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朝鮮民主主義人民共和国の呼称方法については、朝鮮民主主義人民共和国/呼称問題についての暫定合意を参照のこと。


朝鮮民主主義人民共和国(ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく)は、東アジアにある朝鮮半島を統治する社会主義国家)。政府は「朝鮮半島全体を領土とし、そのうち北半部を統治する」と主張している。軍事境界線(38度線)を挟み大韓民国の統治区域と対峙しており、北は中華人民共和国ロシア連邦と接している。

国名


正式名称は、조선민주주의인민공화국Chosŏn Minjujuŭi Inmin Konghwaguk。片仮名で表すと「チョソンミンジュジュイインミンコンファグク」)。漢字表記は朝鮮民主主義人民共和國だが、1948年の建国当初から漢字を廃止している同国では、漢字表記はあくまで外国語の扱いである。

公式の英語表記は、Democratic People's Republic of Korea、略称はD.P.R.Korea, DPRK。ほかの英語表記として、世界的には North Korea がよく用いられる。ただし、朝鮮民主主義人民共和国自身は、North Koreaは国名ではなく地域名であり、朝鮮民主主義人民共和国への蔑称である、として North Korea を使いたがらない。北朝鮮自身は自国のことを単に「共和国」と呼ぶことが多い。

日本語表記は、朝鮮民主主義人民共和国。ただし、日本では、分断国家に対する通例として、朝鮮半島北部の意味である北朝鮮(きたちょうせん)という言い方を用いることが多い。この言い方も、North Koreaと同様に、朝鮮民主主義人民共和国自身や、その在日本公民団体である朝鮮総連は嫌っており、共和国や、「朝鮮」を朝鮮語読みしたチョソンを用いた上で、推奨している。

このような朝鮮総連からの動きを受け、長らく多くのマスメディア報道時に、冒頭で一度は正式名称と略称を併称し、2度目以降は「北朝鮮」のみを用いるという呼称方法を採用し、双方が妥協する状態となっていた。冒頭での呼称は、テレビなどアナウンスの場合は「北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国」という形式であり、新聞など文の場合は「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」という形式であった。っただし、かつてと比べると、現在では、このような呼称方法を採用しているマスメディアは少数となっている。

なお日本では、かつて「北朝鮮」を省略した「北鮮(ほくせん)」という表現も使われていたが、差別的な意味合いを持つと見なされている為、現在では殆ど見られない。また、大韓民国で主に使用されている北韓(ほっかん)という表現も、主に民団を始めとする大韓民国の立場を支持する人々の間などで使用されている。

歴史


共和国成立以前

詳細は朝鮮の歴史を参照

朝鮮半島は、歴史的に何度も様々な国が分裂、統一を繰り返してきた。また、朝鮮民主主義人民共和国の占有する半島北部の一部はなど半島外の勢力による支配を受けたり、高句麗のように半島北部から満州にまたがる勢力をもった国家が存在したこともあって、その歴史は複雑である。ただし、高麗王朝以降は統一国家が持続し、朝鮮王朝期には、朝鮮の地域範囲が確定した。また、住民の均質化も進行していき、現在では朝鮮民族としてほぼ均質化された人々が、朝鮮全土に広がって居住している。

朝鮮は、1910年から日本による支配を受けた。支配は1945年に終焉したが、その直後から、北緯38度線以南をアメリカに、38度線以北をソ連に占領され、それぞれの軍政支配を受けた。その後、米ソ両国は朝鮮の信託統治実現を巡って決裂し、それぞれの支配地域で政府を樹立する準備を開始した。結果、1948年8月15日アメリカ軍政地域単独で大韓民国が樹立され、これに対して同年9月9日に朝鮮民主主義人民共和国が成立したことで、朝鮮の分裂は固定化された。

共和国成立後

詳細は朝鮮民主主義人民共和国の歴史を参照

南北朝鮮の両国は、互いに「朝鮮の正統な政府」であると主張して対立を深め、遂には1950年朝鮮戦争に至った。朝鮮全土を破壊した戦争は1953年に休戦を迎えたが、軍事境界線が制定されたことで朝鮮の分断が確定化された。朝鮮は現在も停戦状態のまま南北に分断されており、分断が固定された状態は50年以上続いている。

