広節裂頭条虫(こうせつれっとうじょうちゅう、学名:Diphyllobothrium latum)は、ヒトの小腸に寄生する人体寄生虫の一種。
扁形動物門条虫綱多節条虫亜綱擬葉目裂頭条虫科に属する動物。いわゆるサナダムシの一種で、体長は5-10mに達する。頭節には一対の吸溝を有し、宿主の腸粘膜に吸着する。
分布
世界的に広く分布する。
下に示すように第2中間宿主が
マス、
サケ、
カマスなどの魚類であるため、これらをよく食べる地域に多い。
日本、
ロシア、
スイス、
ドイツ、
イタリア、
アラスカ、
チリや
バルト海沿岸諸国などで多く報告される。
日本では年間感染報告者数第3位の寄生虫である(第1位はアニサキス、第2位は横川吸虫)。
日本周辺に分布する個体群は分類学の研究により、別種の日本海裂頭条虫(Diphyllobothrium nihonkaiense)である。陰茎嚢と外貯精嚢の位置関係が違い、肉眼での識別は困難である。
生活史
小腸で産み出された虫卵は、糞便とともに外界へ出て発育し、虫卵の中に
コラシジウムという幼虫を生じる。
やがて
孵化し、第1中間宿主である
ケンミジンコに摂取されると、その体内で成長し、
プロセルコイドという幼虫にまで成長する。
感染したケンミジンコが第2中間宿主の魚類に食べられると、プロセルコイドは筋肉内に移動しそこで感染型幼虫である
プレロセルコイドになる。
これを終宿主が摂取すると、2-4週間で成虫になる。
宿主
症状
広節裂頭条虫症の主な症状は
下痢や
腹痛であるが、
自覚症状がないことも少なくない。
北欧では広節裂頭条虫貧血と称する
悪性貧血が見られることがある。
正の効用
広節裂頭条虫を体内に飼うことにより、
ダイエットや
アレルギー抑制など、人間にとって有益な効果があることが指摘されている。詳しくは
寄生虫の項を参照のこと。
予防
第2中間宿主の生食によって感染するため、これらの魚類を生で食べないようにすることが重要である。
日本では
鱒寿司が重要な感染源になっているため、注意を要する。
治療法
広節裂頭条虫症の治療には
プラジカンテルの投与が駆虫に有効である。
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