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自転車じてんしゃ)とは、狭義では、二つの車輪がついている、自走できる動力源が付いてない乗り物をさし、広義には車輪の数に関わらず、人力を主たる動力源として車輪に伝えて移動するものをさす。

原動機付自転車は自転車に含まれない。

自動車などと比較して、移動距離あたりに必要とするエネルギーが少ない、排気ガスを発生しないなど、地球温暖化問題が叫ばれる現在、クリーンな移動手段として見直されている。

一方で、日本においては自転車の「交通手段」としての位置付けが不明確である。このため、特に都市部で、自動車からも歩行者からも疎外され、交通行政からも邪魔者扱いされるケースがあり、さまざまな問題も起こっている。今後の課題であろう。

法律上の定義


日本の法律上では、「ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの(人の力を補うため原動機を用いるものであつて、内閣府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう。」(道路交通法、第2条、十一の二)と定義されている。 道路交通法の定義により業務上過失傷害罪・重過失傷害罪等の公訴事実には、現在ではほとんど見られない手こぎ式自転車や四輪自転車と区別するため、「二輪の足踏み式自転車を運転し」等と現代でも表記される。

走行可能な道路

日本の法令(道路交通法)上、自転車は「軽車両」に分類され、本来は車道の左端を通行しなければならないのであるが(歩道を走る場合は自転車から降りて歩行者としてなら可である)、下記の道路については通行可能である。
  • 自転車道 (物理的に区画された道路の一部であって自転車に供用する部分 自転車専用道に同じ
普通自転車」は原則ここを通行しなければならない。ただし、四輪以上かサイドカーリヤカー付きの自転車は通行できない。
歩行者が自転車に優先。
  • 路側帯 (道路標示で区画された道路の一部。歩道がない道路、または道路の歩道がない側にしか存在しえない。道路の歩道がある側で車道端にあるものは路側帯ではなく、その部分も車道扱いになる。)
歩行者の通行を妨害するような通行は不可。
歩道の中央から車道側寄りの部分を(道路標示があればその部分)徐行して通行しなければならない。
歩行者の通行を妨害する場合は自転車が一時停止しなければならない。
普通自転車」でない自転車や、四輪以上かサイドカーリヤカー付きの自転車は歩道を通行・徐行できない。

下記は道路構造令上の区分であり、道路の設計上は自転車の通行は考慮されているが、道路交通法上は歩道扱いとなる。

自転車の部品・構成


フレーム

フレームは自転車を構成する上での最大の部品であり、根幹である。ハンドルなどは含まないが、フロントフォークを含む。フロントフォークを除いた場合、「フレームタイ(体)」という。フレームタイは基本的に8本のパイプ(チューブとも言う)で構成されている。 チューブの名称はそれぞれ、
  • フロントフォークを固定しているヘッドチューブ(上のMTBの画像ではフレームの右端、ハンドルの下)
  • そこから伸びるチューブで上側のトップチューブ、下側のダウンチューブ
  • この2本を縦に結び、サドルの下に位置するシートチューブ
  • そこから後方に伸びるチューブのうち上側のシートステイ(またはバックフォーク)、下側のチェーンステイ
  • ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブをまとめて前三角、シートチューブ、シートステイ、チェーンステイをまとめて後ろ三角と呼ぶこともある。

フレームの形状は、基本形でありスポーツ車に多いダイアモンドフレーム、一般車(シティサイクル、俗にいうママチャリ)に多く採用されているU字(スタッガード・パラレルの変形)フレームなどがある。主な相違点はトップチューブとダウンチューブの位置と形状で、ダイアモンドフレームではトップチューブ、ダウンチューブともに直線的で、トップチューブは地面に平行、もしくはそれに近い。U字フレームではトップチューブ、ダウンチューブは曲線的または直線的であり、トップチューブは後方が下がるように取り付けられている。 以前は、これらのチューブをラグといわれるジョイントを介して繋いでいたが、最近はチューブの端を直接溶接する繋ぎ方が多くなっている。

