松下電器産業株式会社(まつしたでんきさんぎょう)(英称) Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.は、「ナショナル(National)」「パナソニック(Panasonic)」「テクニクス(Technics)」ブランドで知られる日本の大手総合家電機器メーカーである。本社は大阪府門真市。創業者は松下幸之助。
グローバルブランドスローガンは「Panasonic ideas for life」。以前は、「あなたとともに、豊かに21世紀を 松下電器」(「あなたとともに豊かな未来へ」や「心を満たす先端技術 Human Electronics」、「技術で開く世界の繁栄」「世界に伸びる技術のナショナル」というキャッチコピーも存在した)というスローガンがナショナル劇場や日曜洋画劇場で放送されていた。その前、昭和30~40年代(1960年代)は三木鶏郎作のCMソングに乗った「明るいナショナル」で一世を風靡した。
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概説
松下電工を傘下に収めた現在、2004年度の売上げでは
日立製作所に続き日本で2番目の電機メーカーである。 しかし2番手ながらも自社開発した製品・企画も多い。ただ、これらの情報が世の中に浸透せず、仕方なく他社が企画した製品を売り出し、販売力を生かしてシェアを固めるという例が多かったのも事実だ。
関連会社も含め、家電製品の他にも、産業機器、通信機器など電気機器を中心に多角的な事業を展開している。近年は、あまり宣伝されていなかったノートパソコン「Let's note」が人気となっており、テレビCMも放映されるようになった。
その経営スタイルや社風から、同業のソニーとの比較をされることが多く、ソニーが好調の際にはソニー型経営を褒め称える書籍が増え、逆の状況では松下電器型経営を褒め称える書籍が本屋に並ぶなど、良きにつけ悪しきにつけ、世間では両社をライバルだとみなす傾向が強い。これはVTR機でのベータ・VHS競争の印象が強いためだと思われるが、確かに一部のオーディオ製品では、現在でも両者は直接の最大のライバルのひとつである。しかし、松下電器の販売製品全体の中でソニーと競合する製品は多くなく(特に、白物家電はSONYは販売せず)、これは映画事業やゲーム事業・金融事業へと展開するソニー側から見ても同じことが言える(松下は映画事業やゲーム事業に一時参入したが早期に撤退している)。そういった意味では、こうした松下vsソニーのような比較は、現在では的を射ていないと言えるだろう。が、商品の欠陥の数やアフターサービス、ユーザーの要望にこたえた製品作りなどを考えると松下グループのシェアよりいっそう固めるものといえそうだ。
現在の戦略は様々な規格で日系他社と争いつつも、一方で分野によっては(液晶パネルなど)東芝や日立・ミネベアなどと提携・合弁・事業移管を行うなどの動きも見せている。
また、夏と冬のオリンピックの公式スポンサーで、1988年のカルガリー冬季五輪から始まり、同年のソウル、1992年のリレハンメル冬季五輪・バルセロナ夏季五輪、1994年のアルベールビル冬季五輪、1996年のアトランタ夏季五輪、1998年の長野冬季五輪、2000年のシドニー夏季五輪、2002年のソルトレイクシティー冬季五輪、2004年のアテネ夏季五輪、2006年のトリノ冬季五輪、そして2008年の北京夏季五輪まで夏季・冬季連続で12大会連続・20年連続でAV機器カテゴリーのTOPスポンサー(「The Olympic Partner」の略。最高位のオリンピックスポンサーのこと。日本企業では松下電器産業のみ)を務めている。
歴史
- 1918年に松下幸之助が現在の大阪市福島区に創業した松下電気器具製作所が前身。二股ソケットを販売した。
- 1927年の自転車用角型ランプの販売から「ナショナル(National)」の商標を使用しはじめ、1931年にはラジオの生産を開始した。
- 1933年には事業部制をとりいれ、1935年に松下電器産業に改組し、松下電器(現・松下電工)など分社化をおこなった。
- 第二次世界大戦後、連合国軍最高司令官総司令部により制限会社の指定をうけたが、再び分社を合併して事業部制に戻し、洗濯機などの製造を開始した。1952年にはオランダのフィリップスと提携し、松下電子工業を設立した。
- 1954年に戦争でほぼ壊滅状態にあった日本ビクターと資本提携する。その際ビクターを吸収したりせず、ビクターとは競争しながら発展していくという関係をとることになった。その理念は社長が変わった今でも存続している。
- 2000年6月、中村邦夫専務が社長に就任。森下社長は会長に、松下正治会長は名誉会長に、松下正幸副社長は副会長に就任した。将来の社長候補と目されていた、創業者松下幸之助の直孫である松下正幸が副会長に就任したことにより、松下一族による社長世襲の倣いは、ほぼ霧消したといえる。
