横川吸虫 Metagonimus yokokawai (Katsurada, 1912) (よこがわきゅうちゅう)は、扁形動物門 吸虫綱 二世吸虫亜綱 後睾吸虫目 後睾吸虫上科 異形吸虫科に属する動物。小腸に寄生する人体寄生虫の一種。和名は台湾のアユからはじめてこの寄生虫を検出した医学者、横川定にちなむ。
成虫の体長は1-1.5mmでほぼ楕円形で、雌雄同体である。
下に示すようにアユやシラウオといった淡水魚が中間宿主となるため、アユ漁の盛んな島根県高津川流域やシラウオ漁の盛んな茨城県霞ヶ浦周辺の住民に感染者が多い。また、こうした比較的高価に流通している魚から感染することが多いため、都市ではこうした魚を特に非加熱で食べる機会の多い、裕福な階層や、アユ釣りの愛好家に感染者が多い。
ミラキジウム幼生はカワニナの体内で変態し、口のないスポロキスト(スポロシスト)幼生になる。スポロキスト幼生の体内は未分化な胚細胞で満たされており、これが分裂して胚に分化し、大きな口を持ったレディア幼生となる。スポロキスト幼生の体表を破ってカワニナの体内に脱出したレディア幼生がこの大きな口で活発に宿主の体組織や競争者となるカワニナ体内の他の寄生虫幼生を摂食して成長すると、この体内にもやはり未分化な胚細胞が生じ、これが分裂、胚に分化し、成虫を小型にして遊泳のための尾をつけたような形態のケルカリア(セルカリア)幼生となる。
レディア幼生の体内で発育を完了したケルカリア幼生はレディア幼生の体表を破ってカワニナの体内に、さらにカワニナの体表を破って水中に遊出し、第2中間宿主の淡水魚に体表から進入する。淡水魚の体内に侵入したケルカリア幼生は鱗の下(アユなど)や筋肉内(シラウオ)で遊泳のための尾を失い、被嚢を分泌してこれにくるまれ、感染型幼生であるメタケルカリア(メタセルカリア)幼生に変態し、これをヒトなどが食べると、小腸に感染して成虫にまで成長する。