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日本銀行にっぽんぎんこう、にほんぎんこう、英語名: Bank of Japan)は、日本銀行法に基づいて1882年に設立された認可法人であり、日本国中央銀行である。日銀にちぎん)と略されることが多い。

概要


日本銀行は、政府から独立した法人とされ、公的資本と民間資本により存立する。資本金は1億円で、そのうち政府が55%の5500万円を出資し、残り45%にあたる約4500万円を政府以外の者が出資する。出資者には出資口数を証した「出資証券」が発行されるが、出資証券はジャスダック証券取引所に上場され、株券に準じて取引されている。証券コードは8301。取引の1単元は100株(口)。2005年(平成17年)3月末日時点における政府以外の出資者の内訳は、個人39.2%、金融機関2.7%、公共団体等0.3%、証券会社0.1%、その他法人2.7%となっている。株式会社と異なり、出資者は経営に関与することはできず、役員選任権等の共益権はない。また、自益権に相当する剰余金の配当も、払込出資金額(額面金額に相当。1証券あたり100円。)に対して年5分(5%)以内に制限されている。この10年間、1証券あたり50万円~200万円の価格で取引されており、配当利回りを計算すると年0.01~0.004%程度ということになる。

日本銀行の最高意思決定機関は、政策委員会である。政策委員会は9人の委員からなる(総裁、2人の副総裁と6人の審議委員。)。政策委員会は、通貨及び金融の調節に関する事項(金融調節事項)の方針決定、その他の業務の方針の決定、役員(監事及び参与を除く。)の職務の執行を監督する。政策委員会には、政府から財務大臣と経済財政政策担当大臣(又はその指名する財務省内閣府の職員)が適宜出席する。この政府からの出席者は、意見を述べることができ、また、金融調節事項に関する議案を提出し、その議決の延期を求めることができる。ただし、これらの者に議決権はなく、延期の求めも委員の議決によってその採否が決められる。

日本銀行には役員として、総裁(1人)、副総裁(2人)、審議委員(6人)、監事(3人以内)、理事(6人以内)、参与(若干名)が置かれる。総裁、副総裁、審議委員は、衆参両議院の同意を得て内閣が任命する。監事は内閣が任命する。理事、参与は政策委員会の推薦に基づいて財務大臣が任命する。総裁、副総裁、審議委員の任期は5年、監事、理事の任期は4年、参与の任期は2年である。理事を除く役員は、法に列挙された事由に該当する場合(破産手続開始の決定を受けたとき、禁錮以上の刑に処せられたときなど)を除き、在任中、その意に反して解任されることがない。各役員の職務と権限は次の通り。

  • 総裁 - 日本銀行を代表し、政策委員会の定めるところに従い、日本銀行の業務を総理する。(歴代総裁は下記。)
  • 副総裁 - 総裁の定めるところにより、日本銀行を代表し、総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行う。
  • 監事 - 日本銀行の業務を監査する。監査の結果に基づき必要があると認めるときは、財務大臣、内閣総理大臣又は政策委員会に意見を提出することができる。
  • 理事 - 総裁の定めるところにより、総裁及び副総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故があるときは総裁の職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときは総裁の職務を行う。
  • 参与 - 日本銀行の業務運営に関する重要事項について、政策委員会の諮問に応じ、又は必要があると認めるときは、委員会に意見を述べることができる。民間から、金融界を中心とする財界人と学者があてられる。

日本銀行には内部組織として、15の局室研究所(2室12局1研究所)が置かれる。このほか本店と、国内に34の支店、14の事務所、海外に7の駐在員事務所を置く。(詳細は下記)

日本銀行の職員数は平成17年3月末現在5,052人。職員は総裁が任命し、「みなし公務員」とされる。

日本銀行の統一金融機関コードは、0000SWIFTコード(国際送金用の電信コード)は、BOJPJPJT

沿革


役割


1998年、日本銀行法の全面改正によって、「国家経済総力の適切なる発揮を図るため国家の政策に即し通貨の調節、金融の調節及び信用制度の保持育成に任ずる」、「専ら国家目的の達成を使命として運営せらしむる」機関として位置づけられていた旧法制定当時(太平洋戦争下)の国家総動員・戦時立法色を払拭して、日本ひいては国民経済の発展のために資するための機関と位置づけられて、政府からのその独立性が明確とされた一方で、円で生活している国民の危惧を排せるような、金融政策の透明化が不可欠のものとして求められるようになった。

機能

  • 発券銀行 紙幣日本銀行券)の発行および管理を行う
  • 公定歩合操作、公開市場操作支払準備率操作等の手法により金融政策を実施する。
  • 政府の銀行であると共に日銀特融などの「最後の貸手」として銀行の銀行としての役割を果たす。(個人の利用は出来ないし預金口座も作れない)
  • 各国中央銀行や公的機関との間の国際関係業務(外国為替市場への介入を含む)を行う。
  • 金融経済情報の収集および研究を行う。
  • 通貨流通量を調整することで物価を安定させる。