朝鮮民主主義人民共和国は、金日成が建国当初から1994年の死去まで最高指導者の位置を占めた。金日成の死後、彼の実子である金正日が、1997年朝鮮労働党総書記に就任した。そして1998年には、憲法改正で国家主席制を廃止すると共に、最高人民会議で国防委員長に再任されることで事実上、最高指導者の座に着いた。それ以降、政府は国際関係の改善に向けて、多くの国に対し関係改善に向けて取り組みを行なった。結果、1999年以降に相次いで国交を樹立した他、2000年には南北首脳会談の開催に成功した。しかし、核兵器開発計画巡って、アメリカとの間では緊張状態が継続した他、日本との国交締結交渉は、日本人拉致問題植民地支配の賠償などで意見が対立し、締結には至っていない。

朝鮮戦争後、朝鮮民主主義人民共和国は、他の社会主義国家から支援を受けながら経済を発展させ、1970年代までは大韓民国に対し国力で優位性を保っていた。しかし、その後は経済政策の失敗から経済事情が悪化し、特にソ連崩壊がきっかけになって(直接的にはソ連からの重油の供給ストップが打撃となって)1990年代半ばにかけて国の経済は衰退していった。それと同時に、国内各地では食糧不足が深刻化した。各国の支援にもかかわらず、食料配給制度の崩壊から、内陸の農村部を中心に何百万もの人々が餓死する事態となった。それに伴い、多くの人々が食料を求めて中国へと密入国し、脱北者問題が国際的に注目された。ただし、1999年以降は、中両国の経済協力などによって、GDPは回復しつつある。最も、経済状況は、未だ1970年代の水準で停滞したままでいる。

政治


詳細は朝鮮民主主義人民共和国の政治を参照

政治体制は主体思想(チュチェ思想)に基づく共産主義体制をとる。しかし、事実上の一党独裁体制を担う朝鮮労働党(注)の支配組織としての形骸化が指摘されており、現在は国防委員長である金正日の個人独裁体制といわれる。 金正日とその周辺の軍幹部の利益を優先するため、自国民の数百万人以上の餓死や、強制収容施設での虐殺等、数多くの人権問題が起きたとして、人権団体や国際連合アメリカ合衆国等の諸外国は、北朝鮮を強く批判している。

金正日は朝鮮人民軍を中心とした先軍政治を掲げている。

元首に関しては国防委員長が「国家最高の職責」として事実上の元首職であるが、形式上は外国使節の信任状などを取り付ける役割を果たす最高人民会議常任委員長が元首に相当するものとされる。現在の最高人民会議常任委員長は金永南。最高人民会議は近年、ほとんど開かれることがなく、金正日の個人独裁体制である。

建国者である国家主席金日成1994年に没してからは、息子の金正日が朝鮮労働党総書記、朝鮮人民軍最高司令官、共和国国防委員長として国を統治している。

注:公式には朝鮮労働党の他にも朝鮮社会民主党天道教青友党という政党があるが、この二党は朝鮮労働党の指導を認めているいわゆる「衛星政党」であり、実体は朝鮮労働党の一党支配といえる。

軍事

「先軍政治」を掲げ、何よりも軍備拡充に力を入れている。過去数十年にわたり国防のために莫大な資源をつぎ込み、世界で5番目に大きい100万人を超える軍隊を有し、GDPに占めるその比率が高いが、その装備は旧式で特に航空機等の近代兵器で性能、練度ともに韓国軍よりも劣ると言われる。核弾頭搭載可能な弾道ミサイルテポドン)を保有しているとされる。

国際関係

国境を接する中華人民共和国およびロシア連邦と密接な関係を維持してきた。

アメリカ合衆国はこの国を悪の枢軸の一つと位置づけ、日本などと共に、この国の長期にわたるミサイル開発計画と核開発を牽制している。一方で、朝鮮民主主義人民共和国も米国に対し、敵視政策を止めるよう要求している。これらの問題解決そして緊張緩和に向けた具体的な動きとして、2003年8月以降、核問題を中心に、日本、韓国、ロシア、中国、米国と共に六カ国協議を実施しているが、朝米が互いに譲歩せず、膠着状態が続いている。

この他、韓国人、日本人、レバノン人などの拉致、日本・韓国に存在する工作員、諸外国に対する麻薬の密輸、過去にも当局が否定する大韓航空機爆破事件ラングーンでの韓国要人爆殺大統領殺害未遂、北朝鮮国内の人権問題などの問題がある。工作員については、以前は国内でも中波657kHzのAMラジオで聞ける「平壌放送」にて暗号電文を使い指令を送っているとされてきたが、2000年に終了。現在はモールス信号や、携帯電話やコンピュータの電子メールを使って指令しているとの説もある。 1980年に一時、大韓民国にたいして高麗民主連邦共和国創設を提案したことがある

