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接着剤(せっちゃくざい)は、物同士をつなぐために使用する物質。塗料やラミネート・シーリング材なども、片面を接着するという概念から接着剤の一種に含まれる事がある。

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原理


接着の項参照の事。

接着接合の特徴


接合法のひとつである接着は、次のような特徴を持っている。

長所:(1)接着しようとする物体(以下「被着材」)について、さまざまな種類のものに適応できる。また、異なる被着材同士の接合も可能。(2)大きさや厚みなど被着材の形状に左右されず接合ができる。(3)面対面での接合ができるため応力が分散する。(4)軽く、仕上がりの美観が良い。(5)接着剤は大量生産が可能であり、また接合も自動化が容易。(5)気密性・水密性があり、また接着剤の処方を設計する事で様々な機能を付加できる、など。

短所:(1)耐熱性や耐寒性は低く、可燃性のものが多い。(2) 被着材の種類に応じた接着剤を選定しなければならない。(3)適切な接着条件を守らないと充分な性能を発揮できない。(4)接着強度の判定が難しく、耐久性については評価が定まっていない。(5)接合した被着材の解体が困難。(6)被着材と異なる素材を使用するケースが多く、リサイクルの阻害となる場合がある、など。

歴史


接着剤の歴史は人類が道具を使い始める頃まで遡る。石器時代黒曜石などのを木の枝に固定するためにアスファルトが使用された。また、を使用して修理された約6000年前の土器も発掘されている。古代バビロニアでは彫像の眼を固定するためにアスファルトが使われ、古代エジプトでは家具パピルスなどの接着ににかわが広く使われていた。旧約聖書にはバベルの塔煉瓦接着や、ノアの方舟の防水処理用にアスファルトが使われたとの記述がある。

中世になると接着剤は建築や木工の分野で多用されるようになった。12世紀頃のモンゴルで製作された矢は、複数の板をにかわで接着したもので、現代の集成材に当たる。古代から使われていた漆喰は石垣や煉瓦建築において多用され、デンプンのりは日本の寝殿造で用いられた障子に使用されてきた。

工業的に接着剤が製造され始めたのは18世紀のオランダで、にかわ製造工場が操業を開始した。以後、天然ゴム・デンプン・カゼインなど天然系接着剤の製造が各国で行われた。

合成系接着剤の登場は20世紀に入ってからとなる。1915年に、初の合成樹脂のひとつフェノール樹脂を積層板製造に接着剤として使用された事を皮切りに、化学工業発展に伴う合成樹脂の発明や量産と平行して接着剤も開発が進んだ。1940年前後にはエポキシ樹脂系接着剤が金属を接合する分野にて使われ始めた。以後、接着剤は様々な種類が多種にわたる用途において利用されるようになった。

和訳「接着剤」の名称


接着剤の名称は、大正期にセメダインの社長であった今村善次郎が考案したといわれている。それまで「接合材」・「強力ノリ」などの呼称で呼ばれていたものに対して、今村が当時取引をよく行っていたのが文房具店のほかに薬局であったため、薬局で売りやすいように「材」でなく「剤」の文字を使うようになったとされる。

接着の過程


接着は、まず接着剤が被着材の表面を充分に濡らし、次いで固化する事で成り立つ。

接着は一部を除いて、原子または分子が相互拡散する溶接と異なり、接合する界面が存在する。そのため、接着力は被着材の表面状態に大きく左右されてしまい、事前に表面処理を施す事が望まれる。具体的には、洗浄や研磨で異物を排除する事を基本に、金属では薬品を使用し防錆剤や油分・酸化物の除去、プラスチックや成型ゴムでは残留離型剤の除去などがある。また、一部の被着材にはあらかじめプライマーを塗布し、接着力向上を図るケースも表面処理のひとつにあげられる。

被着材を濡らすために、接着剤は初期に液体状またはそれに近い流体状になる必要がある。固体でも圧力など外部作用により流動する状態に変化できればよい。この流動性を持った接着剤が被着材の接合しようとする面全体に塗布されていなければならない。接着剤の塗布には、器具(はけ、ヘラ、ローラー、コーキングガンなど)を利用した手作業による簡易塗布手法と、大量生産に対応するために専用の設備(エア・スプレー、ノズルスプレー、ロールコーター、ビードなど)を使用した塗布方法などがある。

次に固化し、接合に必要な強度を持つ事で接着する。その過程は、重合溶媒の蒸発、硬化剤などとの化学反応、固体ならば外部作用からの開放や反作用にて行われる。この時、被着材の接合しようとする面と接着剤が充分に接触していなければならず、オープンタイムを過ぎているなど接触させるタイミングを逸している様では本来の接着力を発揮する事はできない。また、ホットメルトや感圧型などを除き、接着剤が充分に固化するまで静置し養生させる必要がある。

分類


反応系Reactive adhesivesモノマーオリゴマーなど)
初期状態は化学反応を起こす前の成分を主体とする液体状。混合により反応を始めるタイプは二液形または一方をマイクロカプセルなどに封止した状態。硬化剤によって反応が始まるタイプは液体と硬化促進剤(種類により液体または固体)が分離梱包された状態。熱や空気中の水分、エネルギー放射などの外的要因によって反応を開始するものは一液形となる。
異なる物質の混合により重合反応・吸湿・縮合反応などを起こし固化するタイプは化学反応型に分類され、溶媒の減損が無いため体積変化が小さく欠落部の充填肉盛りなどの役目も果たす。一液形の接着剤を加熱させる事で固化・接着するタイプは熱硬化型に分類され、接着剤に熱をかけるための設備が必要となる。反応系接着剤の中には加熱により接着速度や強度を向上させるタイプもある。

