官僚制(かんりょうせい)は、比較的規模の大きい社会集団や組織における管理・支配のシステムである。一般に官僚制という場合は、「近代官僚制」のことを指す。
官僚制の「官僚」という言葉のイメージから、国家および行政機構に特徴的なシステムと思われがちだが、政党などの政治団体の他、企業、労働組合、福祉団体、NGO(非政府組織)などの民間団体にも見られるヒエラルキー(位階、階層)構造を持ったシステムである。
基本的な特徴としては、以下の点が挙げられる。
官僚制についての本格的な研究は、マックス・ヴェーバーに始まる。ヴェーバーは、近代社会における特徴的な合理的支配システムとしての近代官僚制に着目し、その特質を詳細に分析した(上に記した官僚制の基本的な特徴もヴェーバーの定義に基づいている)。
ヴェーバーは、近代官僚制のもつ合理的機能を強調し、特に機能障害については論じておらず、官僚制は優れた機械のような技術的卓越性があると主張した。ただし、官僚制支配の浸透によって個人の自由が抑圧される可能性や、官僚組織の巨大化によって統制が困難になっていくといった、近代官僚制のマイナス面について予見している点は見落としてはならない。
なかでも、マートンによる官僚制の逆機能についての指摘は有名である。彼は、ヴェーバーが指摘した合理的組織体系としての官僚制が、一転して非合理的な組織体系へと変貌してしまうことを明示し、これを皮肉を込めて「訓練された無能力」と表現している。
これらは、一般に官僚主義と呼ばれているものである。例えば、先例がないからという理由で新しいことを回避しようとしたり、規則に示されていないから、上司に聞かなければわからないといったようなものから、書類を作り、保存することが仕事と化してしまっている(繁文縟礼)、自分たちの業務・専門以外のことやろうとせず、自分たちの領域に別の部署のものが関わってくるとそれを排除しようとする(セクショナリズム)、というような傾向を指し示している。
この他にも、イギリスの歴史学者・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンによる指摘もよく知られている。パーキンソンによる官僚組織の非合理性についての指摘はパーキンソンの法則と呼ばれている。これは、実際にこなさなければならない仕事量に関係なく、官僚の数はどんどん増え続けていくというもので、官僚組織の肥大化の特質を示している(成長の法則)。もちろん官僚が増えれば、その分仕事がなければならないが、それは実際に必要ではない仕事を創造することでまかなわれる。つまり、無駄な仕事ばかりが増えていくということである(凡俗の法則)。
官僚制組織には、非合理的な面も多く見受けられるが、それは人間自体が非合理的な存在であるというところに由来するものということができる。しかし、組織管理の体系として、官僚制に勝るものがないというのも現状である。
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