通常業務

  1.  商業手形その他の手形の割引。
  2.  手形、国債その他の有価証券を担保とする貸付け。
  3.  商業手形その他の手形(日本銀行の振出しに係るものを含む。)又は国債その他の債券の売買。
  4.  金銭を担保とする国債その他の債券の貸借。
  5.  預金契約に基づいて行う預金の受入れ。
  6.  内国為替取引。
  7.  有価証券その他の財産権に係る証券又は証書の保護預り。
  8.  地金銀の売買その他前各号の業務に付随する業務。

本支店


本店は現在東京都中央区に所在するが大阪支店が本店になる想定もあった。

本店1店、支店32店、事務所14ヶ所、海外事務所7ヶ所

  • 本店-東京都中央区日本橋本石町
  • 大阪支店-大阪市北区中之島
  • 名古屋支店-名古屋市中区錦
  • その他支店
横浜・福岡・札幌・京都・神戸・仙台・北九州・広島・静岡・釧路・函館・青森・秋田・福島・前橋・新潟・金沢・松本・甲府・岡山・松江・下関・高松・松山・高知・大分・長崎・熊本・鹿児島・那覇
  • 国内事務所
水戸・帯広・旭川・盛岡・山形・富山・福井・長野・鳥取・徳島・佐賀・宮崎
  • 電算センター(東京都府中市) 
  • 発券センター(埼玉県戸田市)
  • 海外事務所
ニューヨーク・ワシントン・ロンドン・パリ・フランクフルト・香港・北京

日本銀行総裁一覧


氏名 就任日 出身 前職等
1吉原重俊1882年10月6日鹿児島県大蔵少輔(次官)
2富田鐵之助1888年2月22日宮城県大蔵大書記官
3川田小一郎1889年9月3日高知県三菱事務総監
4岩崎弥之助1896年11月11日高知県三菱財閥総帥
5山本達雄1898年10月20日大分県郵便汽船三菱会社(現日本郵船
6松尾臣善1903年10月20日兵庫県大蔵省主計局長、大蔵省理財局長
7高橋是清1911年6月1日東京都特許局初代長官
8三島彌太郎1913年2月28日鹿児島県横浜正金銀行頭取
9井上準之助1919年3月13日大分県日本銀行はえぬき第1号、横浜正金銀行頭取
10市来乙彦1923年9月5日鹿児島県大蔵事務次官大蔵大臣
11井上準之助1927年5月10日大分県
12土方久徴1928年6月12日三重県日本銀行、日本興業銀行総裁
13深井英五1935年6月4日群馬県國民新聞社外報部長、松方正義蔵相秘書官
14池田成彬1937年2月9日山形県時事新報社論説委員、三井銀行筆頭常務取締役
15結城豊太郎1937年7月27日山形県日本銀行、日本興業銀行総裁、商工組合中央金庫初代理事長
16渋沢敬三1944年3月18日東京都第一銀行副頭取
17新木栄吉1945年10月9日石川県日本銀行理事
18一万田尚登1946年6月1日大分県日本銀行 最長在職 「法王」と呼ばれる。
19新木栄吉1954年12月11日石川県東京電力会長、駐米大使
20山際正道1956年11月30日東京都大蔵事務次官、日本輸出入銀行総裁
21宇佐美洵1964年12月17日山形県三菱銀行頭取
22佐々木直1969年12月17日山口県日本銀行
23森永貞一郎1974年12月17日宮崎県大蔵事務次官、東京証券取引所理事長
24前川春雄1979年12月17日東京都日本銀行
25澄田智1984年12月17日群馬県大蔵事務次官、日本輸出入銀行総裁
26三重野康1989年12月17日大分県日本銀行
27松下康雄1994年12月17日兵庫県大蔵事務次官、太陽神戸銀行頭取、さくら銀行会長
28速水優1998年3月20日兵庫県日本銀行理事、日商岩井会長、経済同友会代表幹事
29福井俊彦2003年3月20日大阪府日本銀行副総裁、富士通総研理事長、経済同友会副代表幹事

不祥事


  • 1998年3月11日 - 日本興業銀行三和銀行からの高額の接待の見返りに、金融動向に絡む日銀の機密情報を公表前に流したり、新しい資金取引への入札参加を認めたりするなどの便宜を図っていた疑いで営業局証券課長が逮捕された(ザブン・ドブン事件)。
    この事件に伴い、松下康雄総裁と、当時、その後継と目されていた福井俊彦副総裁(その後、富士通総研理事長を経て、2003年日銀総裁に就任)が辞任し、日商岩井相談役の速水優が総裁に、時事通信社藤原作弥と日銀理事の山口泰が副総裁に就任した。
  • 2004年11月25日 - 前橋支店の行員数名が、上司等の管理者の離席の際に、同年11月1日に新しく発行された紙幣のうち、希少価値があるとされるいわゆるゾロ目の紙幣(4枚)を抜き出し、自分らの所有するゾロ目でない紙幣と無断で交換していたことが一般人からの通報に基づく内部調査により判明。
    当該職員らに最高で1週間の休職処分などの懲戒が科され、日本銀行も組織として謝罪した。
  • 2006年4月20日 - 日本銀行は職員2150人を調査したところ、半数に航空機を利用した出張でごまかし清算があったことを発表した。

関連項目


日本銀行出身の著名人


外部へのリンク


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