溶液系(Drying adhesives)

初期状態は合成樹脂ゴムなどの高分子固形分がアルコール有機溶剤など可溶する溶媒に溶融した液体状。溶媒の種類によって溶剤系・水系などに分類される。水系のうちホルムアルデヒド(ホルマリン)を含むタイプを特にホルムアルデヒド系と区分する場合もある。水系接着剤のうち水分蒸発と再湿によって可逆的に固化と溶融を起こすタイプのものは切手の裏面などのようにあらかじめ被着材に塗布しておき必要な時に再湿させて接着する使用法にも用いられる。 
溶媒が気化し溶質が固化する事で接着する。一液型。常温で接着し、種類によっては加熱により接着速度を早める事も可能。溶媒が蒸発するため、固化すると体積が減損する。一般に初期接着性が劣るため粘着力を付与するなどの機能を加える場合がある。

水分散系Latex & Emulsionラテックスエマルション

高分子の固形分を水中で重合させた懸濁水溶液。コロイド状態の天然または合成ゴムが主体の場合にはラテックス系接着剤、本来水に溶融しない高分子が保護コロイドでエマルション化されて水に対して可溶な状態となっているものはエマルション系接着剤と分類される。これらは特性を付与するために異なる高分子成分を混合する場合もあり、物性を設計する上での自由度が高い。貯蔵性に優れるが凍結させると分解し本来の機能を発揮しなくなってしまう。常温で接着するが低温では充分に固化せず白化した状態となるため、最低造膜温度(Minimun Film Forming Temperature)上での作業が求められる。
接着過程は溶液系と同様に、溶媒が気化し溶質が固化する事で接着する。特徴も溶液系に順ずる。

固形(Hot melt adhesivesThermoplastic adhesives、ホットメルト)

初期状態は粉体・ペレット・フィルム・網状などの固体。なお、流通段階では固形の接着剤でも使用前に水などに溶かすものは溶液系に分類する。
熱可塑性樹脂成分の固形接着剤を加熱し融解した状態にして流動性を付与(ホットメルト)した上で塗布し、冷却される事により固化・接着する。接着速度が速い反面オープンタイムはほとんど無い。作業性の問題などから融点の高い高分子は使用に向かず、結果接着剤としての耐熱性は低い。接着剤に熱をかけるために、ホットメルトガン・熱プレス機などの装置、溶融塗布機器やアプリケーターなどの設備などが必要となる。

テープ(Pressure sensitive adhesives、粘着剤、感圧形)

初期状態は接着剤を・金属箔・セロファンなどのテープ状基礎に塗布または浸漬したもの。テープそのものがホットメルト接着するものは固形に分類する。
一般に粘着剤と呼ばれる粘性を持ち、圧力を加える事で被着材に対する流動性を持たせ、剥離に対する凝集性が固化に代わる保持力となる。常温での接着が可能。接着剤を塗布しない側のテープ状基礎面には、ブロッキングを起こさないためにシリコンを塗布するなどの表面処理が必要になる。

接着剤の種類


無機系接着剤

シリカ系接着剤

セラミック

セメント

はんだ

水ガラス(珪酸ナトリウム、珪酸ソーダ)

有機系接着剤

天然系
アスファルト

アラビアガム

アルブミンは、水に対して不溶解の性質を利用し、工芸紙分野にて使用される。

(マスチック、Mastic)

カゼイン接着剤(Casein adhesives)は、牛乳由来の蛋白質の一種であるカゼインを成分とする接着剤。溶液系(アルカリ溶液系)。

牛乳を酸により凝固沈殿させて得られるリン蛋白のカゼイン酸は、適度な粘性を持ち、ガラス瓶のラベル画材などに利用されている。かつては木材・紙加工用などに広く使用されていたが、それらの分野はほぼ合成系接着剤に切り替わった。

天然ゴム系接着剤(Natural rubber adhesives、NR系接着剤、ゴムのり)は、ラテックス*を主成分とする接着剤。溶液系・テープ。

パラゴムノキ(ヘベア)から採取される天然ラテックスにイソブレンを加えて凝固させ得られる生ゴムを溶剤に溶融させた液体状。物性の安定や機能を付加するため、各種安定剤や加硫剤などを加えている。主に感圧型粘着剤として、包装用や粘着テープ、自転車パンク修理用接着剤などに使用される。

天然ゴムラテックス接着剤(Natural rubber latex adhesives)は、天然ラテックスを主成分とする接着剤。水分散系。

天然ラテックスを60%程度まで濃縮し、防腐剤としてアンモニアを、粘度調整のためにカゼインを添加した液体状。紙接着などに使用される。

デンプン系接着剤は、植物由来のデンプンを主成分とする接着剤。溶液系(水系)。

デンプンを糊化させ、塗布後に水分が蒸発する過程を経て固化・接着する。歴史は古く、麦粉で作った正麩(しょうふ)や米由来の続飯(そくい)などは奈良時代には使用されていた記録がある。現在ではトウモロコシを原料とするコーンスターチが多い。安価かつ使いやすい点から、文房具など紙接着分野で使用されている。また、安全性の高さから食品容器の口糊などにも利用される。
天然状態のデンプンは塗布機械への適性が悪い。大量消費用には粉体デンプンを熱分解し粘度を安定させた焙焼デキストリンが使用される。

