年金(ねんきん)とは、毎年定期的・継続的に給付される金銭のこと。また、年金を給付する制度、仕組みのこと(年金制度)も指す。
一般に「年金」という場合には、年金が保険と結びついた年金保険、または、年金保険制度を指す。年金保険とは、一定期間、一定額の保険料を納めることにより支払われる年金のこと。
制度の運営主体によって、公的年金と私的年金に分類される。
これが後に国家的制度として整備されるに従い、国が貧しい老人に毎年一定額を支給し、老後の安定した生活を配慮・保障する養老年金(老齢年金)へと拡大発展した。これが公的年金のはじめである。
当初の養老年金は、一定年齢に達した者に対し条件付きで、あるいは、所得のない者に限定して支給するものであった。その財源は国庫から賄われたが、このように、受給者は掛け金や保険料を負担しない、拠出を条件としない年金を無拠出制年金という。
これに対して、保険の仕組みを取る年金制度を年金保険と呼び、被保険者が掛け金や保険料を負担し、年金財政はこの収入によって確立されることになる。このような受給者にとって有償な年金を拠出制年金という。この場合には、掛け金や保険料、加入期間(保険料納付期間)、受給者の所得・資産などに応じて、支給される年金額も異なることが多い。
今日、多くの国の公的年金は、年金保険の形を取っている。また、民間保険会社や信託銀行、その他の会社や私的団体によって運営される年金は、拠出制年金が採用される。
厚生年金、共済年金に加入すると、国民基礎年金にも加入したとみなされる。
| 2階部分 | 厚生年金 | 国家公務員共済 | 地方公務員共済 | 私立学校教職員共済 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1階部分 | 国民年金(基礎年金) | |||||
| 加入者 | 個人事業主、無職者及び パート・アルバイト等 厚生年金加入基準を 満たさない給与所得者 | 第2号被保険者の 被扶養配偶者 | 民間サラリーマン | 公務員等 | ||
| 第1号被保険者 | 第3号被保険者 | 第2号被保険者 | ||||
| 個人年金 | 勤労者財産形成年金貯蓄 |
|---|---|
| 個人型確定拠出年金 | |
| 企業年金 | 規約型確定給付企業年金 |
| 基金型確定給付企業年金 | |
| 厚生年金基金制度 | |
| 適格年金 | |
| 企業型確定拠出年金 | |
| 中小企業退職金共済 | |
| 特定退職金共済 |
国民年金や厚生年金、共済組合(共済年金)などがあり、20歳以上60歳未満の日本居住者は国民年金に加入することが義務付けられている。国民年金を直接納付している人(第1号被保険者)のほか、厚生年金、共済組合等から基礎年金保険料を納付している被保険者(第2号被保険者)や第2号被保険者の配偶者(第3号被保険者)なども国民年金に加入している扱いとなる。
このように、日本では職域ごとに年金制度が発足し充実していったが、制度が複雑になりすぎ、就く仕事により保険料率や支給金額が異なり有利不利が出るなどの弊害が出ており、現在では年金を何らかの形で一元化する方向が望ましいとされている。
保険料は国民年金が1万3千580円/月で、第1号被保険者の場合、扶養している配偶者の分も支払わなければならない。第2号被保険者(厚生年金と共済年金)は収入の約13%を、企業・政府(雇用者)と個人(被雇用者)とで折半して負担し、そこから人数分の国民年金保険料が国民基礎年金会計へ拠出される。第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている配偶者)は国民年金保険料を支払わなくてよい(配偶者の雇用者、高所得者、独身者等が肩代わりすることになる)。
| 国民年金(単位:億円) | 厚生年金(単位:億円) | 厚生年金積立金の推移 (単位:兆円) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 年度 | 収入 | 支出 | 差し引き | 収入 | 支出 | 差し引き | |
| 1998 | 36,393 | 31,456 | 4,936 | 290,696 | 239,810 | 50,886 | 130.8 |
| 1999 | 36,529 | 31,531 | 4,998 | 291,035 | 251,493 | 39,542 | 134.8 |
| 2000 | 36,187 | 32,596 | 3,591 | 288,137 | 262,320 | 20,817 | 136.9 |
| 2001 | 36,143 | 34,861 | 1,282 | 278,198 | 273,068 | 5,130 | 137.4 |
| 2002 | 36,453 | 35,834 | 382 | 290,775 | 287,686 | 3,089 | 137.7 |