フロントフォーク

前輪とフレームタイの間でステアリングコラム(ヘッドチューブを貫いてハンドルまで至るフォークの上部)を中心に操舵可能なフロントフォーク。一般的には高張力鋼やステンレスなどの鉄合金、アルミなどで作られるが、スポーツ車ではチタンやカーボン繊維樹脂製のもの、サスペンション付きのものもある。形状としては先端まで直線的なストレートタイプと、先端が前方に湾曲しているベンドタイプがある。一般車では後者が主流。ステアリングコラムは地面に対して垂直でなく、後方に寝かせキャスタ角が付けられている。ステアリングコラムの延長線が地面に交差する点とタイアの接地面との距離をトレールと呼びキャスタ角の大きさを表すことが多い。700cサイズの自転車の場合でトレールは45mmぐらいが標準的である。フロントフォークとフレームタイはベアリングを内蔵したヘッドパーツ(ヘッドセット)で結合される。ヘッドセットには、コラムに切ったネジで締め付けるノーマルタイプとコラム内にナットを打ち込み上部からステムごと締め付けるアヘッドタイプの2つがある。ヘッドパーツはフレームタイのヘッドチューブ(ステアリングコラムが入る部分)のパイプ径とステアリングコラムの根元部分(クラウンレースと呼びヘッドパーツのベアリング受けをはめ込む部分)で、JISサイズ、1インチ(ノーマルタイプ)1-1/8インチ(オーバーサイズ)1-1/4インチ(スパーオーバーサイズ、フィッシャーサイズ)1-1/2インチ(OnePointFive)などの種類がある。古いものにはフレンチ規格(35mm)など特殊なサイズのものもある。

ハンドル

操作用のハンドル。形によって、一文字ハンドル、ドロップハンドル、セミドロップハンドル、ブルホーンバーなどがある。ハンドルとステアリングコラムはステムで結合されている。

駆動系

駆動系の部品は
  • 動力源として足の運動を受けるクランクペダルチェーンホイール。クランクはボトムブラケット(BB、ハンガー)という軸受けによりフレームに接続され、回転運動のみを実現している。競技用車両などのペダルには脚や靴をベルト(トークリップとトーストラップ)や専用の金具(ビンディングペダル)で固定するものもある。
  • ペダルの回転運動を後輪に伝える駆動部分(実用化されているのは、チェーン、ベルト、シャフトの3種類が主)
  • チェーンの駆動を受け、ホイールに伝えるスプロケット、フリーホイール(フリー)。スプロケットはチェーンに接触している歯車のこと。フリーホイールはチェーンが停止、または逆回転しているときにラチェットでホイールを空転させる機構のこと。
  • 変速機(ディレーラー)。クランク上でチェーンの位置を変更するフロントディレーラーと、後輪の部分でギア比を変更するリアディレーラーがある。前者は一般車には取り付けられていないことが多い。後者には更に、外装型と内装型がある。外装型は大きさが異なる複数のスプロケットの間でチェーンを移動させ、ギア比を変更する。内装型は後輪のハブに内蔵された歯車によりギア比を変更する。登場当時はシャフト型とパンタグラフ型の二つの形式があったが、現在はパンタグラフ型のみ。

ホイール

中心部のハブ、そこから伸びるスポーク、円形のリム、リムを固定しているニップルからなる。
  • 力を地面に伝える後輪(前輪で駆動する種類もある。)
  • 走る方向を決める前輪

ブレーキ

前後輪の動きを止めるために双方につけられたブレーキ。ブレーキには、ゴム製などのブレーキパッドをリム側面に押し付け、回転を止めて制動するタイプと、内拡式ブレーキのようにハブに取り付け、直接車軸の回転を止めるタイプの2つがある。前輪はゴムなどで作られたブレーキパッドをリムの側面に押し付け、その摩擦力で車輪の回転を止めるものが主流。後輪はハブに取り付けられた内拡式ブレーキ(ドラムブレーキ)が主流。形式によってキャリパーブレーキ、カンチブレーキ、Vブレーキ(シマノの商標)、ローラーブレーキ(内拡式の改良版、シマノの商標)、コースターブレーキなどがある。一部のスポーツ車にはディスクブレーキを採用したものもある。