現在ではソニーのライバルとして知られ、薄型テレビ、デジタルカメラ、DVDレコーダーの新・三種の神器に力を入れて製造・販売している。
朝日放送製作・テレビ朝日系列のクイズ番組「アタック25」のスタジオに設置して使われてあるパネルを開発したことはあまり知られていないが、放送開始当初は松下電器の技術者が収録中スタジオに常駐し、不測の事態に備えていたという逸話が残っている。
商標
National 松下幸之助により、革命歌「
インターナショナル」をヒントに「国民(national)のための」という意味を込めて命名。現在は日本国内で
白物家電部門や、ごく一部の音響機器、並びに子会社・
松下電工のブランドネーム(以前はNAISと併用していたが現在はNationalに統合)にのみ使用されている。(先の事業統合により、両社ともオレンジ色のNationalロゴへ変更された。それ以前は、電器が赤色、電工が青色~黄色だった。)また、
乾電池においては
マンガン乾電池がナショナル(海外の逆輸入品・非市販品(リモコンなど商品への添付用)はパナソニック)、
アルカリ乾電池・
オキシライド乾電池、
二次電池がパナソニックを用いている。
Panasonic Pan a Sonicより。「全ての」の意の「PAN」と「音」を意味する「SONIC」からなる。海外で「National」の商標が登録されていたことと、「ナショナル」という響きが「国家主義」と取られかねないため(形容詞で「国立」「国家の」の意)に海外向けのブランドとして制定、白物家電部門を含めてパナソニックに統一されている。
国内では当初、映像・音響機器部門(放送業務用機器も含む)にも「National」ブランドを使用していたが、1986年より保守的なイメージの刷新を狙う意味で、「Panasonic」ブランドを使用している。
またグローバルブランドスローガンとして「Panasonic ideas for life」を導入している。旧スローガンは「What's NEW by Panasonic」。なお、1960年代~70年代にかけて、国内で販売されるトランジスタラジオに「National Panasonic」を使用していた時期があった(60年代後半にはトランジスタテレビにも使用)。
Technics(テクニクス) 高級音響機器のブランド。日本国内でパナソニックブランド投入前は比較的低価格の音響機器にも使われていた。また姉妹品として電子オルガンのテクニトーンも存在していた。詳しくはTechnicsを参照すること。
RAMSA 業務用の音響機材に使用。
製品カテゴリ別の商標
廃止されたものも含む。
AV機器
- パナカラー
- カラーテレビ全般。カラーテレビが標準となった後は前面には押し出されなくなったが、近年まではカタログにのみ表記されていた。他に技術方式として「エバートロン」「クイントリックス」があった。
- トランザム
- ブラウン管式ポータブルテレビ。かつてジェシーこと高見山大五郎がCMに出演したことでも知られる。
- 画王
- 衛星放送チューナ内蔵大型テレビ。90年発売後1年で60万台を売り上げる大ヒット。
- VIERA
- 液晶/プラズマテレビ。
- マックロード
- VHSビデオデッキ全般。パナソニックブランド以降消極的な表記となり、近年になってカタログからも消えてしまった。
- DREAM
- DVDプレイヤー。現在は廃止された。
- DIGA
- DVDレコーダー全般。操作性追求。
- T(タウ)
- ブラウン管テレビ全般。ビエラブランドができるまでは液晶・プラズマテレビにも使われていた。
- DIGICAM
- DV・DVDビデオカメラ全般。「愛情サイズ」などで知られている。
- LUMIX
- デジタルカメラ全般(D-snapは含まない)。光学式手ブレ補正付きが人気。
- クーガ
- ソニーのスカイセンサーに対抗すべくリリースされた、マルチバンドの高性能トランジスターラジオシリーズ。ジャイロアンテナや大径スピーカーなどの派手なギミックとルックスによって後発の不利を払拭。
- 「狙え、クーガ」「吠えろ、クーガ」のコピーは深夜族をシビレさせた。
- プロシード
- 深夜放送ブームはさらにBCLブームへと拡大。そのニーズに応えたBCL受信機がプロシード。周波数直読式のデジタルディスプレーは、競うように短波放送を聞いていたヤングの垂涎の的に。
Way(ウェイ)
- ヘッドホンステレオ。ソニーがウォークマンを発売すると、ナショナル(当時はまだパナソニックブランドではなかった)は東芝やアイワと共にいち早くこの市場に参入した。サザンオールスターズをCMキャラクターにするなどの広告展開が行われたが、ウォークマンの名称があまりにも広がったためか「Way」のブランド名称は早々に消えてしまった。その後、ナショナルブランドで発売されるヘッドホンステレオには「JUMP(ジャンプ)」のブランド名称が付けられたが、パナソニックブランドになると「RQ-」から始まる型番のみとなり、特にシリーズ名称は付けられていない。
