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法人(ほうじん、: juristische Person、: juristic person/ Legal entity )とは、法律の規定により「」としての権利能力を付与された団体(社団又は財団)をいう。生物学的にヒトである自然人の対概念である。

日本においては、法人は、民法その他の法律(商法など)の規定によらなければ成立することができない(法人法定主義、民法33条)。このため、事実上法人となるような実体を備えている場合でも、法の要求する形式をみたしていなければ権利義務の帰属者たる法人とはならない。このため、権利能力なき社団権利能力なき財団が発生することになるが、その法的な権利関係の処理が問題となる。

法人の分類


営利と非営利、公益と私益(非公益)

法人のうち、営利を目的とするものを営利法人とよび、そうでないものを非営利法人とよぶ。ここでいう営利とは、法人が外部的経済活動によって得た利益をその構成員(社員)へ分配することを意味する。したがって、営利法人は常に社団である。財団については、そもそも利益の分配先である構成員が存在しない以上、利益の分配ということはありえず、利益の分配されない営利目的の財団の存在を認める実益がないからである。もっとも、かつては、形式面はともかく、実質的には株式会社は営利財団法人であるとする考え方も存在した。営利社団法人のことを会社というが、新会社法における会社の営利性については論争がある。

非営利法人のうち、公益を目的とする社団ないし財団に適した法人形態が民法の規定する公益法人である。これに対し、公益を目的としない社団・財団には、適当な法人形態を提供する一般法が長らく存在しなかったため、特別法がある場合(労働組合農業協同組合など)を除いて法人格を得られなかった。しかし、平成14年4月1日に施行された中間法人法により、非公益目的の非営利社団については、法人格取得の途が開かれた。非公益目的の非営利財団には、法人格は与えられない。

なお、非営利目的の社団については、民法に対する特則として特定非営利活動促進法が制定された(平成10年法律7号、平成10年12月1日施行)。これは、ボランティア団体(社団)であるNPO(Non-Profit Organization、非営利組織)が民法上の社団法人となることは困難であったために、法人格の取得の途がなかったことに鑑み、特定の非営利活動を行う社団に対してはその要件を緩め、法人格の取得を容易にしようというものである。

現在、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案が国会に提出されており、これにより法人法の一般法がついに完成し、法人法改革がひとまず完了することとなる。

法人格の形態一覧


商法、各種業法での分け方

法人税法の「内国法人」の一覧

法人の設立と監督


法人の設立に関して、細かく主義が分かれているが、これは、国家がどの程度法人を監督するか、という法政策の問題である。すなわち、国家による監督が必要な活動であれば特許主義や許可主義を採用することになるし(法人の活動が不適切な場合には法律を改廃したり、主務官庁が許可を取り消したりする)、国家が法人の設立にまったく干渉する必要はないと考えれば、自由設立主義を採用することになる。

日本法により設立される法人について、国家の干渉度が強い順に並べると、次のようになる。

特殊銀行日本郵政公社都市基盤整備公団国民生活金融公庫などの公社公団公庫
  • 許可主義:設立は、主務官庁の裁量による。
民法上の公益法人社団法人財団法人)。
特定非営利活動法人NPO法人)・宗教法人
  • 準則主義:要件を具備すれば当然に法人となる。普通、登記・登録が必要である。
会社中間法人労働組合弁護士会中小企業等組合法に基づく組合、マンション組合法人。

法人本質論


詳しくは、法人本質論を参照すること。

法人の本質には、種種の学説がある。有名なものとしては、「法人擬制説」「法人実在説」がある。もっとも、近年はこの論点自体への疑問も提示されており、論争はない。

  • 法人擬制説
    法人擬制説は、もともと法的主体は1人1人の個人だけであり、法人は法によって個人を擬制していると考えるものである。いかなる実体が法人として認められるかは法の裁量による。法人の設立には、政府の関与が大きい特許主義許可主義をとることを主張する。対立する説としては、法人実在説がある。

  • 法人実在説
    法人実在説は、個人のほかにも社会的になくてはならないものとして活動する団体があり、その団体は法的主体であると考えるものである。法的主体として考え得るものを広く法人として認めようとする。法人の設立には、政府の関与が小さい準則主義をとることを主張する。対立する説としては、法人擬制説がある。

法人の法的主体性


詳しくは法人の法的主体性を参照すること。

法人の人権享有主体性、権利能力、行為能力については各種の議論がある。

  • 法人の権利能力
    法人には権利能力が認められる。しかし、日本の民法は、法人の権利能力に対しては極めて謙抑的な態度をとり、民法43条において「法人は法令の規定に従い定款又は寄附行為に因りて定まりたる目的の範囲内に於て権利を有し義務を負う」と規定している。判例は、同条のいう「目的の範囲」を柔軟に解釈している。八幡製鉄事件の判決では、定款に定めた目的の範囲内で権利能力があるが、目的の範囲内とは、明示されたものだけではなく、定款の目的を遂行するのに必要ならすべての行為が含まれるとした。

  • 法人の行為能力
    法人が単独で法律行為を行うことができるかどうかどうかを法人の行為能力という。これは、法人擬制説と法人実在説で結論が異なる。法人擬制説では、法人とは法が特に擬制した権利義務の帰属点に過ぎないから、行為能力を認める必要はなく、代理人たる理事の行為の効果が法人に帰属するという構成をとる。対して、法人実在説では、法人は自ら意思を持ち、それに従い行為するのであり、法人の行為能力が認められるということになる。

関連項目


法人 | 組織 (団体) | 民法 | 商法

Právnická osoba | Juristische Person | Legal entity | Juriidiline isik | Oikeussubjekti | Personne morale | Rechtspersoon | Osoba prawna | Pessoa (direito) | Юридическое лицо | Juridisk person | 法人

 

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