心肺蘇生法(CardioPulmonary Resuscitation; CPR)とは、心肺停止となった人を救命するために行う呼吸及び循環の補助の方法である。
救命処置のうち、特殊な器具や医薬品を用いずに行う心肺蘇生法を一次救命処置(Basic Life Support; BLS)と呼び、救急救命士や医師による高度な蘇生処置(心肺蘇生以外も含む)を二次救命処置(Advanced Cardiac Life Support; ACLS)と呼ぶ。この稿では主にBLSについて解説する。
欧米ではbystander CPRが広く普及し、救命に一定の効果を上げているが、日本でのbystander CPR施行率はまだ低い。心肺蘇生法のさらなる普及を目指して公的団体では消防庁・日本赤十字社・医師会などが、民間企業ではメディックファーストエイド社などが中心となり一般市民への啓発や講習会が行われている。
なお、bystander CPRを行なう事により肋骨の骨折も考えられるが、緊急避難行為であり、これで傷害罪に問われた例はないため、「目の前で事態に遭遇した救命講習修了者は自信を持って処置して欲しい」と消防でも呼びかけている。
現在のBLS、ACLSは2000年8月に発表された国際的なコンセンサス「AHA心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン2000」に基づいているが、2005年11月28日には新たなガイドラインが発表になった。これにより心臓マッサージと人工呼吸の比率が30:2に改められた他、AEDの使い方についても追加されるなど改訂がなされている。
このガイドライン改定に伴い、日本ではどう対応していくかはまだ明らかになっていないが、近い将来BLSの新しい方針が打ち出されることは間違いない。
呼びかけに反応がなければ、皮膚を抓(つね)ったり、爪を強く押して痛みを与えるという方法も有効である。
人工呼吸:額に当てている手の親指と人差し指とで鼻をつまみ空気が漏れないようにしてから2秒程度息を吹き込む。この時に上腹部が膨らむことを確認しながら行う。吹き込みがうまくいかなければ気道確保ができていないので、もう一度やり直す。
相手の口や周囲に出血があるなどの場合、口ではなく鼻に吹き込む方法もある。この場合、片方の手で顎を押し上げて口を塞ぎ、自分の口で相手の鼻を完全に覆ってやはり2秒程度息を吹き込む。近年では感染症防止の為、無理に人工呼吸を行わず心臓マッサージだけでもよいとされている。またこの懸念に対応し、要救助者の顔に被せる吹き込み用のマスクが発売され始めている。
心臓マッサージ:胸骨圧迫法で行う。一番下の肋骨を人差し指と中指で真ん中までたどっていったところが剣状突起と呼ばれる部分であり、辿った指の頭側にもう一方の掌をおき、さらにもう一方の手を重ねて圧迫部位とする。胸を掌の部分で3.5~5cm程度沈むように圧迫する。場所がわかりにくい場合には胸の真ん中にある胸骨の下半分を圧迫するとよい。相手が堅いところに寝ていない場合には心臓マッサージの効果が半減するため背中に板を入れたりするとよい。
肘を真っ直ぐ伸ばし、100回/分の速さで圧迫を繰り返す(分かりにくい場合は「アンパンマンのマーチ」がちょうどよいリズムになっている)。腕だけでやると疲労で続かなくなるので、必ず上体全部を使って行なう事。
日本でも2004年7月に厚生労働省から一般市民のAED使用を認める旨の解釈が示されており、徐々に設置場所が増えつつある(外部リンク参照)。
呼吸は回復したが意識がないままの場合は、回復体位を取らせる(左腕を枕にして、左向きに横にしてやるだけでもよい)。
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