膠系接着剤(にかわけいせっちゃくざい、Animal glue、蹄を原料とするものはHoof glue)は、動物由来のゼラチンを主成分とする接着剤。溶液系(水系)。

動物の主要蛋白質(コラーゲン)を部分的に加水分解して得られる水溶性ペプチドを成分とし、約60℃に加熱した水溶状態から冷却する過程を経て固化・接着する。初期接着性に優れる点から、製本や壁紙など紙接着分野で用いられる。
通常粉体で販売される粉末にかわは、使用前の手順が煩雑な点や柔軟性に劣るなどの短所がある。これらの欠点を改善するため各種改質剤を添加し、あらかじめゲル状態に加工したコンパウンドグルーも販売されている。

フィブリン接着剤は、血液に含まれる蛋白質の一種であるフィブリンを利用した接着剤。反応系。

血液の凝固メカニズムを利用した生体用接着剤の一種。フィブリノーゲンを酵素と反応させて分解したフィブリンが持つ再凝固作用を利用して接着する。安全性は高いが接着力に乏しく、血液から製造されるために感染症の問題など克服すべき点が多い。

松やに

合成系
アクリル樹脂系接着剤(Acrylic resin adhesives)は、アクリル酸および誘導体を主成分とする接着剤の総称。反応系。
アクリルモノマー・エラストマー・触媒などを主成分とする液状。固化・接着過程で化学反応を伴わないものは第一世代(FGA)、重合反応を行うものは第二世代(SGA)、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレートを紫外線などのエネルギー照射によってラジカル重合を起こさせ固化するものは第三世代(TGA)と呼ばれている。
現在は主成分液と硬化促進剤とを別梱したSGA二液形が主流となっている。混和するとレドックス重合(ラジカル重合の一種)を起こし固化・接着する。耐薬品性や物理性質に優れ、常温下で接着し、被着材表面に油膜が付着していても接着が可能。電気電子機器・車両・建築・金属など多くの分野で使用される。また、耐久性に優れる点から構造用接着剤のひとつにも挙げられる。

アクリル樹脂嫌気性接着剤(Acrylic resin anaerobic adhesives、嫌気性接着剤、嫌気性固着剤、嫌気性封着剤)は、ジアクリレートと過酸化物を主成分とする接着剤。反応系。

主成分のアクリレートモノマーに、アミン類・過酸化物・サッカリンなどを加えた液体状。空気に触れている時には液状だが、遮断しかつ金属イオンと接すると触媒反応を起こし固化・接着する。金属接着に優れた特性を持つため、ねじ穴の封止や充填など主に嵌合分野を始めとして、自動車など機械関係・電気電子分野などで広く使用される。

アクリル樹脂エマルション接着剤(Acrylic emulsion adhesives)は、アクリル樹脂エマルションを主成分とする接着剤。水分散系。

アクリルモノマーを乳化重合させエマルション化した乳白色水溶液。接着部は柔軟性に富み、耐候性・耐水性・耐アルカリ性にも優れるため、繊維加工・包装などの分野に使用される。酢酸ビニル樹脂と共重合させた改質タイプは塩化ビニルシートなどプラスチック類の接着に優れる。スチレンモノマーと共重合させて塗料に用いられることも多い。

アクリル樹脂系粘着テープ(Acrylic pressure-sensitive adhesive tapes)は、アクリル系粘着剤を基材に塗布したテープ。

アクリル酸エステルモノマーは極性の高いモノマーと共重合させると粘着性を帯びる。この性質を利用した接着剤は、紙や布テープ類に塗布して粘着テープに、不織布に塗布して両面テープに使用される。耐光性・耐候性・耐油性に優れ、発泡スチロール接着にも対応する。
また、アクリル酸エステルモノマーを改質し剥離後の再接着性を持たせた接着剤は、付箋用糊などに使用される。

α-オレフィン系接着剤(α-Olefin resin adhesives、α-オレフィン無水マレイン酸接着剤、クラタック)は、α-オレフィンの一種であるイソブチレンと無水マレイン酸との共重合樹脂を主成分とする接着剤。溶液系(水系)

共重合樹脂水溶液に水酸化カルシウム・ラテックス・金属酸化物などの充填剤等を添加した液体に、硬化剤を添加して固化・接着させる。溶媒蒸発とともに水酸化カルシウムによる架橋が生じ、接着力が向上する。耐熱性・耐クリープ性に優れ、ホルムアルデヒドを使用しない木材用接着剤として開発された経緯から、合板・木工製品や建築用に使用される。常温固化タイプはpH12以上の強アルカリ性のため木材の汚染に留意する必要がある。中性タイプは固化させるに当たり加熱を要する。また、α-オレフィン無水マレイン酸樹脂はエマルションやラテックスの保護コロイドとしても使用する事も可能である。

