、基本的に三端子素子(バックゲート端子(B)が存在しない)である。1970年代前半に開発されたが、その後なぜかパタリと研究がされなくなり、再び活発に研究されるようになったのは80年代後半に入ってからである。現在は液晶ディスプレイなど広く応用されるに至っている。

特徴による分類


ゲート端子の位置・層(レイヤー)の配置によって大別し、4種類の形が存在し、それぞれ、スタガード(staggered)型、インバーテッド・スタガード(inverted staggered)型、コープレーナー(coplanar)型、インバーテッド・コープレーナー(inverted coplanar)型と呼ばれる。

インバーテッド型はゲート端子がサブストレート側についている事、スタガード型の特徴はチャネル層とずれた軸にドレイン、およびソース端子が追加されている事、コープレーナー型はチャネル層の横に直接付けられるような形でドレイン、およびソース端子が付けられている事が特徴。

通常のMOSと異なり反転層(inverted layer)を形成せずに蓄積層(accumulation layer)を形成してコンダクタンスを上げる点、すなわちn型のキャリアは電子、p型のキャリアはホールである点であるのも特徴である。下の素子の構成を見れば一目瞭然だが、そのため通常のMOS構造には見られないチャネル層が加えられている。

薄膜トランジスターの薄膜と言う呼称の由来は積層される物質が通常のシリコンウェハーと異なりガラス、およびプラスチックなどの素材が使われることからである。

反転層を形成しないため、スレッショルド(しきい値電圧)の意味がMOSのものと異なる(MOSではスレッショルド電圧は強反転層を形成し始めるゲート-ソース電圧を指すが薄膜トランジスターでは反転層形成自体が存在しない)が、基本的な公式や考え方はMOSのそれと変わらず、そのままコンセプトを応用できる(ただしバックゲート端子が存在しないため、基盤バイアス効果によるしきい値電圧の変動は行えない)。

種類とその特徴


SiO2_ins.jpg | Nitride_ins.jpg 現在広く使われているものはチャネル層に水素化アモルファスシリコン(a-Si:H: hydrogenated amorphous silicon)が使われているが、スレッショルド電圧が経過時間・ゲート電圧・温度により変化する不安定さが問題とされている。

これは1)バンドギャップ内に存在する不安定ステート(metastable state)と2)絶縁層内、および3)境界ステート(interface state)に堆積された電子による影響の3種類に大別される。 基本的にゲート印加電圧が低い場合の主因は1、電圧が高い場合は2と考えられ、3は通常無視される。

一部のメーカーにおいては一定時間の電圧と加熱により、ゲート印加電圧によって励起(れいき)され不安定となったvalence band connectionをdangling bond(defect)として安定させることによって対策している。

その他に有機・無機の素材を用いた薄膜トランジスタ、透明薄膜トランジスタ(Transparent Thin Film Transistor)の研究などが行われている。

トランジスタ | TFT | 半導体

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