新古典主義(しんこてんしゅぎ)とは、18世紀後半以降、フランスで見られた古代ギリシア・ローマへの回帰運動を指して使われるようになった言葉である。他のヨーロッパの国でも同様の傾向に対して使われる。
概要
18世紀前半に
ポンペイの遺跡が発掘され、古代への関心が高まった。また、
美術評論家ヴィンケルマンがギリシア賛美の評論を書き、各国に影響を与えた。これらが新古典主義の背景になっている。
それまでのロココ美術があまりに甘美な装飾様式で、絵画等の題材が貴族主義的、退廃的と揶揄され、ギリシア・ローマの古典様式を模範とし、当時なりに解釈し、洗練させた芸術様式が生まれた。形式的な美、写実性を重視しており、その成り立ちから、新古典主義(Neo-Classicism)と呼ばれる。新古典主義はフランスのアカデミーの主流になっていった。
フランス革命、ナポレオン・ボナパルトの登場によって、古典の英雄主義的な主題はさらに好まれるようになった(ダヴィッドによるナポレオンの戴冠式を描いた作品は新古典主義の代表的なもの)。第一帝政期の様式は帝政様式(アンピール様式)とも呼ばれる。
絵画
新古典主義の主な画家としては、ダヴィッド、
アングル、ジェラール、グロ等が挙げられる。デッサンと形、様式を重要視している。
19世紀に入り、より感性的、情熱的な
ロマン主義(ロマン派)が台頭し、新古典主義とは真っ向から対峙する事となる。
新古典主義の巨匠アングルと、ロマン派の巨匠ドラクロワの対立は有名。
彫刻
イタリアのカノーヴァが古代の理想を受け継いだ作品を残し、ナポレオンの依頼で皇帝像も制作している。
建築
フランスのパンテオン、
凱旋門などが代表的。イギリス、ドイツなど各国でも新古典主義的な作品が造られた。ギリシア・ローマ建築を理想とし、調和、均整、重厚などの特徴がある。
その他
上記の時期に限定されず、「新古典主義」という用語が用いられることがある。
- パブロ・ピカソは1920年代に、それまでのキュビズムの画風から転換し、ゆったりした人物画を多く描いた。この時期をピカソの新古典主義(古典主義)時代という。
- 演劇では、ルネサンス期のイタリア・イギリス(シェークスピア等)の劇作を新古典主義ということがある?(演劇の歴史の項を参照)
- 音楽で新古典主義という場合は、20世紀のブゾーニ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフらに代表される傾向を指す。(新古典派音楽、近代音楽の項を参照)
- ナチスの採用した建築様式も新古典主義と呼ばれることがある。
関連項目
古典主義
Neoklassizismus (Kunst) | Neoclassicism | Neoclasicismo | Néoclassicisme | נאו קלאסיציזם | Neoclassicismo | Neoclassicisme | Neoklasycyzm | Neoclassicismo | 新古典主義