ウレタン樹脂系接着剤(Polyuretheane resin adhesives)は、ウレタン基 -NHCOO-を持つ接着剤の総称。広義にはイソシアネート基(NCO基)や水酸基(OH基)から誘導され化合する接着剤を含む。反応系。

原料は多くの種類から選択が可能で、更に添加物を加える事で多様な物性を付与できる。
二液型は、末端に水酸基を持つポリオールとポリイソシアネート、または末端にイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーとポリオールを組み合わせ、混合させて化学反応を起こし固化・接着する。常温接着するが、加熱により接着強度を高める事もできる。金属・セラミック・プラスチックなどの構造材料用として、また食品包装用のラミネートフィルムの接着に用いられる。
一液型は、ウレタンプレポリマーと触媒の混合液が加湿または加熱により固化・接着する。工業用・建築用に使用され、特に床用分野では二液型のエポキシ樹脂系接着剤に替わって採用が広がっている。密閉が不充分だと液表面が硬化するなどのトラブルが起こりやすく、保存には留意する必要がある。

ウレタン樹脂溶剤系接着剤(Polyurethane solvent type adhesives)は、ポリウレタン樹脂を溶剤に溶融させた接着剤。溶液系

ポリウレタン樹脂をメチルエチルケトン(MEK)・ジオキサン・酢酸ブチルなどの溶剤に溶解させた液状。主に軟質塩化ビニルの接着に使用される。

ウレタン樹脂エマルション接着剤(Urethane emulsion adhesives)は、ウレタン樹脂エマルションを主成分とする接着剤。水分散系。

ウレタン樹脂を機械乳化法またはビニルと結合させてエマルション化した水溶液。プラスチック接着に優れ、木工・建材分野やラミネート用などにも使用されている。しかしながら高価なため汎用化には至っていない。脱VOCを目的とした分野への展開は、先行する塗料分野からの応用が待たれる。

エーテル系セルロ-ス(Ethercellulose)は、エーテル系誘導体セルロースを主成分とする接着剤。セルロース系接着剤の一種に分類される。メチルセルロース(Methylcellulose、MC)およびカルボキシメチルセルロース(Sodium Carboxymethylcellulose、CMC)が接着剤として使用される。溶液系(水系)。

メチルセルロースの水溶液は初期状態で粘性を持ち、固化後は弾力性のある皮膜を形成する。壁紙接着や皮革用に使用される。
食品用増粘剤の一種であるカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液は粘性・増膜性を持ち、繊維や紙接着分野に使用される。

エチレン-酢酸ビニル樹脂エマルション接着剤(Ethylene-Vinylacetate copolymer emulsion adhesives、EVA樹脂エマルション接着剤)は、エチレンビニルアルコール(EVA) と酢酸ビニルを共重合させた樹脂のエマルションを主成分とする接着剤。水分散系。

酢酸ビニルモノマーに10~30%のエチレンモノマーを混和し高圧化で乳化重合させ、エマルション化した白濁水溶液。酢酸ビニル樹脂単体のエマルションよりも耐水性・耐候性・耐アルカリ性に優れ、また接着速度も速いため、製本・製袋などの分野や、モルタル混和剤、プラスチックシート等を使用したラミネートなど合成樹脂を接着する用途にも使用される。

エチレン-酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤(Ethylene-Vinylacetate copolymer Hot melt adhesives、EVA樹脂ホットメルト接着剤)は、エチレンビニルアルコール(EVA) と酢酸ビニルを共重合させた樹脂を主成分とする接着剤。固形。

比較的安価かつ熱安定性に優れるベース樹脂に粘着付与剤やワックスをコンパウンドし、包装紙・製本・組み立て木工分野などに広く使用される。EVAと酢酸ビニルの配合比を変える事でスペックの変更も容易なのが特徴。

エポキシ樹脂系接着剤(Epoxy resin adhesives)は、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤。反応系。

液体のエポキシ樹脂プレポリマーに各種の硬化剤を加えると、グラフト重合が起こり経時的に固化・接着する。一般に耐水性・耐湿性・耐薬品性・電気絶縁性などに優れ、被着材の種類を選ばず強度や耐熱性にも優れた性質を持つ。さらには、エポキシ樹脂のタイプと硬化剤の選定により接着性能を多様に設計できる。宇宙・航空機を始めとし、土木建築・電気電子部品・自動車など高い信頼性が求められる分野で用いられる。接着方式は硬化剤の選択に左右され、常温硬化とするにはポリアミドや芳香族スルホン酸などを硬化剤とした二液としなければならない。芳香族アミンなどを使用すると熱硬化型となり一液化が可能となる。
エポキシ系導電性接着剤は一液型エポキシ樹脂接着剤に貴金属粉末を加えて製造される。使用金属は粉が多い。はんだ代替の金属接着用途にて使用される。

エポキシ樹脂エマルション接着剤(Epoxy emulsion adhesives)は、エポキシ樹脂エマルションを主成分とする接着剤。水分散系。

エポキシ樹脂を機械乳化法でエマルション化した水溶液。コンクリート用プライマーなどに使用されているが、価格・性能について課題を残しており、引き続き開発が求められている。

塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤(Polyvinyl Chloride solvent type adhesives、PVC樹脂接着剤、PVCドープセメント)は、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする接着剤。溶液系。

