用途地域(ようとちいき)とは、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としている。住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など12種類がある。用途地域が指定されると、それぞれの目的に応じて
- 建物の種類(下記を参照)
- 建ぺい率
- 容積率
- 高さ制限(第一種・第二種低層住居専用地域)
- 前面道路幅員別容積率制限(道路幅員に乗ずる数値)
- 道路斜線制限
- 隣地斜線制限
- 日影規制
などを決定することができる。
この他、北側斜線制限が住居系の用途地域(第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域)に適用される。
用途地域は、各地方自治体が販売する都市計画図で確認することができる。
用途地域内で、特別の用途に対して用途制限の規制、緩和を行うように定めた地域を「特別用途地区」という。 以前は11種類に限定されていたが、1998年(平成10年)の法改正により、地方公共団体が種類を自由に定められるようになった。
- (例)文教地区(東京の東京大学、国立市など)、娯楽・レクリエーション地区(競馬場など)、特別工業地区(京都市の西陣。伝統産業を保護・育成するため)、国際文化交流促進・歴史的環境保全地区(京都御苑) など
都市計画図中で、各用途は色で分けられているため、用途地域図のことを色塗りということもある。
「用途地域の指定のない区域」は色が塗られないため、白地地域と呼ばれている。白地地域は、容積率が400%まで認められるなど商業地域並みの規制が適用されていたため開発が進行していた。2000年(平成12年)の建築基準法の改正により、容積率など形態の制限を地方自治体が定めることが可能になった。
各用途の説明
第一種住居専用地域-準住居地域を「住居系」、近隣商業地域-商業地域を「商業系」、準工業地域-工業専用地域を「工業系」ともいう。なお、1992年(平成4年)の都市計画法改正前は8区分で、
第一種住居専用地域(現第一種・第二種低層住居専用地域)、
第二種住居専用地域(現第一種・第二種中高層住居専用地域)、
住居地域(現第一種・第二種住居地域・準住居地域)、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域であった。
第一種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域は低層住宅の良好な住環境を守るための地域。住居を兼ねた店舗や小中学校を建てることができる。
第二種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域は主に低層住宅の良好な住環境を守るための地域。150m²までの一定条件の店舗等が建てられる。
第一種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域は中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。500m²までの一定条件の店舗や事務所等が建てられる。病院・大学なども建てられる。
第二種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域は主に中高層住宅の良好な住環境を守るための地域。1500m²までの一定条件の店舗や事務所等が建てられる。
第一種住居地域
第一種住居地域は住居の環境を保護するための地域。3000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル等が建てられる。
第二種住居地域
第二種住居地域主に住居の環境を保護するための地域。店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等が建てられる。
準住居地域
準住居地域は道路の沿道等において、自動車関連施設などと、住居が調和した環境を保護するための地域。
近隣商業地域
近隣商業地域は近隣の住民が日用品の買物をする店舗等の、業務の利便の増進を図る地域。住宅・店舗のほか、小規模の工場も建てられる。
商業地域
商業地域は主に商業等の業務の利便の増進を図る地域。銀行・映画館・飲食店・百貨店・事務所等のほか、住宅、小規模の工場も建てられる。
準工業地域
準工業地域は主に環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域。軽工業の工場等、危険性・環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられる。
工業地域
工業地域は主に工業の業務の利便の増進を図る地域。どんな工場でも建てられる。住宅・店舗は建てられる。学校・病院・ホテル等は建てられない。
工業専用地域
工業専用地域は工業の業務の利便の増進を図る地域。どんな工場でも建てられる。住宅・店舗・学校・病院・ホテル等は建てられない。福祉施設(老人ホームなど)も不可。
課題
用途地域は、用途の混在を防ぐことを目的としているが、現在の用途地域の区分ではこの目的が達せられていない。
例えば、第二種住居地域では店舗、事務所、ホテル(ラブホテル)、パチンコ屋、カラオケボックスなどが建てられるため、良好な住宅環境が提供されていない場合もある。このため、こういった地域でのラブホテルなどの建築は、条例で禁止していることがある。また、風俗店の一部も第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、準工業地域の一部で営業することができる。
関連リンク
外部リンク
都市計画 | Land_use