支那人(しなじん)という言葉は、現在の中国本土、内地(現在の中華人民共和国領から満洲・内蒙古自治区・新彊(東トルキスタン)・西蔵を除いた地域、支那)の住民、または漢民族を指すことがおおい。中国語における中国人の日本語訳という意味では、居住地域や民族にかかわらず中華民国や中華人民共和国の国民全体を指すとも考えられるが、現代ではそのような文脈で使用されることは稀である。ただし第二次世界大戦以前に、日本が中華民国を支那、支英、支那共和国と呼んでいた時代にあっては、当然に中華民国国民=支那共和国国民を意味する国籍的概念であった。
英語におけるChineseは日本語の中国人に相当する概念であり、中国を自称する国家の全国民を含意するのが普通である。特に漢民族だけを指す場合はHan、Han Chineseなどという。
戦後は中華民国政府からの要請を受け、1946年に日本の外務省次官が通達を出した。「支那は理屈抜きに使わないように」という内容の文書であり、これを基に日本の政治やメディア、教科書、公文書、公務員は支那呼称を禁止されている。またこれとは別に、戦前の教育を受けた世代の一部などでは蔑称としてではなく、一般的に支那(中国)大陸の人を指して使う場合もある。この為、戦前に中国人と婚姻関係等が結ばれた家系では、彼らの間には政治的意味合いがない為、慣用句として用いられている事があり、親戚関係にある両者の間で受け入れられている。
近年中国共産党は「支那人」の「支那」という漢字の意味を嫌って抗議しているが、シナ表記には異を唱えていない(東シナ海、インドシナなど)。その事から、「支那人」表記よりも、「シナ人」表記の方が望ましいという意見もある。また、戦前から戦後初期にかけて、日本に渡ってきた中国人は日本語では支那人と名乗る事が多かった。これは、日本が支那と呼んでいた国家や地域が中国であるという認識が普及しておらず、中国人と自称してもその意味するところを理解してもらえず不都合が生じたため、自ずと支那人や支那と言う言葉を、自分の出自を理解してもらう為に使用したわけである(魯迅も自らを支那人と呼んでいた)。後に中国人という言葉が戦後世代の台頭と共に浸透すると、自ずと支那人を名乗る人はほとんどいなくなった。
支那人と言う言葉に対し、中国人の多くは差別用語と認識し、そう呼称されることを忌避しているとされる。しかし、欧米人が支那(china)を使っても抗議をしないのは、日本人を逆差別しているのではという意見もある。これに対しては言葉は文脈によってその意味を全く違えるのであって、日本語における支那とその他の言語における支那(に相当する言葉)は全く意味が異なるという反論がある。
こうした主張は「台湾は中国固有の領土であり、そこに住む人は中国人である」という見解を持つ人達(統一派)や「自分たちは中国人である」というアイデンティティを持っている人たちからは受け入れられず、反発を受ける事もある。