『海底二万リーグ』(かいていにまん - 、Vingt mille lieues sous les mers)は、ジュール・ヴェルヌが1870年に発表した古典的なSF冒険小説であり、『グラント船長の子供たち』『神秘の島』とともに三部作をなす。邦訳は、『海底二万里』、『海底二万海里』、『海底二万リュー』、『海底二万マイル』とも訳される。オリジナル版には、アルフォンス・ド・ネルヴィルとエドゥアール・リューによる挿絵が入っている。
この物語は、ネモ船長(名前はラテン語で、英訳すると"no one"、「だれでもない」の意味になる。)という謎の人物により、極秘裏に建造された新鋭潜水艦、ノーチラス号(オウムガイの意)の冒険譚である。船舶の謎めいた沈没事件が続発し、何人かの生存者の中に巨大な鯨のような怪物を目撃した者がいた。その証言を基に巨大な鯨ではないかという仮説を唱えた海洋生物学者を含む物語の登場人物の内の3人は、それを調査のために出向いた航海の中で乗船の軍艦をその怪物に攻撃され、甲板から海に投げ出されてしまう。
彼らは幸運にもその怪物ことノーチラス号と、ネモと自称するその船長に救助され、彼らと潜水艦の旅にでることになる。
旅は世界の大洋のよく知られたあちこちへと誘い、その場所のいくつかはジュール・ヴェルヌ自身の実際の旅の記録やその中での思索から由来することが今では研究者の文献調査から分かっているが、その他のものはまったくのフィクションである。
かくて旅行者たちは、紅海の本物の(しかも美しい)サンゴ礁やヴィゴ島の海戦の残骸や、明らかに空想の産物と思われる沈んだアトランティス大陸の遺跡などを目撃することになる。 同様に、この本の中で紹介されるまだ存在していなかった潜水艦についてのヴェルヌのアイディアは予言的なもので(アメリカ海軍が1954年に就役させた世界初の原子力潜水艦ノーチラスは、本作にちなんで命名された)、今日の核兵器の途方もない速さやその遠隔コントロールにも比べられるものである。その一方、潜水艦が新鮮な空気を補給するために24時間に一度は浮上しなくてはならないなどのエピソードは、それほど驚嘆には値しない。
日本のテレビアニメ『ふしぎの海のナディア』は本作を原案としたとされているが、潜水艦ノーチラス号や一部登場人物(ネモ)の名前を除き、ストーリー的にはほとんど共通点がない。
またディズニーの劇場アニメ映画『アトランティス 失われた帝国』も本作を原作としたとされているが、なぜか本作より『ナディア』との類似点の方が多く、議論になっている(詳細はナディアとアトランティスの比較を参照)。
また、東京ディズニーシーにこの作品が元になった「海底2万マイル」というアトラクションがある(こちらはノーチラス号に乗るのではなく、小型潜水艦の「ネプチューン号」に乗るという設定)。
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