数学において数列(すうれつ、sequence of numbers)とは、数が列 (sequence) になったものを言う。
概要
自然数(正確には
順序数) 1, 2, ... に対応して並べられた次のような数が数列である。
- a1, a2, a3, ..., an, ...
これを、順序対の記号を用いて (ak)k=1,2,3,...,n,... あるいは、伝統的に {ak}k=1,2,3,...,n,... (または単に {an})と表す。ここで、数列 {an} に現れるおのおのの数を数列 {an} の項 (term) という。特に最初の項 a1 を初項という。
また、任意の自然数 n について an が n の式として定まっているとき、この式を一般項という。
数列は、項が有限個の有限数列 {ak}k=1,2,3,...,n(n は項数)と、項が無限の無限数列 {an}n∈N に分けることができる。
また、各項が整数に限られた数列を整数列(せいすうれつ、sequence of integers, integer sequence)という。有名な整数列としては、
- 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, ...
のように最初の 2 項から始めて、連続した 2 項の和を次の項とする
フィボナッチ数列があげられる。
単に数字が一列に並んでいればそれは数列なのであるが、学問的な興味からは項のならびに規則性のあるものが主に取り扱われる。代表的なものは、等差数列や等比数列あるいはフィボナッチ数列のように漸化式で定義される数列である。
数列の例
等差数列
任意の自然数
n に対して、隣り合う二項
an と
an+1 の差が一定のもの。その差を
公差という。(以下では公差を
d で表す。)
- 1, 2, 3, 4, 5, 6, ...(初項 1、公差 1)
- 3, 5, 7, 9, 11, 13, ...(初項 3、公差 2)
Sn =
\frac{n(a_{1}+a_{n})}{2}
-
また、末項をlと置くと
Sn =
\frac{n(a_{1}+l)}{2}
と書くこともできる。
等比数列
任意の自然数
n に対して、隣り合う二項
an と
an+1 の比が一定のもの。その比を
公比という。(以下では公比を
r で表す。)
- 1, 2, 4, 8, 16, 32, ... (初項 1、公比 2)
- 5, 15, 45, 135, 405, ... (初項 5、公比 3)
- 1, -1, 1, -1, 1, -1, ... (初項 1、公比 -1)
Sn =
\frac{a_{1}(1-r^n)}{1-r}
Sn =
na_1
漸化式
数列 {
an} の各項
an が関数
f を用いて
- an+1 = f(a1, a2, ..., an)
なるように帰納的に定められているとき、関数
f を数列 {
an} の漸化式とよび、あるいは、数列 {
an} は漸化式
f により定められているという。
漸化式を解くとは、漸化式で与えられている数列 {an} の一般項 an を n の明示的な式 (explicit formula) で表すことである。
等差数列・等比数列の漸化式
等差数列や等比数列は、その定義から極めて単純な漸化式をもつ。すなわち、
- an+1 = an + d
(
d は定数)という漸化式は等差数列の漸化式で、この定数
d が公差である。この漸化式は簡単に解けて、一般項は
an =
a1 + (
n - 1)
d となる。同様に
- an+1 = r · an
(
r は定数)という漸化式は等比数列の漸化式であり、
r が公比である。この漸化式を解けば
an =
rn-1 ·
a1 なる一般項を得ることができる。
これらは次に述べる隣接二項間漸化式の最も単純なものである。
隣接二項間漸化式
数列 {
an} が漸化式によって定められ、漸化式が一変数関数
f によって
- an+1 = f(an)
と表されているとき、この漸化式は
隣接二項間 の漸化式であるという。特に、
f が一次式
- an+1 = p(n) · an + q(n)
(
p,
q は
n の関数)となっているとき、
線型 であるという。
定数係数 線型隣接二項間漸化式、すなわち
- an+1 = p · an + q
(
p,
q は
n に関係しない定数)であるならば、これは次のようにして等差数列あるいは等比数列に帰着され、一般項が
n の式として明示的に記述できる:
p = 1 のとき、漸化式は an+1 = an + q
であるから、これは等差数列である。
p ≠ 1 のとき、漸化式 an+1 = p · an + q の特性方程式と呼ばれる方程式 x = px + q の根を α とすると、漸化式は
- an+1 - α = p(an - α)
と変形できる。これは、一般項が
bn =
an - α で定義される数列 {
bn} が公比
p である等比数列となることを表しているから
bn が
n の式として得られる。
an =
bn + α だから、これも
n の式として書くことができる。
隣接三項間漸化式
数列 {
an} が漸化式によって定められ、漸化式が二変数関数
f によって
- an+2 = f(an+1, an)
と表されているとき、この漸化式は
隣接三項間 の漸化式であるという。特に、
f が斉一次式
- an+2 = p(n) · an+1 + q(n) · an
(
p,
q は
n の関数)となっているとき、
線型 であるという。
定数係数 線型隣接三項間漸化式、すなわち
- an+2 = p · an+1 + q · an
(
p,
q は
n に関係しない定数)であるならば、特性方程式
x2 =
px +
q の根を用いて解くことができる。
関数としての数列
Σ
n を自然数全体の成す集合
N の
n における切片、すなわち Σ
n = {0, 1, 2, ...,
n} とし、
S を
N または適当な
n ∈
N に対する Σ
n のいずれかとする。
関数の言葉を用いれば、数列とは、S 上で定義された関数(数を値とする写像)であると見ることができる。
関連項目
数