その他

  • 運転者が腰をかけるサドル
  • 一般道を走る場合必須となる、警告の為のベルや夜間用のライト、反射器

部品・素材の進化

基本的な構造については普通の自転車については完成されたものとなっているが、構成する個々のパーツについては素材の変化などさまざまな進化が続いている。それらは更なる速度・安全性などの要求から生まれたものであるが、自転車にもまだまだ進化の可能性が残っていることをしめしている。

  • フレームの素材
  • 車輪の変化
  • ブレーキ
  • サスペンション
  • タイヤ・チューブ
  • バルブ 虫ゴムをなくし、空気漏れを軽減した英式

性能


一般的な自転車の速度は時速16~40kmである。搭乗者の体格に合わせて作られた競技用自転車では平坦な路面に於て一時的に時速70kmを出すことも可能である。平地での単独走行での最高到達速度記録はカナダのサム・ウィッティンガムが2001年にカウリングをつけたリカンベントで達成した時速142.51kmで、これは人力駆動の乗り物による最高速度記録でもある。だが、実際の公式最高速度記録は1995年10月3日オランダのフレッド・ロンベルバーグが時速268kmの瞬間最高速度を記録、走行速度も時速250kmを記録した。これは、瞬間的にでも自転車が東海道新幹線の最高速度にほぼ達したということを示すものである。

また、自転車による移動は生物と機械の両方の中で、その移動に要するエネルギーの量に関して突出して効率的であり、人間がある距離を移動するのに必要なエネルギーの量で比べると自転車がもっとも効率的な機械であることが実証されている。

自転車の歴史


Draisine1817.jpg | Ordinary bicycle01.jpg 自転車の原型は、1817年ドイツの発明家カール・フォン・ドライス男爵によって発明されたドライジーネ(Draisine)と呼ばれるものである。これは足で直接地面を蹴って走るものであった。

1860年にはフランスでミショー型が発明された。これは現在の三輪車と同じようにペダルを前輪に直接取り付けたものであった。その後、1870年頃に、スピードを出すために前輪を巨大化させたオーディナリー型が開発された。そして更にスピードを追求するために、オーディナリー型自転車の前輪はどんどん拡大し、大きなものでは直径が1mを越えるようになった。このため乗車するのが非常に困難で、また安定性が悪く危険でもあった。

19世紀後半になり、車体の中心付近にペダルとクランクを設け、後車輪とチェーンで連結することで動力を伝える現在の形のものが現れ、危険なオーディナリー型にたいしてセイフティー型と呼ばれた。その後、セイフティー型にフリーホイールやダンロップが発明した空気入りタイヤが装着され、現在の自転車がほぼ完成された。

日本では、明治から昭和初期にかけて、自転車は一部の富裕層にしか購入できないほど高価なものであった(銀行員の初任給の数倍から十数倍の価格)。よって自転車は一種のステータスシンボルとなった。自転車競技大会なども開かれ、大変な人気を集めたという。また、当時一般的であったダイアモンドフレームの自転車はスカートなどで乗るのに適さなかったため、自転車は男性の乗り物とされていた。しかし、大正期からは富裕層の婦人による自転車倶楽部も結成されるなどし、女性の社会進出の象徴となった。戦後になって自転車が普及し、代わりにそのステータスシンボルとしての地位を自動車が占めるようになった。その後、高度成長期には日本の自転車輸出量は世界一となり、世界中で日本製の自転車が乗られていた。現在では円が強くなったことで自転車の輸出は激減し、現在では安価な中国製や台湾製の自転車が日本の市場に多数でまわっている。現在では自転車の輸出量は台湾が世界一である。

自転車の利用


近年は健康面と環境面からサイクリングが奨励され、その一環として都道府県などの自治体が河川沿いに自転車専用道路を建設している。利根川江戸川沿いには長大なサイクリング専用道が設置されている。