樹脂単体または酢酸ビニルとの共重合体を溶液中に溶融させたゲル状の液体。溶液にニトリルゴムを配合したタイプは塩化ビニル樹脂接着用として塩ビ管接合などに使用される。特に粒子径が小さい塩化ビニル樹脂を可塑剤と練ったものは塩ビゾルと呼ばれ、金属接着用途に使用される。

クロロプレンゴム系接着剤(Polychloroprene rubber adhesives、CR系接着剤、コンタクト型接着剤)は、クロロブレンゴム*とフェノール樹脂を主成分とする接着剤。溶液系。

クロロブレンゴムが持つ良好な接着性を生かしつつ、作業性を向上させるためアルキルフェノール樹脂などを添加し溶剤に溶融させた、強い粘着力を持つ液体。常温下で被着材に塗布した後若干乾燥させ重ね合わせる事で即座に接着できる(コンタクト接着)。使い易さや高い性能から工業用に広く使用され、また家庭用にもチューブ入り黄褐色の接着剤として馴染み深い。耐熱性・耐久性をさらに向上させるには、ポリイソシアネート化合物を添加して使用する。
機能性を付与したものとしては、メチルメタクリレートとグラフト重合させた軟質塩化ビニル接着用がある。

酢酸ビニル樹脂エマルション接着剤(Polyvinyl acetate emulsion adhesives、酢ビエマルション接着剤)は、酢酸ビニル樹脂エマルションを主成分とする接着剤。水分散系。

酢酸ビニルモノマーを、ポバールなどを保護コロイドとして乳化重合させエマルション化した乳白色水溶液。水の蒸発により樹脂の粒子が融着して透明な皮膜状に固化・接着する。環境問題対応を目的に、可塑剤のフタル酸エステルを使用しないタイプが開発されている。安価かつ塗布が容易であり、ポリマーの組成を変化させる事で多用途に使用できるが、耐熱性・耐水性・耐溶剤性が劣るため、これらの改良を目的に他の樹脂と混合させたものもある。紙接着や繊維・木工・合板用などに使用され、市販の木工ボンドがなじみ深い。

シアノアクリレート系接着剤(α-Cyanoacrylate adhesives)は、2-シアノアクリル酸エステルモノマーを主成分とする接着剤。反応系。

基材や空気中の水分によって急速に硬い皮膜状に固化・接着する。作業性に優れた一液・常温硬化型でもある事から瞬間接着剤として使用される。末端のアルキル基を選択する事により特性を設計できる。多様な被着材に適応する応用性の高さから、ゴム・金属やプラスチック類・医療用などから始まった使用範囲は広がり続け、最近では樹木接木などにも用いられる一方、皮質に馴染み易く白化する特徴から指紋判別用材料としても利用されている。剥離強度には優れるが、耐衝撃性や耐熱性に劣る。近年これらを改良したタイプも開発されている。

シリコーン系接着剤(Silicone adhesives)は、オルガノポリシロキサンを主成分とする接着剤。縮合硬化型と付加硬化型がある。反応系。

縮合硬化型は、末端に水酸基を持つオルガノポリシロキサンと架橋剤を混合した液状またはペースト状。塗布後に空気中の水分と反応して表面から硬化が始まり、最終的にはゴム弾性を有しながら固化する。縮合反応時に発生する遊離ガスの種類によって分類され、それぞれ使用状況に応じた種類を選択する必要がある。型と主な用途は、脱オキシム型(汎用)・脱酢酸型(ガラス接着)・脱アセトン型(電子・電気用)・アミド系型(建築)など。
付加硬化型は、末端にビニル基を持つオルガノポリシロキサンと、架橋剤とに分けた二液形。触媒を使用し加熱する事で固化・接着する。縮合硬化型より硬化速度が速く、遊離ガスの発生も無い。

水性高分子-イソシアネート系接着剤(Water based polymer-isocyanate adhesiveEmulsion Polymer-Isocyanate adhesives、水性ビニルウレタン系木材接着剤(Aqueous Vinylpolymer Solution-Isocyanate adhesives for Wood、API)、水性ビニルウレタン)は、各種親水性高分子の水溶液またはエマルション溶液と、架橋剤としてのイソシアネート化合物を主成分とする接着剤。水分散系の性質を持った溶液系(水系)。

炭酸カルシウムなどの充填剤を添加した高分子水溶液またはエマルション溶液に、塩化パラフィンなどに溶解させた多官能性のイソシアネートまたはそのプレポリマーを加える事で経時的に固化・接着する。開発当初は「水性ビニルウレタン」と呼ばれた。固化過程が常温で進むものは1種、加熱が必要なものは2種に分類される。耐水性に優れ、ホルムアルデヒドを含まない水系接着剤として、木材接着用途を主に、プラスチックや金属・ゴムなどとの複合接着にも用途を拡げている。

スチレン-ブタジエンゴム溶液系接着剤(Styrene-butadiene rubber adhesives、SBR系・SBS系またはSIS系接着剤)は、スチレンブタジエンとの共重合体を主成分とする接着剤。重合反応の違いによる2種類がある。溶液系。

ランダム共重合SBRは天然ゴム様の性質を持ち、溶剤溶液は粘着剤として利用されるが接着強度は強くない。ブロック共重合SBRは加硫ゴム様の性質を持つ。溶剤溶液は付与剤を添加しゴム・ガラス・金属・発泡スチロール類の接着に使用される。溶質ゴムとして、スチレン-ブタジエンブロック共重合体(SBS)やスチレン-イソプレンブロック共重合体(SIS)も使用される。

