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 『精神障害の診断と統計の手引き』(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders )とは、アメリカ精神医学会の定めた、精神科医が患者の精神医学的問題を診断する際の指針を示したもので、アメリカだけでなく日本や他の国に於てもしばしば引き合いに出されるものである。

 1952年に初版 (DSM-I) が出されて以降、随時改定され、現在は第四版用語修正版(DSM-IV-TR) となっている。

特徴


 DSMは、精神医学の方面で革命的なアプローチをもたらしたものとして知られている。普及した理由は、
  • 病因論などに余り踏み込まずに精神症状のみを論理的推察と統計学的要素を取り入れ分類したことで、
  • 診断基準が明確になり、今まで医師の主観的な傾向にあった精神疾患の判断に対して、客観的な判断を下せる様になり、
  • 医療スタッフ側の意見や伎倆の差異による診断の違いが最小限となった事にある。
ただし、診断基準の内容や疾患分類の妥当性については疑問視する声も少なくなく、政治的・経済的な圧力に左右された経緯のある事から純医学的概念ではないとも指摘されている。

内容


DSMにおいては、各疾患においてA・B・Cの診断基準が示され、「A~C全てが当てはまる場合」その精神疾患であると診断される。

A・Bは具体的な病像が列挙されるが、C基準は「その症状が原因で職業・学業・家庭生活に支障を来している」となっている。

C基準が無ければ、世間の誰もがDSMに挙げられたいずれかの精神疾患の基準を満たしてしまうからである。特に人格障害に於いてはその傾向が強い。

 本書には、「DSM-IVは、臨床的、教育的、研究的状況で使用されるよう作成された精神疾患の分類である。診断カテゴリー、基準、解説の記述は、診断に関する適切な臨床研修と経験を持つ人によって使用されることを想定している。重要なことは、研修を受けていない人にDSM-IVが機械的に用いられてはならないことである。DSM-IVに取り入れられた各診断基準は指針として用いられるが、それは臨床的判断によって生かされるものであり、料理の本のように使われるものではない。」と書かれており、非専門家による使用を禁じているが、自己診断やレッテル貼りなどの目的で悪用する一般人が後を絶たない。

 なお、診断基準にDSMではなく、ICD-10を採用している病院もある。 精神医学

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