自転車による旅行

気軽な移動手段として用いられることの多い自転車であるが、時には自転車による移動を中心とした旅行も行われている。日帰り、一泊程度の軽い旅行から数ヶ月~数年かけての大陸縦横断、世界旅行なども行われている。

他の交通機関による輸送
以下の場合は、折り畳み自転車以外は、フレームと前後輪に分解し「輪行袋」と呼ばれる専用の袋に詰めて自力で担いだり搬送を依頼したりする。(輪行という)
飛行機による輸送 折り畳み自転車でも、通常は十分、無料バゲッジとして搬送依頼できる。有名な「ホノルル・センチュリーライド」などへの参加者に対しては、各旅行会社ともハードケース(大型スーツケース様のケース)に収めての委託を推奨している。
鉄道による輸送 日本では通常は手荷物としてまとめなければならないが、国や地域によってはその必要がない場合がある。
運輸省通達により、2000年から愛好家の自転車については手荷物料金を徴収しなくなった(競輪選手の競技用自転車は従来どおり有料)。ただし、この場合もタイヤを外し袋に入れるなどの措置が求められる。(必ずしも輪行袋である必要はなく、応急処置的にゴミ袋を利用する方法もたびたび見かけられる。)
熊本電気鉄道鹿島鉄道三岐鉄道松本電気鉄道および近畿日本鉄道近江鉄道の一部路線では、ラッシュ時を除いて、自転車の持ち込みを認めている。
バスによる輸送 日本の長距離バスの場合、床下のトランクルームのスペースによって輪行可能な場合と不可な場合がある。国や地域によっては、バスの前部または後部に自転車を載せるラックを取り付けている例もある。
船による輸送 フェリーの場合は、分解しなければ追加料金を徴収され、輪行すれば無料という場合が多い。
宅配便による輸送 ヤマト運輸が日本サイクリング協会と提携し「サイクリングヤマト便」という制度を運用している。扱いはトラック便の一種である「ヤマト便」になる(営業所持込または集荷のみ、宅急便取次所では扱わない)。

スポーツとしての自転車

新しい物が生み出されると(それが競走が可能な物ならばなおさら)競技が行なわれるようになるが、自転車も様々な形の競技が行なわれている。また各競技に最適化される形で自転車の構造も細分化されてきている。

競技種

自転車と職業

自転車を使う職業の代表は郵便配達だが、英国では1880年に自転車による郵便配達が始められ、現在でも約37,000人の配達員が自転車を利用している。また新聞配達や出前などに自転車を使う職業は多い。英国の警察1896年から自転車によるパトロールを始めた。日本の警察は自動車とバイクによるパトロールに切り替えてしまったが、国によっては交通渋滞の多い都市で自転車パトロールを復活させるところもある(アメリカではニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの各市警に「バイシクルユニット」という専従のチームがあり、「POLICE」のマーキングを入れた警察専用のMTBも製造されている)。都市部における輸送手段の一つとして利用されることもある。

自転車と軍隊

自転車が戦争に利用されたのはボーア戦争が始まりで、英軍・ボーア軍ともに斥候に自転車を使った。第一次世界大戦ではドイツ軍、フランス軍が軍隊の移動に自転車を利用した。 日本軍は日中戦争で50,000人の自転車部隊を動員し、マレー半島攻略作戦でも銀輪部隊が活躍した。スイスの軍隊では長期にわたって自転車部隊を存続させた。

国による違い

自転車の大敵は坂道だが、国土の大半が平坦地であるオランダデンマークでは自転車の利用が非常に盛んである。特に西ヨーロッパ諸国では、都市部では自転車専用レーンが多く設置され、列車にそのまま自転車を持ち込むことができる場合が多いなど、わが国と比べて自転車環境がよいという指摘がしばしばある。趣味としてのサイクリングも、西ヨーロッパやアメリカ諸国は、わが国よりもその層が厚い。

