article

帰納きのう)法とは、個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則を見出そうとする推論の方法である。対義語は演繹法。演繹においては前提がであれば結論も必然的に真であるが、帰納では前提が真であるからといって結論が必ずしも真であることは保証されない。

一般的にいって帰納は、あくまでも確率・確度といった蓋然性の導出に留まる。例えば、「ネコaはネズミを追いかける」「ネコbはネズミを追いかける」「ネコcはネズミを追いかける」という事例が幾つかあるので、「全てのネコはネズミを追いかける」と結論を下すとしよう。ここでは、自分が見たネコだけから「全てのネコ」という全称命題に範囲を飛躍させている。しかし、この先新たにネズミを追いかけない猫が発見される可能性は常にある。従って、「全てのネコはネズミを追いかける」と定式化することには疑問が残る。このように、帰納とは、個別・特殊的事実の多さから結論がどのくらい確からしいものかを導くための推理といえる。これは確証性の原理とも呼ばれ、次のように定式化されている。「法則に関連する観察が増えれば増えるほど、その法則の確からしさは増大する」。

一方、確実性の根拠としての帰納法的証明を試みようとすれば、論理的な困難が生じる。帰納法によってなんらかの仮説を(蓋然的にではなく確実的に)正当化する場合、当の証明者は「全ての物事は、他に事情がない限り、いままで通り進んでいく」という斉一性の原理に従っている(自然の斉一性を参照されたし)。しかし、この原理を正当化するすべは(少なくとも帰納法的証明のうちには)ない。確証性の原理をとるにせよ、斉一性の原理をとるにせよ、帰納法で仮説を正当化する企ては、なんらかの壁にぶつかるのである。

帰納法が間違う有名な例として、「ビールには水が入っている」、「ウィスキーにも水が入っている」、「ブランデーにも水が入っている」、よって「水を飲むと酔っ払う」というものがある。

データから理論を導き出す試み、すなわち帰納的推理はベーコンらによって始められ、J.S.ミル『論理学体系』においてある程度体系化され、その後近代論理学統計学と結びついて研究されている。

関連項目


論理学 | 科学

Induktion (metode) | Induktionsschluss | Επαγωγή (Φιλοσοφία) | Inductive reasoning | Induktiva logiko | Induccin | Induction (logique) | אינדוקציה | Induzione | Inductie (filosofie) | Induksjon (filosofi) | Indukcja logiczna | Индуктивное умозаключение | Indukcija (logika) | Induktion (filosofi) | 归纳法

 

This article is licensed under the GNU Free Documentation License. It uses material from the "帰納".

Home Pageartsbusinesscomputersgameshealthhospitalshomekids & teensnewsphysiciansrecreationreferenceregionalscienceshoppingsocietysportsworld