植物と呼ばれるのは、光合成をして、運動せずに生活する生物、あるいはそれに類似の生物をまとめる言葉である。広義には、動物でないものすべてを指す。
現代の分類学上の群としての植物については、植物界を参照。
学術的に植物とされる生物の範囲については、歴史的にさまざまな学説があった。
当時は無脊椎動物や藻類、原生生物に関する知識が薄弱だったが、それらについても研究が進むにつれ、このどちらかに振り分けられた。
5界分類以前の古い2界分類等では、シダ植物、コケ植物、種子植物の他に、以下のグループが植物に属していた。
これらをまとめてみると、植物の特徴は、以下のようなものである。
実際には、これらの特徴のどれかを持てば、植物と見なされる可能性があった。
現代の立場から考えれば、動物界に組み入れられた生物群が、ほぼ単系統のまとまったものであった分だけ、残りの植物界が、雑多な群の詰め合わせになってしまったとも言える。
それが崩壊したのは、分子遺伝学的情報が利用可能になったこと、原生生物各群の研究、特に微細構造の解明が進んだこと、そういった中から、細胞内共生によって、多様な原生生物が独自に藻類化したらしいことが明らかになったためである。
たとえば、ミドリムシ類は緑藻類と同じ光合成色素を持っている。したがって系統上は近いものと考えることができたわけである。しかし、近年の考えでは、これは全く系統の異なった原生生物が緑藻類を取り込み、自らの葉緑体としたものだと考えられている。つまり、光合成能力は、その生物の系統とは関係なく得られると考えられる。したがって、現代では、藻類というまとまりに分類学的意味を見いだすことはできなくなってしまった。
このような理由により、現代では植物界は、種子植物、シダ植物、コケ植物という陸上で進化した互いに近縁な群と、それと直接の系統関係があると思われる群のみを含めるものとなって言う。原生生物に位置づけられた藻類は、それぞれに藻類というくくりではなく、藻類を含む原生動物として見直しが進んでいる段階である。
また、光合成生物をまとめて言い表すには、やはり植物という語が用いられる。 たとえば光合成は生態系における生物生産の基礎をなすものであり、それを行う生物は、生産者と呼ばれる。これを説明する言葉としては、やはり植物を使うことが多いし、他に適当な言葉も見あたらない。そのような意味で、これからもこの言葉が使われる機会は少なくない。たとえば、海産の微小藻類は、現在の位置づけではほとんどが植物界ではないが、やはり植物プランクトンと呼ばれて行くと思われる。
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