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害虫(がいちゅう)とは、人間(ヒト)や家畜ペット農産物財産などにとって有害な作用をもたらす、主に無脊椎動物である小動物、とくに昆虫類をいう。逆に、役に立つものは益虫という。

人間の生活等に有害な動物のうち、主に脊椎動物である大型動物では、主に哺乳類に対しては害獣、鳥類に対しては害鳥という。英語では日本語の「害虫」「害獣」「害鳥」は、いずれも「Vermin」の語で表わされる。

害虫の駆除には殺虫剤が使われる。

害虫による損害


害虫は、様々な形でヒトに被害を与えるものに対する呼称である。ヒトの生活のあらゆる面で、それを害する虫がいるので、その在り方は様々である。常にヒトに害をなしつづけるものもあれば、偶発的にヒトに害を与える、というものもある。前者であれば、常に配慮を怠らない訳にはいかない。吸血性昆虫や、農業害虫がそれにあたる。

ただし、ある視点で見たとき、その虫が害をなすのであれば、それを害虫というのであって、別な視点でその虫を見れば、むしろヒトにとっての利益になる、益虫と判断できる場合もある。また、生物は、互いに複雑な関係をもって生活しており、ある生物種の個体数の増加減少が、生物群集全体に予測できない変化を引き起こす場合もあり得る。駆除の対象とすべきかどうかには、慎重な判断が必要である。野外の、それも人里離れたところに出たときのみ、危険を与えるようなものに対しては、むしろ人間側が配慮すべきであろう。

農作物に対する害

農業害虫ともいわれ、きわめてたくさんの例がある。農業においては、害虫への対応は、過去より現在に至るまで、もっとも重要な課題の一つでありつづけている。古くは虫送りなど、害虫を追い出す行事があり、最近では農薬を主体とする駆除法が発達している。ただし、農薬には副作用や環境への影響など、様々な問題もあり、現在では出来るだけ農薬を使わない工夫も行われる。

  • バッタ:大量に発生すると、移住性を持つようになる種は、アフリカなどで、時に甚大な害を与える。
  • ウンカ:特に稲に対する被害が大きい。
  • ミバエ:熱帯地方では果樹に大きな被害を与える。ウリミバエは沖縄諸島にいたが、不妊虫放飼という方法で根絶された。
  • メイガ:様々な植物を食べるものがいる。稲作では、ニカメイガとサンカメイガは、かつて最も重要な害虫であった。
  • カメムシ:植物の汁を吸う。様々な農産物に様々なものがつく。近年、日本ではツヤアオカメやチャバネアオカメが大発生する年があり、問題になっている。
  • アブラムシカイガラムシ:植物の汁を吸う。いずれも繁殖力が強く、植物上にコロニーを作り、大きな被害を与える。
  • アザミウマ
  • ハダニ・フシダニ

ヒト本体への害

ヒトの血を吸ったり、噛んだり、刺したり、体表面に付着した病原体を機械的に運搬することによって被害を与える虫は、衛生害虫ベクター)と呼ばれる。ただし、見掛けが不快なだけでこの範疇に入れられるのは可哀想と言うものである。このように実害がないものの、見た目が不快だとされる虫(芋虫ミミズなど)はベクターに対して「ニュイサンス(nuisance)」という。(日本では不快害虫と呼ばれる)

血を吸うものの中には、重要な病気を媒介するものがあり、世界的に駆除が検討されているものもある。

  • (蚊):血を吸う上に、その跡が痒くなる。重い病気を媒介するものがある。たとえばハマダラカ(マラリア)・アカイエカ(日本脳炎)など。(血を吸うのはメスのみ)
  • ツェツェバエ:アフリカに生息。眠り病を媒介する
  • ノミ:ヒトノミは血を吸うだけだが、ネズミノミの仲間にペストを媒介するものがある。
  • シラミ:コロモジラミが発疹チフスを媒介する。
  • ダニ:ツツガムシがツツガムシ病を媒介する。

刺す事で害を与えるものにはハチ毛虫など、噛みつくものではムカデなど、機械的に病原体を運搬するものとしてはハエゴキブリなどが挙げられる。ただし、ハチの場合、アシナガバチスズメバチは危険視されがちだが、彼らは肉食で、毛虫などを食べるものであるから、彼らを駆除すれば、毛虫などが繁殖する可能性もある。

他にヒトに害を与える昆虫には、ドクガの仲間がある。卵、幼虫(毛虫)、成虫とも体毛に毒を持ち、触れると炎症を起こす。

財産に対する害

他に、テントウムシカメムシなど、物陰で集団越冬する昆虫が、人家を越冬場所に選んだ場合、往々にしてトラブルを引き起こす。

家畜に対する害

アブ(蚊)など、血を吸いに飛んで来るもの、ダニシラミなどの寄生虫は、様々な家畜に直接の害を与え、病気を媒介するものもある。

気分に対する害

クモアリなど、特に農作物・財産・健康に対する害がなく、むしろ他の害虫を駆除するために人間にとって益虫となる虫の場合でも、外見で気分を害することを理由に害虫に分類される例が最近現れた。これは「不快害虫」と呼ばれており、アシダカグモが代表例。虫の生態に関する無知が引き起こしたものであり、現代的な害虫と言える(理科離れ参照)。

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