日本との関係

日本政府は1965年日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約により、朝鮮半島にある唯一の合法的な政府を大韓民国としているため、国家として承認していない。 従って、正式な外交関係(いわゆる国交)はない。かつてはパスポートに「This passport is valid for all countries and areas except North Korea (Democratic People's Republic of Korea).」と記載される渡航先適用除外条項があったが、現在ではこの条項は削除されている。 貿易関係はそう大きくないものの存在し、日本への船舶の入港は年間千数百隻に上っている。 政治的軍事的な対立から緊張した関係が続いている。

2002年9月17日に「日朝平壌宣言」により、国交正常化が合意されたが、正常化交渉は難航している。

地理


朝鮮半島全域を領土であるとし、そのうちの軍事境界線(38度線)以北及びその属島を統治している(38度線以南は、実際には大韓民国政府が統治しているが、朝鮮民主主義人民共和国では、地域をさす表現としての「南朝鮮남조선 ナムチョソン」が用いられている)。

ちなみに、大韓民国も同じく朝鮮半島全域を領土であるとしている。韓国では、朝鮮民主主義人民共和国を、自ら統治できない38度線以北の地域をさす意味で「北韓북한 プッカン」と呼ぶ。

また、朝鮮民主主義人民共和国の憲法で定められる首都は、1972年までソウルとなっており、平壌は当時「臨時首都」の扱いだった。しかし1972年憲法制定で、首都は公式に平壌に変更された。もちろん、実質的な首都機能はそれ以前から平壌に存在した。

北朝鮮の緯度は日本でいうと宮城県から北海道の範囲に位置する。気候は寒冷で、亜寒帯に属する。

行政区域


詳細は朝鮮民主主義人民共和国の地方行政区画を参照。 조선일보 NKchosun.com - 지리 (행정구역 현황)等を参考にした。 Kn-map.png

直轄市
平壌直轄市(ピョンヤン=ジカルシ)
特別行政区
新義州特別行政区(シニジュ=トゥクピョルヘンジョング)
工業地区
開城工業地区(ケソン=コンオプチグ)
観光地区
金剛山観光地区(クムガンサン=グァングァンジグ)
江原道(カンウォン=ド)
両江道(リャンガン=ド)
慈江道(チャガン=ド)
平安南道(ピョンアンナム=ド)
平安北道(ピョンアンプク=ト)
咸鏡南道(ハムギョンナム=ド)
咸鏡北道(ハムギョンプク=ト)
黄海南道(ファンヘナム=ド)
黄海北道(ファンヘプク=ト)

経済


詳細は朝鮮民主主義人民共和国の経済を参照 Earthlights in nkorea.jpg

第一次産業である、農業漁業林業などが中心。もともと農業に適する地域が少ないため、化学肥料や農薬を大量に利用して食料自給を維持していたが、ソ連崩壊によるエネルギー不足の影響で農業生産が大幅に減退した。その結果、食糧が乏しくなって各地で飢えが発生し、海外からの食糧支援に大きく依存している。

日本統治時代には南部(現大韓民国)の農業に対して、北部は鉱工業を促進する政策を取っていたが、独立後は設備投資を怠り老朽化が目立つ。さらに外貨不足、質の悪い石炭や送電ロスに起因する電力不足、資材不足により工業の生産能力は非常に低い状態となっている。

資源としては石炭をはじめとした鉱物資源が比較的豊富。また松茸魚介類なども豊富で、日本などに輸出して貴重な外貨獲得源になっている。しかし、採掘する設備が非常に旧式である為、生産性は高くない。

人口と人権、食糧問題


北朝鮮政府は人口統計を1993年末に1回だけとったのみであり、正確な人口は北朝鮮政府自体が把握していない。米国CIAのWorld Factbookによれば2005年の推定人口は22,912,177人である。過去には3千万とした文献もあったが食糧危機のため人口は1980年代後半以降、大きく減少したと思われる。脱北者の多数の証言によれば、首都以外の地域では、1997年頃は道路にも餓死者の死体が大量にあったとされる。

1980年代以降、ソ連など共産圏からの援助が激減しエネルギー不足となったのをきっかけに、国内の食糧事情が極度に悪化し、300万人以上の国民が餓死したと言われる。北朝鮮政府は、食糧危機の原因を水害や干ばつなどの天災としているが、それは主たる原因ではない。真の原因は、エネルギー不足により肥料生産が減り、肥料や食料の運搬が困難になったことと、各地域の天候や現状は無視して、首都から各地方へ画一的な主体農法を押しつけた、北朝鮮政府の非現実的な食糧生産政策が原因とされる。また、生産された食糧のかなりの部分を、各地の労働党幹部が確保し、一般国民へ食糧が届かないことも、餓死の大きな原因とされる。

