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水上機(すいじょうき)とは、水面上に浮いて滑走が可能な船型の機体構造、あるいは浮舟(フロート)のような艤装を持ち、水上にて離発着できるように設計された航空機である。水上機として最初から設計されたものと、通常の航空機が水上機として再設計されたものがある。

日本工業規格(JIS)の規格文書JISW0106「航空用語(航空機一般)」では飛行艇と「フロート水上機」を総称する「水上で発着する飛行機」として定義される。両者は「主にフロートによってその重量を支持する」フロート水上機と、「主に艇体によってその重量を支持する」飛行艇として区別されている。

飛行機を水上から飛ばすというアイデアは、ライト兄弟以後数年で様々なところで思い付かれていたらしい。1905年のボアザンの水上グライダーの離水実験、1908年ファーブルの水上機による初の動力飛行、などの記録が残されている。しかし、実用的な水上機の初めての物はフロートを備えた1911年のカーチス水上機(米海軍名称A-1)であるとされる.

水上機は、20世紀初頭には大きく2つの分野で注目された。

一つは、大型長距離渡洋機としてである。 その理由としては、大型で重量がかさんでも、水上という無限に近い滑走距離を持ってすれば離水できた事、仮に洋上飛行中にトラブルが起きても、水上機ならば着水して最悪の事態は避けられると考えられた事にある。これらは大型機であるという事から、飛行艇にほぼ限られる。

もう一つは、意外な事に高速機としてであった。 もちろん、浮力を得なければならない関係上、飛行艇であってもフロート機であっても、機体体積は陸上機より大きくなる。これはダイレクトに全面投影面積の増大となって反映される。これは抵抗の増大を伴うので、陸上降着装置と水上降着装置を持つ同形機体では必ず水上機の方が鈍速になるのが通常である。 それにも関わらず、この時代の水上機が高速機の花形となり得たのには次のような理由がある。

高揚力装置が未発達だった当時、高速用の高翼面加重の主翼で離陸するには長大な滑走距離を必要とした。前述の様にほぼ無制限の滑走距離をとれる水上でのみ、高速機の離水が可能だったのである。

これは水上機の発達を願って設けられたレースであるシュナイダーカップが各国の国威発揚の場となるにいたってさらに加速した。各国はこのレースのために技術の粋を結集して、盛んに高性能水上機の開発を行ったため、世界最速の乗り物といえば水上機だった時代が30年代いっぱいまで続くのである。実際に、イタリアの水上機マッキMC.72はレシプロ機であったにも関わらず1933年に709.2km/hの記録を残し、その速度は10年後に飛んだ初期のジェット機(グロスター・ミーティア)よりも高速であった。

航空母艦が発達するまでは、索敵用に多くの軍艦が水上機を搭載していた。着艦のための甲板を必要としないためである。また、特異な例として、日本では俗に潜水空母と呼ばれる伊四〇〇型潜水艦晴嵐という名の水上攻撃機を搭載していた。

第二次大戦後、陸上機の信頼性や航続距離の向上・地上設備の完備などから、水上機は航空機開発の表舞台から姿を消す。

しかしその利点は今なお有効であり、滑走路を必要としない水上機は、飛行場が整備されていない島・地域で今日でも利用されている。

水上機・飛行艇

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