中国でも沿海部の平地では自転車の利用が極めて多い。一方、韓国では人力を賤しむ伝統的な風潮が強く自転車を嫌う人が多いとされる。東南アジア諸国でも年中暑い気候のため、自転車の利用は一般的でない。また、上記の国々では、自動車優先、自転車・歩行者軽視の意識が強く、運転マナーが悪くて事故率が高いことから、自転車に乗るのは危険である。

イギリスではロンドン同時多発テロ以降、テロの現場の近くの店から爆発的に自転車が売れ始めた。テロ以前に比べると平均三倍以上の売り上げが上がった。客層は主に会社役員やサラリーマンであり、折りたたみ自転車を中心に安いものがよく売れた。(買った人間はホテルで使う金が馬鹿らしいとのこと)これらのことから先進国の経済都市ではテロが起こると売り上げがあがると言う見方が存在する。

自転車にかかわる問題


運転免許不要で価格も高くないものがあり手軽な乗り物である自転車であるが、それゆえにいくつもの問題が発生している。日本における主な問題には次のようなものがある。

放置自転車
自転車を駐輪する場合、多くは歩道に駐輪されているが、歩道は道路として自転車はもとより、商店の看板・植木なども置くことはできない。自転車が集中する商店街などでは膨大な自転車が放置されている。駅周辺には駐輪場が設置されている場合が多いが、駐輪場に収容出来ない場合、もしくは駐輪場まで自転車を移動しない利用者もあり(駐輪場の有料・無料の問題も含めて)、違法駐輪及び駐輪場の整備は全国的な問題となっている。一方で用地上の問題からか、施設から駐輪場までの距離が自動車の駐車場より遠いこともあり、交通行政のバランス感覚に課題があるケースもある。

歩道通行時の問題
歩道等における事故の発生:自転車が走ることができる歩道(走行可能な道路参照のこと)等であっても、歩行者を優先・配慮する義務があり、それ以外の通常の歩道においては自転車は本来、走ることは出来ない。歩道路側帯上を通行する歩行者は絶対優先にも関わらず遵守しない者が多いため、歩道等で歩行者を巻き込んだ事故が多発している。ある程度以上のスピードを出して歩道を走り、歩行者(または他の自転車)に激突すれば重大な結果(重傷ないし死亡)を引き起こす可能性を認識すべきである。自転車といえども人を死傷させた場合は重過失致死傷罪(5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)に問われうる。また、自動車等と違い、損害賠償責任保険につき強制加入もなく任意契約も一般的でないため、人を死傷などさせて巨額の損害賠償金を自己負担し、あるいは自己破産する事もありうる。

車道・自転車道の不整備
他方、本来の自転車の走行空間である車道の左側端も、後述するように決して自転車の通行に適したような整備もなされず、空間的な保障もなく、このことが自転車の「道路からの疎外」を生み出しているとも言える。また、歩行者および自動車等が原則通行禁止である自転車道も、道路管理者にとっては近年の事故増に伴い必要性が認識されてはいるが、普及しているとはとても言い難い状況である。

盗難
日本では年間40万台以上が盗難に遭っている。ただし台数については、最近は1万円を切る低価格の自転車も増えたこともあり、盗難届を出さないケースも多々ある。実際にはさらに多くの台数が盗難に遭っているものと推測される。自転車に使われているシリンダーは破錠が容易なものもあり、自転車そのものの重量が軽いので盗難が可能である。錠については自転車製造会社によってさまざまな研究がなされているほか、持ち運びしやすいU字ロックやワイヤーロックも多数製品化されている。低価格の自転車はチョイ乗りされて放置自転車化することが多いが、高級自転車は盗難後分解されてからネットオークションなどで現金化されることが多い。

運転上のルール軽視
自転車の前照灯は車輪の回転を利用した発電機を電源とする事が多く、前照灯点灯時は消灯時に比べ、走行にある程度の肉体的負担を伴う。それ故に夜間の点灯については守られることが少ないため相手に視認されず、自転車事故の主要な原因となっている。車道の左側通行その他の通行上のルールについても守られないことが多い。また交差点などでの左右確認の怠りや、一旦停止の無視さらには信号無視なども多く、事故につながっている。歩道での高速走行、警音器(ベル)による歩行者への警告も、歩行者優先のルールに反するものである。携帯電話の普及により携帯電話を使用しながら走る姿も見受けられるようであるが、これは以前よりある傘を差しながらの走行同様、非常に危険なものである。