その他に、刑務所や政治犯収容所などの強制収容施設で多数の人々が死亡したと言われるが、北朝鮮政府は政治犯収容所の存在を否定している。しかし政治犯収容所の収容者や警備兵などの多数の証言によれば、収容所内で裁判なしに多くの人が日常的に殺害されたということである。

餓死と強制収容施設での問題の他、食糧問題と人権問題を原因とする、多数の国民の北朝鮮からの脱出、いわゆる脱北も、人口減の原因である。北朝鮮と接する中国東北部には、北朝鮮から逃れた人々が数万人以上滞在している。中国は国境地帯の警備を強化している。

国民


朝鮮半島東北部は古くは女真人などツングース系民族の流入が相次いだが、李氏朝鮮時代から日本の支配期にかけて住民の均質化が進み、ほとんどが朝鮮民族となっている。

宗教


共産化以前の時代には、キリスト教新興宗教の信者がいたことが知られており、統一教会文鮮明もそうした新興宗教グループの出身である。

現在、宗教に関することは明らかになっていない。当局は、外国人が訪朝した際に、平安南道にある妙香山の普賢寺を見せて「朝鮮では信教の自由がある」と説明している。しかし諸外国では、「普賢寺そのものが、あくまで外国人にそう説明するための手段に過ぎず、実際のところ、朝鮮民主主義人民共和国公民にはほぼみな、信教の自由がない」とする見方が主流で、国内の統一思想としている主体思想が、事実上、宗教を代替していると考えられる。以前、「資本主義→社会主義→共産主義」という授業をした金日成総合大学教授が、主体思想を扱っていないとの事で降ろされたという事件もあった。

文化


基本的には、同じ民族が暮らしている韓国と似ている。衣装はチョゴリ、食べ物はキムチ平壌冷麺が有名。ただしこのような料理が庶民の口に入ることは無い。冷帯に属し気候が寒冷なので、冬になると建物の床下に薪の煙を通し暖を取る昔ながらのオンドルを使用しているところが多い。オンドルの使用で毎年多くの一酸化炭素中毒死者を出している。

世界遺産

国内には、ユネスコ世界遺産リストに登録された文化遺産の高句麗古墳群がある。

音楽


ポチョンボ電子楽団ワンジェサン軽音楽団、朝鮮人民軍合唱団、朝鮮人民軍軍楽団、朝鮮民主主義人民共和国国立交響楽団などが存在する。日本の音楽の無許可カバーを行っていたりもする。

「金日成将軍の歌」や「金正日将軍の歌」、抗日闘争を題材としたオペラ「血の海」などが有名。

平壌には、東アジアを代表する作曲家尹伊桑の音楽を研究する為に設立された、尹伊桑音楽研究所がある。

なお、朝鮮民主主義人民共和国はベルヌ条約に加盟しているものの、日本政府は国家としてみなしていないため、事実上朝鮮民主主義人民共和国の著作物主にテレビ画像は日本国内で「使い放題」の状態になっているのが現実であった。

著作権料の取り立てが何度か行われた事もあるが、テレビ朝日等を除くほとんどのメディアは払っていないなどの話もあったが、現在では、朝鮮民主主義人民共和国側の主張により、日本各メディアの対応は変化し、衛星テレビ画像などは報道引用のみとしている。

祝祭日


祝祭日

日付 日本語表記 現地語表記 備考
1月1日正月양력설
2月16日民族最大の名節김정일령도자의 탄생일金正日総書記誕生日
4月15日太陽節태양절 (김일성주석의 탄생일)金日成主席誕生日
4月25日人民軍創建記念日조선인민군 창건일
5月1日国際労働者節전세계로동계급의 명절所謂「メーデー
7月27日祖国解放戦争勝利記念日조국해방전쟁승리의 날1953年朝鮮戦争休戦記念日
8月15日解放記念日조국광복의 날日本統治からの解放(光復)を祝う日。
9月9日共和国創建記念日조선민주주의인민공화국창건일建国記念日
10月10日朝鮮労働党創建記念日조선로동당창건일
12月27日憲法節조선민주주의인민공화국 사회주의헌법절
陰暦1月1日旧正月설명절民族の名節
陰暦1月15日小正月정월대보름民族の名節
陰暦5月5日端午수리날民族の名節
陰暦8月15日チュソク(秋夕)설명절民族の名節

関連項目


外部リンク


公式サイト

その他

朝鮮民主主義人民共和国

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