狼男(おおかみおとこ)とは、月を見るとオオカミになるとされる獣人(伝説の生物)の一種。女性形であれば狼女(おおかみおんな)となる。狼人間・人狼(じんろう)とも。
ウェアウルフ(Werewolf、ワーウルフとも)や、リカントロープ(Lycanthrope、ライカンスロープとも)などと呼ばれ、その起源は東ヨーロッパとされる。北欧神話にもウールヴヘジンと呼ばれる狼に由来した戦士がいた。ベルセルクと同種と言われ、狼男の伝説にも影響を与えている。
記録として最も古いものとしては旧約聖書ダニエル書で、ネブカドネザル王が自らを狼であると想像して7年間に及んで苦しむ話がある。また、ヘロドトスの歴史(IV, 105)にあるネウロイ人(Νευροι)についての記述や医学的な記述としては、ローマ帝国末期に人が獣化する現象が初めて「症候群」として紹介され、ギリシャ神話のゼウスがリュカオーン王をオオカミに変身させる話についても言及された。
中世の神学者たちは、獣人化現象を悪魔の仕業であるとして強く恐れた。
実際の伝承では、映画などで知られたオオカミとヒトの中間的な形態をもつ人型の狼男というものは少なく、人語を話すオオカミ、もしくは人と同じ大きさのオオカミという形で語られているのが普通である。また、月や丸いものを見ると変身するという伝承もなく、その部分は映画や小説における創作である。恐らく月の光が魔力を持つという伝説や狼や犬の遠吠えから考案されたものだろう。
大抵は呪いや魔術などによって後天的に狼男となる場合が多いとされる。その場合、狼憑き(おおかみつき)とも呼ばれる。
農作物や食料の保存方法が悪かった時代、ライ麦パンに繁殖した麦角菌(アルカロイドを含有し、四肢の麻痺、思考力の低下、幻覚・興奮等の作用がある)を摂取してしまい、その結果人格が豹変したり、凶暴な行動をとってしまった人が狼男扱いされてしまったという説もある。
宗教学的には、古代東ヨーロッパ地方のバルト・スラヴ系民族における「若者の戦士集団が狼に儀礼的に変身する」という風習が、時代が下るにつれて民間伝承化されたものであると考えられている。
吸血鬼、フランケンシュタインと並び世界三大怪物。
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