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硝酸しょうさん、HNO3)は、窒素オキソ酸。代表的な強酸の一つ。

概要


五酸化二窒素(無水硝酸 N2O5)を水に溶かして得られる、一価の強酸性の液体で、金属と反応して硝酸塩(水に可溶)を作る。任意の割合で水に溶け、通常「硝酸」という場合には水溶液を指す。濃度の低い硝酸を希硝酸という。希硫酸とは異なり、希硝酸は水素よりイオン化傾向の小さい金属を溶かすことが可能である。プラチナを溶かすことはできないが、濃硝酸と濃塩酸を混ぜて王水を作ると、これらの金属も溶かすことが可能になる。また、アルミニウムクロムなどは不動態が作られるため、完全には溶けない。濃硝酸と濃硫酸の混合物である混酸を用いたニトロ化合物の合成などから爆薬が作られ、他にも染料、肥料などの製造に用いる。

強酸化剤で、木炭の粉末とともに熱すれば木炭は酸化して二酸化炭素となる。

二酸化窒素四酸化二窒素を吸収させて発煙硝酸赤煙硝酸とし、ロケットエンジンの推進剤酸化剤として用いられる。有機系の燃料と混合するだけで点火する。

歴史


古くは八世紀ごろアラビアにおいて緑礬FeSO4・7H2Oまたは明礬KAl(SO4)2・12H2Oと硝石KNO3とを混ぜて蒸留によってつくられた。十七世紀にはいってグラウバーがこれを改良し、硫酸と硝石との混合物を蒸留し、純粋な硝酸を作っている。銅・銀などを溶かすことから、硫酸よりも強いということで、強い水という意味のラテン語をとり aqua fortisとで、イギリスでは硝石の精という意味の spirit of nitreともいわれていた。硝酸という言葉は、1789年ラボアジエによって、フランス語で acide nitriqueと命名されて以来用いられるようになった。

工業的製法


2004年度日本国内生産量は630,290t、消費量は331,347tである。アンモニアから生成するオストワルト法での生産が一般的である。

オストワルト法

アンモニアを白金触媒下で900℃程に加熱すると一酸化窒素が作られる

4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O

一酸化窒素は空気中の酸素と反応し二酸化窒素となる

2NO + O2 → 2NO2

二酸化窒素を水と反応させると硝酸一酸化窒素が発生する(一酸化窒素は最初のサイクルに戻る)

3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO

硝酸イオン


硝酸イオン(しょうさん-、NO3-)は硝酸およびその化合物の電離、分解によって主に生じる1荷の陰イオン、窒素化合物。硝酸は強い酸化剤なので、多くの金属とを生成する。また一般に、金属の硝酸塩は水に溶解しやすい。

硝酸塩


消防法により硝酸塩類危険物 第1類 酸化性固体に分類される。

硝酸にまつわるエピソード


高野長英蛮社の獄により投獄されたが火事により脱獄、そのときに硝酸で顔を焼き人相を分からなくした。

参照資料


関連項目


化学物質

Азотна киселина | Àcid nítric | Kyselina dusičná | Salpetersyre | Salpetersäure | Nitric acid | Ácido nítrico | Lämmastikhape | Typpihappo | Acide nitrique | חומצה חנקתית | Acido nitrico | Salpeterzuur | Salpetersyre | Salpetersyre | Kwas azotowy | Ácido nítrico | Азотная кислота | Kyselina dusičná | Salpetersyra | Азотна кислота | 硝酸

 

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