精液(せいえき、英語 Semen)とは、哺乳類など体内受精をする動物にみられるオスの精子を含む液体のこと。性交(交尾)の際、メスの体内に精子を導入するために、オスの体内から射出される。俗に「ザーメン」と呼ばれ、隠語としては色が似ていることから「カルピス」「ミルク」などが使われる。また、男性が射精時に放出する白い液体であることから「男汁」とも呼ばれる。
ヒトでは、一般的に性交や自慰行為による陰茎等の性的刺激により射精が誘発される。1回の射精時に放出される精液の量には個人差が大きく、また同一人でも前回の射精からの時間や体調、ホルモン状態によって左右されるが、数ミリリットル程度が一般的である。現在、ヒトの精嚢は三日間で精液で満たされることが分かっている。また、通常は短時間のうちに3~4回射精するとほぼ空になる。そのうち、2回目は粘り気が減少し、射精時の飛距離が最も遠くなる。
ヒトの精液は、3割程度が前立腺の分泌液(前立腺液)で、残りの7割程度が精嚢からの分泌液で、精子がこれらの混合物の中に懸濁している状態である。倍率400倍程度の顕微鏡で精液を観察すると、精子が鞭毛を振りながら泳いでいるのを観察することができる。一般的には、精液といえば、精子も混ざった液体を指すが、無精子症、精管結紮(けっさつ)後の精液などでは、精子は含まれない精液が体外に放出されることになる。
射精された直後から精子は精液中の果糖を消費しながら鞭毛運動を行うが、無酸素運動であるため精液中にしだいに乳酸が形成され液質が酸性に傾く。また、精子は空気中・水道水中等においては生存できない。精子はほとんどがタンパク質でできており、デオキシリボ核酸も多く含まれる。
有名なセリンプロテアーゼに、PSA (Prostate-specific antigen)、前立腺特異抗原と呼ばれる酵素がある。この酵素は精液中にたくさん含まれており、前立腺から分泌される酵素だが、前立腺肥大症や前立腺癌などの病変があると、精液中に分泌されるのとは別に、血液中にも分泌されてしまうことから、前立腺の腫瘍マーカーとして広く用いられている(前立腺を参照)。
プロスタグランジンは、前立腺からの分泌液に含まれていることが最初に調べられたため、前立腺 (prostate gland) にちなんでこの名があるが、精嚢からの分泌液に、より多く含まれていることが後にわかった。
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