スチレン-ブタジエンゴム系ラテックス接着剤(Styrene-butadiene rubber latex adhesives、SBRラテックスまたはSBラテックス)は、ラテックス状のスチレンとブタジエンとの共重合体を主成分とする接着剤。水分散系。

乳白色液体。スチレン比率50%未満(SBRラテックス)はカルボキシル化SBRラテックス(c-SBR)やビニルピリジンとの共重合タイプを中心に、カーペットなど床材接着やタイヤの繊維コード接着分野などに使用される。スチレン比率50%以上(SBラテックス)は比較的淡色となり、紙塗装分野などに使用される。

ニトリルゴム系接着剤(Nitrile rubber adhesives、NBR系接着剤)は、ニトリルゴムを主成分とする接着剤。溶液系。

ニトリルゴムを溶剤溶融させた液体。フェノール樹脂を配合したタイプは耐油性、耐溶剤性に優れ、ブレーキライニング用や金属・木材・皮革などに使用される。塩化ビニルを配合したタイプはフィルム接着などに使用される。

ニトロセルロース接着剤(Nitrocellulose adhesives)は、セルロースのエステル系誘導体のひとつであるニトロセルロース(硝化綿)を主成分とする接着剤。セルロース系接着剤の一種に分類される。溶液系。

ニトロセルロースを溶剤溶融した液体状。乾燥・固化が速くかつ皮革・紙・木材・瀬戸物などの接着に適合するため、チューブ状の家庭用接着剤として1938年から販売されている。安価だが変色しやすく可燃性なため取り扱いに注意が必要となる。

反応性ホットメルト接着剤(R-HM接着剤、ジェットウエルド)は、ウレタン樹脂を主成分とし、ホットメルトに反応系の特性を付与した接着剤。初期状態と使用法は固形に順ずる。

加熱状態で生成されたウレタンプレポリマーは、イソシアネート基(NCO基)を残しつつ固形化する。これをホットメルト接着剤同様に溶融塗布すると、冷却固化後に空気中や被着材に含まれる水分と反応し鎖延長反応と架橋反応を起こす。化学反応を経る事で一般的なホットメルト接着剤を上回る耐熱性を持つが、保管や使用には吸湿を避ける必要がある。

フェノール樹脂系接着剤(Phenolic resin adhesives)は、レゾール形フェノール樹脂を主成分とする接着剤。溶液系(水系、ホルムアルデヒド系)。

縮合反応させたフェノールとホルムアルデヒドとの水またはアルコール溶液。130℃以上に加熱することにより固化・接着する。アルコール溶性タイプは常温接着も可能だが、硬化剤を別途添加する必要があり作業性に劣る。耐水性・耐熱性・耐候性に優れるが、衝撃強さは弱い。また加熱温度が高く、固化後接着剤が赤褐色に変色するため、使用範囲が限定される。しかしながら、木材・金属・ガラス等多様な被着材に対して高い接着力を持ち、船舶用やコンクリートパネルなどの用途で使用されている。

変性シリコーン系接着剤(Modified Silicone adhesives)は、シリル基を持つポリプロピレンオキシド(変性シリコーン)を主成分とする接着剤。反応系。

変性シリコーンポリマーに添加剤を加えた液体。空気中の水分によりシリル基が加水分解し、さらに縮合反応を起こしながら比較的素早く固化・接着する。高い強度を持ちつつゴム弾性を失わないため衝撃に強く、建築分野や日常家庭での使用に便利な接着剤として普及しつつある。

ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤(Polyamide Hot melt adhesives、PAホットメルト、ナイロンホットメルト)は、ポリアミド(ナイロン)樹脂を主成分とする接着剤。固形。

11ナイロンや12ナイロンなど融点の低いポリアミド樹脂を粉体またはフィルム状に加工したものは、ホットメルト接着剤として使用される。結晶性が低いダイマー酸とジアミンを共重合させたタイプは主に電気・自動車・木工用途に、線状ポリアミドタイプは繊維・金属接着分野などに使用される。

ポリイミド系接着剤(Polyimide adhesives、PI系接着剤)は、芳香族複素環ポリマーに属するポリイミド(PI)類の低分子ポリマーを主成分とする接着剤。ポリアロマティック系接着剤の一種に分類される。反応系。

ポリアミドカルボン酸をジメチルアセトアルデヒドに溶融させた液体をガラス布に含浸させた性状。400℃以上に加熱する事により溶剤を除去し、その過程で起こる脱水閉環反応からイミド化し固化・接着する。接着剤としては最高レベルに当たる350℃以上の耐熱性を持ち、耐酸化性にも優れる。航空宇宙産業や電気産業分野にて需要が高まってきている。

ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤(Polyurethane Hot melt adhesives、TPUホットメルト、ウレタンホットメルト)は、熱可塑性ポリウレタン樹脂を主成分とする接着剤。固形。

融点の低いポリウレタン樹脂を粉体またはフィルム状に加工したものは、ホットメルト接着剤として主に繊維分野で使用される。

ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤(Polyolefin Hot melt adhesives、TPOホットメルト、オレフィンホットメルト)は、非結晶性ポリプロピレン樹脂(APP)を主成分とする接着剤。固形。

