海運(かいうん : marine transport)とは、海上を利用した貨物輸送である。
造船技術・航行技術の発達により、大陸間航行などが行われるようになると、その存在は一段と重みを増した。
かつては旅客も船を利用しており、第二次世界大戦前までは豪華な客船が数多く建造され、大陸間交通の主役であったが、航空機の発達と共に旅客航路は衰退。現在は近海・海峡の連絡船やフェリー、クルーズ客船などに限られている。しかし現代でも、世界的に活況を呈する貿易において物流の主軸であり、大洋の定期航路をはじめ世界中の海を交易路として行われている。
1970年代から、空荷船の積むバラスト水による環境汚染が問題視されるようになった。
また、いくつかの海峡などの重要な戦略ポイントを通過することが多いため、シーレーンが安全保障や地政学上、ボトルネックとなっている。
いずれにしても、鉱物資源などの重量物を大量に輸送する手段は他にないため、優位性は揺るがない。特に島国で、食糧や鉱物資源のほとんどを輸入に頼っている日本においては、必要不可欠な存在である。
また、プラザ合意による円高でそれまでドル建で資産を決済していた海運各社は大打撃を受け、バブル景気を尻目にリストラが続く状態であったが、近年は中国の好景気によって世界的に荷動きが活性化。それを反映して船賃が高騰したことから業績が回復してきている。
中国の資源調達政策などの影響で、重量資源を長距離運ぶ航路が増大し、キロトンが飛躍的に高まった。このため世界的に船舶不足が発生し、海運各社は新造船発注を増大させた。これを受けて造船各社は増産し、資材を生産する鉄鋼業が活況となった。鉄鋼業は鉄鉱石・石炭を大量に発注したため海運需要が増大し鉄鋼・造船・海運の三業種で需給がタイトになった。(船バブル)
現代における海運会社とは、物流会社であり運搬する商品の売買は本質的目的ではない。また、リスク分散を進めるため、船舶を借り受けている場合が多く船舶資産の運用会社としての側面が強い。船舶は、各地にいる船主と呼ばれる個人事業者が所有しており、海運会社に貸している。船主は世界中に存在するが、日本の愛媛・今治市の船主達は「エヒメセンシュ」として世界的に有名である。
また、大手海運会社は陸上・航空を含め、荷物の出発地から到着地までの一貫輸送を手がける(一般に総合物流と呼ばれる)ようになっている。日本郵船が日本貨物航空を傘下に入れ、さらにはヤマトホールディングスと提携したり、商船三井が近鉄エクスプレスと提携したことは、この流れに沿ったものであると言えるだろう。
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