有限責任(ゆうげんせきにん)または有限責任原理(ゆうげんせきにんげんり)とは、会社などへ出資した者がその出資した額についてのみ責任を負うという原理。株式会社の株主、合同会社の社員、および合資会社の有限責任社員について有限責任が認められている。
2005年8月1日から有限責任事業組合契約に関する法律により、共同で営利を目的とする事業を営むための組合契約であって、組合員の責任の限度を出資の価額とするものに関する有限責任事業組合制度が創設された。
これに対して合名会社の社員や合資会社の無限責任社員は、会社の債務について会社財産をもってしても完済できなかった場合には自己の財産をその弁済に充てることを迫られる。これを有限責任と対比して無限責任という。
それでも会社が債務超過に陥った場合、債権者はこの有限責任原理をかいくぐって債権回収を図る。例えば、法人格否認の法理を援用して会社の法人格を無視して実質的経営者の財産を会社の財産と同視することでそこから債権を回収することがある。また、株主であり取締役である者の取締役としての経営責任を会社法429条(旧商法266条ノ3)に基づく損害賠償請求裁判において追求することもある。これらは実質的に見れば有限責任原理を回避して株主から債権を回収することになる。特に後者の方法は頻繁に用いられ、事実、かつての商法266条ノ3に基づく損害賠償請求事件が日本国内で提起される訴訟の中でも最も多かったといわれている。またより直接的な方法としては、株主であり取締役である者と予め連帯保証契約を結んでおくことが有効であり、いわゆるオーナー経営者が有限責任の利益を享受できることは稀である。