なお、前照灯については最近は、前輪のハブにダイナモ機能を搭載したものや、低消費電力な発光ダイオードを利用して点灯時の肉体的負担を軽減するものも増えている。また、ニッケル水素電池等の充電池を使用することで点灯時の肉体的負担を全く増加させないものも登場している。

交通手段としての中途半端な位置付け
以上のように、自転車は歩行者などに対しては交通強者としての性格を持つ一方、自動車に対しては交通弱者の性格を持つ。しかし本来車道を通行するものとされる自転車の、車道における安全は確保されているとは言い難いのが現状である。 自転車が通行するとされる車道左端は、自動車の駐車(適法・違法を含む)や電信柱などといった障害物となるものがある場合が多く、また幅員の狭い道路では大型車による追い抜きが自転車に多大な脅威をもたらす。このため自転車レーンが殆ど普及していない現在、暫定的措置として「自転車通行可の歩道」の設定が多用されている。しかしこれは歩行者にとっては自転車の脅威を生むものであり、自転車にとっては歩行者を危険に晒す歩道通行か、自らを危険に晒す車道通行か、スピードという自転車の利便性の決定的な喪失かという選択を迫るものとなっているのが現状である。また「歩行者を危険に晒す」とされる放置自転車の撤去が行われる一方で、「歩行者・自転車を危険に晒す」とされる自動車等の駐車違反の取り締まりが行われない場合もあるなど、交通強者としての制限を受ける一方で交通弱者としての保護を受けられていないとする指摘もある。「環境に優しい交通機関」との評価のある自転車が、必ずしも優遇された状態にないことは日本において今後に残された課題となっている。

免許制度
全国で初めて荒川区が導入した制度。自転車に免許証を発行することにより上記の問題を解決しようとした。その後、一部の自治体でも採用されてはいるが、まだ、広まっていないのが現状である。

車種


用いる場所、使用する人によって自転車はさまざまな種類が造られている。スポーツに使われる場合は、特化した性能が求められており、一般用の車輌とは大幅に異なる車輌となっている。

その他


  • 「新製陸舟車」
    近年の史料研究にて確認された「世界で初めて発明された自転車相当の乗り物」が、新製陸舟車である。産業考古学会(※外部リンク)の2003年5月開催の総会において、「1728 ~ 1732年のわが国における自転車の発明」と題して梶原利夫が報告している。
    それによれば、彦根藩士の平石久平次時光(ひらいし くへいじ ときみつ、1696年 - 1771年)が記した『新製陸舟奔車之記』(滋賀県彦根市立図書館所蔵)に記された乗り物がペダル状及びハンドル状の機構を有して人力で走る三輪車であり、享保17年(1732年)に実際に作成されて走行に成功している。これは、ヨーロッパでの自転車の発明時期から大幅にさかのぼり、世界で初めて自転車の概念を実現したものであるという。
    この技術は、当時の一般的な路面状態の悪さや、幕府による地方の新技術発達を抑圧する政策などにより、平石個人のものに留まったと考えられている。1980年代初めに当時中日本自動車短期大学教授であった大須賀和美が、自動車技術の視点から「自動車前史」として発表したが、注目を集めなかった。なお梶原の報告によれば、平石が研究を開始したのは、当時武州児玉郡(現埼玉県本庄市)で農民が作り江戸の街で評判となった「陸船車」という乗り物に触発されたかららしいが、「陸船車」については史料は残っておらず、平石も仕組みは知らなかったようである。
    「新製陸舟車」は2003年秋にテレビ番組でも取り上げられ、船大工の人々により史料通り原寸大に復元されて東京都内の路上を走行した。

メーカー


自転車メーカー一覧

自転車をテーマにした漫画


日本のサイクリングロード


関連項目


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外部リンク


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