家畜(かちく)とは、人間が利用するために飼育する動物をさす言葉である。
「家畜」という語の実際の使用はもっぱら哺乳類を、場合によってはこれと一部の鳥類のみを指し、魚類などには用いられない。例えばセキセイインコは愛玩のため広く飼育されるが、その生産物を人が利用するわけではないためにこれを家畜と呼ぶことはない。金魚なども同様であり、愛玩のために飼育する動物は特にペットという。
定義を更に厳密にすると単なる馴致や生産物の利用だけでなく、家畜化の過程で野生種と比較して体形をはじめとする外見が変化し、繁殖も含めた全ての生命維持活動を人の管理下に置かれるようになった動物が家畜であるという学者もいる。この場合下記の家畜の中であっても、「家畜」とみなさないものがあるとするが、より広く家畜の範囲をとらえる場合ある。
ヒツジ・ヤギ・ブタは紀元前8000年頃の西南アジアで、それぞれムフロン・パサン・イノシシから家畜化されたと言われる。ブタは中国でも独自に家畜化されている。ウシは紀元前6000年頃に西南アジア、インド、それにおそらく北アフリカでオーロックスから家畜化されている。ウマは紀元前4000年頃のウクライナで、ロバは同時期のエジプトで、スイギュウも同時期の中国で家畜化されている。ラマやアルパカは紀元前3500年頃のアンデスで、グアナコから家畜化された。ヒトコブラクダは紀元前2500年頃のアラビアで、フタコブラクダも同時期の中央アジアで家畜化されている。
大型の動物では、その他にトナカイ・ヤク・バリ牛・ガヤルが古代に家畜化をされている。現代でもエランドやシマウマを家畜化しようという試みはあるが、これら以降に(狭義の)家畜化がなされた大型の動物は存在しないのが実情である。
ネコに関しては、北アフリカでネズミを駆除する目的で飼い始めたと考えられている。
また、このような現象は、ある程度人間にも共通する。これは、人間が文明を築く内に、自らもその環境下での生活に適応した結果と考えられ、このことを自己家畜化という。
なお、ミツバチやカイコは昆虫であり、これを家畜と考える人は一般には少ないが、上記の家畜の定義に(脊椎動物でない事を除けば)かない、この項に示される性質を共有する。その点では家畜と呼んで差し支えない。
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