- エレックさん
- 電子レンジ全般。現在も使用されているが、オーブン機能付機種の発売時には「オーブンエレック」となり、敬称部分が省略されるようになった。
- うず潮
- 洗濯機。各メーカーとも愛称をつけていたが、「青空」(日立製作所)、「銀河」(東芝)、「千曲」(三菱電機)など漢字二文字が多い中で、強烈なインパクトを放った。現在は廃止された。
- 愛妻号
- 洗濯機。
- 1980年代に「うず潮」に代わって命名された。現在も使用されており、また前面に押し出されている。
- 一時期食器洗い機が「キッチン愛妻号」を名乗っていたが、現在は使用していない。
- The Big
- 家庭用大型冷蔵庫。松下がかつて伝統的にラインアップしていた、家庭用2ドア大型冷蔵庫、及び家庭用両開き3ドア大型冷蔵庫に付けられていた。現在はこれ以上の容量が一般的になり、廃止された。なお両開き5ドアの機種はQuintetとされていた。
The R
- 一部の大型冷蔵庫に付けられていた名称。
- 隼(はやと)
- 掃除機。現在は使用していない。
- エオリア(Eolia)
- エアコン。スクロール式コンプレッサー採用の機種から採用された。なお、かつては「楽園」だった。
- パルックシリーズ。
- 蛍光灯。最近は従来のシリーズより明るさが長期間持続する世界初の「プレミアコーティング」技術を採用した「パルックプレミア」シリーズが登場。なお白色蛍光灯は「ハイライト」、電球型蛍光灯は「パルックボールYOU(螺旋状のものは”パルックボールスパイラル”)」という商品名。
その他
- Strada
- カーナビゲーションシステム。
- Let's Note, TOUGHBOOK
- ノートパソコン
- hito
- ノートパソコン
- 現在廃止
- おたっくす
- パーソナルファックス。旧九州松下電器が製造していたもので、旧松下電送システムの「Panafax」と競合していたが、両社の合併でパナソニック コミュニケーションズが発足したことににより家庭用機は「おたっくす」、業務用機は「Panafax」と住み分けが図られた。
- キングコング, A1シリーズ
- MSX規格のパソコン(生産終了)
- OZMA, オズマシリーズ
- カーオーディオのブランド(生産終了)
- スララ, U1PROシリーズ
- パーソナルワープロのブランド(生産終了)
キャラクター
- ナショナル坊や
- 1950年代に登場したキャラ。電器店の店頭にて人形が置かれたりしていた(一部店舗では現在も店内に人形を置いている所がある)。
- パナ坊
- 現行キャラ。テレビCF「ナショナルのお店」「ナショナル特選品フェア」(いずれもアニメ作品)に登場。デザイナーは絵本作家の五味太郎。
年表
- ※この後各工場の新設、拡充が相次ぐ
- 1954年 - 日本ビクターと提携。
- 1957年 - 専売店の集まり「ナショナル店会」「ナショナル・ショップ制度」発足。高度成長期の強大な販売網として機能。
- 1965年 - 完全週休二日制を実施、新販売制度(流通経路の短縮主体)。高度成長路線に乗る。
- 1973年 - 「National」「Panasonic」ロゴを現在のものへ変更(それ以前は「NATIONAL」「PANASONIC」)。パナファコム株式会社(現:株式会社PFU)を設立
- 1977年 - VHS方式のビデオ(マックロード)を発売。
- 1986年 - 「パナソニック/Panasonic」ブランドを国内でも使用開始(それ以前からトランジスタラジオ・トランジスタテレビに限り使用されていた時期があった)
- 1989年8月1日 - 本社技術部門の大規模な改革
- 1990年 - MCA社(現・ユニバーサル・スタジオ)を子会社化、テレビ、ビデオなど家電の部門をナショナルからパナソニックに変更
- 1993年 - フィリップスとの合弁解消、クロスライセンス契約に移行。
- 1995年 - MCA社の出資分80%をシーグラム社に売却
- 1997年 - 社内分社制を導入(関連する事業部を統合・集約)
- 2001年 - 松下電子工業吸収。また、同社傘下にある宮田工業(自転車や消火器などのメーカー)の保有株式の半数をモリタへ譲渡 任天堂と共同開発商品DVD/GAME Player Q発売
- 2003年 - 松下電工の子会社化、グローバルブランドをPanasonicに統一、グローバルブランドスローガン「Panasonic ideas for life」の導入
- 2004年 - アルカリ乾電池以来40年ぶりとなる新型の乾電池「オキシライド乾電池」を開発
- 2005年
- 2006年
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外部リンク
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