APPが持つ非極性表面への良好な接着性を生かしたホットメルト型接着剤。物性を安定させるためエチレン・プロピレン・ブテンなどと共重合させる。屋根防水・カーペットのパッキング・プラスチック接着などに使用される。

ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤(Polyvinyl acetate solvent type adhesives、PVAc系接着剤、酢ビペースト)は、酢酸ビニル樹脂を主成分とする接着剤。溶液系。

酢酸ビニルポリマーをアルコール溶解した粘性を持つ液体。改質のために他の樹脂などを充填したものもある。耐久性に優れるが耐水性やクリープ耐性には劣る。木材などの他に、溶解させる成分を含まないため発泡スチロールの接着に適し、建材ボードなどにも使用される。

ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤(Polystyrene solvent type adhesives、PS樹脂接着剤、PSドープセメント)は、ポリスチレン樹脂を主成分とする接着剤。溶液系。

樹脂をアセトンなど溶剤に溶融させたゲル状の液体。主にプラモデル用のりとして使用される。

ポリビニルアルコール系接着剤(Polyvinylalcohol adhesives、PVAL、PVA系接着剤、ポバール)は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着剤。水分散系。

乳化剤としてエマルション接着剤の添加剤に使用されるPVAは単独でも接着力を有する。水の蒸発により透明な膜を形成して固化・接着する。木工・紙接着用途として事務用液体のりで馴染み深い。また、俗に言う洗濯のりとしても知られている。

ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤(Polyvinyilyrrolidone adhesives、PVP接着剤、スティック糊)は、ポリビニルピロリドン(PVP)樹脂を主成分とする接着剤。固形に近い溶液系(水系)。

水溶性のPVPに脂肪酸ナトリウムを添加しほぼ固体状にし、グリコール類を加えて滑性を付与したものは、通常では低粘度だが塗布時に力を加えると粘性が生じる。この性質を利用し、棒状に形成したスティック糊は使いやすく文具・事務用として広く普及している。

ポリベンズイミダソール接着剤(Polybenzimidazole adhesives、PBI系接着剤)は、芳香族複素環ポリマーに属するポリベンズイミダソール(PBI)を主成分とする接着剤。ポリアロマティック系接着剤の一種に分類される。反応系。

PBIの低分子ポリマーをガラス布に含浸させた性状。350℃程度の加熱にて固化・接着する。接着剤としては最高レベルに当たる350℃以上の耐熱性を持ち、航空宇宙産業や電気産業分野にて需要が高まってきている。

ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤(Polymethylmethacrylate solvent type adhesives、PMMA樹脂接着剤、PMMAドープセメント)は、ポリメタクリレート樹脂を主成分とする接着剤。溶液系。

樹脂を溶液中に溶融させたゲル状の液体。溶液はアセトンなど溶剤が多いが、MMAモノマーやクロロスルホン化ポリエチレンなどを使用するタイプもある。

メラミン樹脂系接着剤(Melamine resin adhesives)は、メラミン(シアヌリル酸アミド)を主成分とする接着剤。溶液系(水系、ホルムアルデヒド系)。

縮合反応させたメラミンとホルムアルデヒドに触媒を加えたシロップ状の水溶液。単体では沈殿や結晶化を起こしやすいため、ユリア樹脂との共縮合(MUF)やフェノール樹脂との共縮合(MPF)、さらにメラミン・フェノール・ユリア共縮合(MPUF)をさせた改良したものが主流。50~60℃程度に加熱する事で固化・接着する。耐久性および耐熱性に優れるため、屋外用合板など木材用接着剤として使用されている。

ユリア樹脂系接着剤(Urea resin adhesives、尿素樹脂接着剤、UF接着剤)は、尿素を主成分とする接着剤。溶液系(水系、ホルムアルデヒド系)。

縮合反応させた尿素とホルムアルデヒドのシロップ状水溶液が少量の塩化アンモニウムを硬化剤として固化・接着する。固形分濃度により濃縮型と未濃縮型に区分される。固形分60%程度の濃縮型は常温硬化が可能だが、固形分40~50%の未濃縮型は固化させるために加熱する必要がある。やや耐久性に劣るが耐水性を持ち、安価かつ作業性が良いため、合板など木材用接着剤として使用されている。

レゾルシノール系接着剤(Resorcinol resin adhesives、レゾルシン系接着剤)は、レゾルシノール樹脂またはフェノール・レゾルシノール樹脂を主成分とする接着剤。溶液系(水系、ホルムアルデヒド系)。

レゾルシノールとホルムアルデヒドをまたはアルカリを触媒として縮合反応させ水やアルコールに溶解させた水溶液に、硬化剤としてパラホルムアルデヒド粉末を添加して固化・接着させる。常温接着が可能だが、40℃程度に加熱させる方がより良く接着する。比較的高価であり接着面が黒褐色化する点はあるが、耐久性に優れ、木材接着用として合板・木工製品・楽器・木造船などの構造材料などに使用される。
レゾルシノールとホルムアルデヒドを酸性下で縮合反応させ、これにホルマリン・ラテックスなどを加え反応させたRFL(Resorcinol Formaldehyde Latex)の水または溶媒溶液は、タイヤの繊維コードを接着する用途に使用される。