年金給付を保険料収入のみで賄うのは現在の急速な少子化の状況では不可能で、制度の健全な運営には税投入割合の増加や高額の未納付保険料の強制回収が必要との意見がある。近年は高齢化の進行にともなう年金財政の危機的状況が問題とされているが、福祉先進国と日本を比べた場合、将来の財源となると考えられる間接税率は非常に低い。これは1990年代以降長期の不況が続いていたため、間接税率の引き上げを世論が容認しなかったことが理由のひとつである。
解決策として、税・保険料率アップを考慮しつつ、それより先に税・保険料の無駄遣いをなくし、年金保険の所得再分配機能の強化(高所得者層の年金給付額の引き下げ)により財源を確保することが当面の世論となっている。
そこで、保険料で所得の再分配を行うことをやめて、所得再分配は税で行い、保険料は社会保険機能のみに使うよう両者の機能を分離することも提唱されている。つまり受給者は過去の保険料支払額に応じた年金だけを受け取り、最低額に達しない受給者には、保険料からでなく税から不足分を補填を行なおう、というものである。
また、老齢年金の受給資格が発生するためには最低25年国民年金保険料を納めなければならない仕組みを改めるべきとの意見がある。
国庫負担が1/2であるなら、単純計算で行くと、2倍とならなければならないがシステムの存続のためにはお金が必要ということもあり、この1.7倍という数字は妥当のようにも思われる。しかし、この1.7倍という数値は、60歳の人間の平均余命をもとに出した数値であり、年金を払い60歳まで生きることができた人間の中での平均が1.7倍ということである。 これは個人勘定で言えば、一番損をしている、老齢年金の受給年齢に達するまでに死亡してしまった人を除いた平均という試算である。この60歳までに死亡してしまう人をも考慮すると、つまり年金を払いはじめる20歳時点の平均余命をもとに、平均数値を考えないといけないことになる。すると、これは1.2倍を少し超える程度という結果となる。
1985年には国民年金と、厚生年金と共済年金の定額部分(1階部分)を一つにまとめた国民基礎年金が作られ、同時に年金の支給額を抑えるために所得代替率が引き下げられた。
1994年の改正では、年金の定額部分(1階部分)の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられ、賃金スライドを可処分所得スライド制に変更した。
1999年の改正では、年金の比例部分(2階部分)の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられ、可処分所得スライド制が廃止された。
2004年には下記のように改正されたが、1985年改正以降は主として保険料収入の不足を補うための改正であり、年金一元化など制度の根本的な見直しを行う改正にはなっていない。
自営業者等が加入する国民年金は2005年の4月から現行の月額13,300円に280円増額の13,580円となり、毎年280円ずつ引き上げ、13年後の2017年度には月額16,900円まで引き上げられた後は固定される。
給付の伸びが現役世代の所得の伸びに完全には追随しなくなるため、厚生年金の老後に受け取る給付水準はモデルケースでは、現行約59.4%であるのに対して、2023年以降は現役時代の年収の50.2%という低水準の給付になっている。今後新たに厚生年金を受給する人の年金給付水準は、2005年4月以降、徐々に下がっていくことになる。つまり、約20年間で10%弱ぐらい下げる計画なので、年平均1%弱ぐらいずつ受給開始時の給付水準が下がっていくというわけである。
70歳以上の給与所得者は、現行では賃金と関係なく年金を受給していたが、賃金と年金額の合計額が一定基準を上回ると減額することになった。保険料の負担は現行と同じで負担なしである。
60歳代後半の給与所得者は、現行では賃金と厚生年金の合計額が37万円を超過するとその超過分の半分が減額される。2004年4月から合計額がボーナスも含めて48万円になった。この年代は現在保険料を負担している。
まだまだ働き盛りの60歳代前半の給与所得者は、65歳以降の繰り下げ受給となった。繰り下げ受給を選択すると給付率が上がる。この年代の給与所得者は、現行では年金を一律2割削減されていたが廃止となった。
夫婦の離婚時には、厚生年金を最大半分に分割できるようになった。ただし、配偶者の同意や裁判所の決定が必要という。
育児休業中の厚生年金保険料の免除が現在の1年から3年に延長された。
パート労働者は、現行では労働時間が正社員の4分の3以上なら厚生年金に加入しなければならないが、改革案では法施行後5年をめどに厚生年金への適用拡大を検討することになった。
年金額を定期的に通知するようになった。今までしてこなかったことが問題である。
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