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(どく)、毒物(どくぶつ)は、生物にとって不都合を起こす物質の総称である。

概要


毒物が生体へ影響を与えるメカニズムは毒により異なるため、不都合の種類と程度は、毒の種類により多様である。また、ある生物にとっての毒が別の生物には毒でないこと(選択毒性)もある。たとえば、抗生物質はある種の微生物にとっては毒だが、その他の生物にはほとんど害を与えることはない。また、その化合物が微量だけ存在することは生物にとって必要だが、一定量以上ある場合には毒としても働くビタミンミネラルなどもある。例えば、カルシウムは骨の形成に必要であるが、摂取しすぎると腎臓を傷めることになる。

日常的に「毒」と称するのは急性毒性あるいは慢性毒性を有する物質だが、そのほかに発がん性催奇性など(特殊毒性と総称する)を有する物質も多く、極端な例としてはサリドマイド(強力な催奇性物質だがそのほかの毒性はごく弱い)がある。

人体などに重篤な影響を与える毒に対して、別の薬物を投与して、影響を抑えることを解毒という。

また毒性学の基本的な考え方ではほとんどの物質は多かれ少なかれ毒性がある。砂糖食塩とて大量摂取すれば危険だが、これらはふつう毒とは言わない。毒とはだいたい後述の毒物劇物に相当する程度の毒性があるものと考えてよかろう。

外敵から身を守るため、あるいは獲物を確実に捕らえるために様々な生物が毒を持っている。生体由来の毒は、毒素(どくそ)と呼ばれる。また、人工(化学)的に作り出された毒も多い。産業用に作り出された化合物が意図せぬ有害な作用を持つ場合もあれば、化学兵器として用いるために強力な毒性をもった化合物を積極的に作り出す場合もある。

法律


毒物及び劇物取締法では、人間にとって毒にあたる化合物を、生命により重篤な影響を及ぼす毒物と、毒物ほどではないが不都合を与えうる劇物に分類して、その取扱いに制限を加えている。

また、薬事法では、医薬品に指定されている物質のうち、毒にあたるものを、毒薬劇薬としてその取扱いに制限を加えている。

そのほか、有毒物質は種類により食品衛生法化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)、労働安全衛生法農薬取締法などによって規制される。

利用


毒物も化合原料などとして利用され、さまざまな工業製品の製造に欠かせないものが多い。

また、人体に影響を及ぼす成分でも、利用法によっては逆に医療などに利用できる場合がある。例えば、ボトックスボツリヌス菌の毒素を顔の皮膚に注射や塗布することによって、筋肉の動きを抑え、皺を目立たなくする美容に用いられている。

毒は、血栓防止薬などとしての利用が研究されている。

人類の歴史上、人為によって最も多くの人命を奪ったものは、刃物火薬銃弾などではなく、毒物であると言われている。

代表的な毒


単体
フッ素(F2) 、リン(黄リン)、カドミウム(Cd) 、水銀(Hg) 、セレン(Se) 、ヒ素(As) 、プルトニウム(Pu) 、タリウム(Tl)、ポロニウム(Po) など
無機化合物
フッ化水素(HF) 、塩化第二水銀(昇汞:HgCl2)、一酸化炭素(CO)、シアン化カリウム(青酸カリ:KCN)、シアン化ナトリウム(NaCN) 、シアン化水素(HCN) 、アジ化ナトリウム(NaN3)、二クロム酸カリウム(K2Cr2O7) 、塩化金酸(HAuCl4) 、硝酸銀(AgNO3) 、硫化水素(H2S) など
有機化合物
アコニチンイボテン酸エキサイトトキシンエラブトキシン塩化メチル水銀(CH3HgCl)(即死毒)、クラ-レ(d-ツボクラリン)、コルヒチンサキシトキシンサリンシガトキシンシクトキシンソマンダイオキシンタブンテタヌストキシンテトロドトキシンドウモイ酸トリゴネリントルエンニコチンビフェニルフルオロ酢酸ホスゲンパリトキシンボツリヌストキシンムッシモールリシンなど

有毒生物


棘や牙により毒液を注入するものと、経口摂取など体内に取り入れることによって中毒症状が現れるものとがある。

動物

植物 菌類 原生生物 その他

文化


「ぶす」と毒

日本では古来より、トリカブトから得た毒を「付子」(ぶす)と呼び、狩猟に用いてきた歴史がある。

この付子は神経毒の一種で、中枢神経を冒す作用があり、軽度の中毒では、顔面筋肉の運動が減って無表情になる。醜女を「ぶす」という語源として、「毒を盛られて醜くなった容貌」から来るという説がある。異説では「不男、不女」(ぶおとこ、ぶすけ)の「ぶすけ」を略したものという説もある。

また毒を「ぶす」とも読むし、苗字や地名に「毒島」「悪島」(ぶすじま)などというのもある。

著作

事件

関連項目


外部リンク

http://www.stopusa.be/scripts/texte.php?section=CL&langue3&id=24471

http://www.monde-solidaire.org/spip/article.php3?id_article=2295

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