溶剤(ソルベント法)

メチルエチルケトン(MEK)・トルエンなどの有機溶剤で合成樹脂を溶解融合させたり、アセトンを使い写真フィルムを融着させるなど、溶剤そのものを接着剤として使用する手法もある。

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接着剤の性状評価


同じ種類の接着剤でも、その用途に対応した様々な改良が加えられた品番があり、使用法に応じて選定する必要がある。性状評価とは、選定の指標となる物性の評価項目である。

  • 固形分(Solids content、不揮発分、蒸発残分)
接着剤を一定条件下で加熱し、揮発分を除いた後に残る成分。固化後の接着剤層を形成する有効成分に相当する。

粘度は、接着剤を塗布する方法と適合するものを選択する必要がある。壁面へ塗布する場合などでは、ある程度の粘度を持っていなければ接着剤が付着した状態を維持できない。逆にノズルなど機械的に塗布する場合には、高粘度の接着剤は不適となる。
測定には回転粘度計を使用し、単位はmPa・sまたはPa・s(パスカル秒)にて表示する。

被着材の種類によっては、強酸性または強アルカリ性接着剤が腐食などの影響を起こす場合があり、接着剤の選定において考慮する必要が生じる場合がある。

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接着力の評価


破壊検査

接着力を評価するには、実際に被着材を接着したものを剥がす破壊検査を行なう。接着剤と被着材それぞれの種類や接着条件によって強度は大きく左右されるため、複数の接着剤を評価するに当っては同一の被着材および条件下で接着した検体を準備しなければならない。 接着時の破壊検査方法はJIS K6848にて規定される。破壊検査は、試験サンプルに加える力の方向により3種類に大別される。
  • 引っ張り 接着面に対し垂直方向の応力をかける。
  • せん断 接着面に対し平行方向の応力をかける。
  • はく離 被着材を引き剥がす。

接着剤の破壊箇所は、一般に以下の3箇所が混合する形で起こる。図は被着材が同一の場合を示しており、異なる材質を接着するケースでは破壊は5箇所の混合となる。これら破壊は一様には起こらず、接着剤の厚さ・破壊検査の方法・サンプルの寸法・破壊速度・寿命・温度や湿度などの外的条件により左右される事を念頭に置かなければならない。これら破壊箇所の判定は基本的に観察手法に依存する。

  • 凝集破壊 (cohesive failure)
固化した接着剤層が破壊する。この場合、接着剤が要求強度を満たしていない場合が多く、種類の選定または接着時の条件を適正にする必要がある。
  • 接着破壊 (interfacial failure、界面破壊)
接着剤層と被着材層との境界面が破壊する。この場合、接着力そのものが不充分と考えられる。種類選定または接着条件の適正化とともに、被着材の表面状態についても考慮する必要がある。
  • 基材破壊 (adherend failure)
被着材そのものが破壊する。この場合、接着剤および接着力は充分な強度を持っており、むしろ被着材の強度を検討する必要がある。
接着面の破壊例.PNG

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非破壊検査

破壊を伴わない接着剤の検査には打法(タッピング法)もしくは超音波などによる透過測定法がある。

用語


オープンタイム (Open time)
接着剤を被着材に塗布してから、貼り合わせずに放置しておける許容最長時間。この時間を越えて塗布したままの状態にあった接着剤は充分な接着力を発揮できない。

機能性接着剤

物同士をつなぐという本来の性能にその他の機能を付加した接着剤、特殊環境下において使用される接着剤、特殊な接着方法を用いる接着剤などを言う。機能付加の例としては、導電性・電気絶縁性・弾性・耐燃性など。特殊環境の例としては、構造材料・耐熱性・極低温対応・水中硬化・透明・生体用など。特殊な接着方法の例としては、紫外線硬化・電子線硬化・マイクロカプセル型などがある。

初期接着性 (タック、Tack)

被着材と接触させた直後から結合を生じ、接着力を発揮する性質。固化後に生じる本来の接着力とは別に、利便性を向上させるために添加剤を加えて機能を付加する。

ブロッキング (Blocking)

テープ状接着剤などにおいて、ロールの状態で全体が固まってしまうトラブル。通常テープ状接着剤は塗布基材の背面にブロッキングを起こさない対策が施されているが、経時変化や劣悪な保管状況などにより発生する事がある。

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代表的なブランド


日本での商標は「アロンアルファ」だが、海外では「クイック・グルー」という商品名を使用している。
100円ショップ向けを中心としたアロンアルファのパロディー商品として「ツリロンアルファ」(アルファ商事株式会社 大阪府守口市)というのがある
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関連事項


  • 2006年4月にアメリカインディアナ大学が、カウロバクター・クレセンタスという細菌が合成接着剤の2倍以上という強力な接着力を持つ事を実験で確認した。耐水性を持ち毒性も検出されておらず、接着のメカニズム解明と接着成分の抽出に成功すれば、難しい用途での使用が可能となると期待される。

参考文献


  • 『接着剤読本』日本接着剤工業会
  • 『初心者のための接着技術(入門講座編)』日本接着学会

関連項目


SP値

外部リンク


接合 | 化学物質 | 材料

Klebstoff | Adhesive | Adhésif | דבק | Adherivo | Lijm | Lim

 

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