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学習障害がくしゅうしょうがい、Learning Disorder, LD)は、以前は学習困難がくしゅうこんなん、Learning Disabilities)ともいわれていた。複数で表記されていることからも分かるように、単一の障害ではなくさまざまな状態が含まれる。医学、心理学、教育学の分野にまたがって研究が進められ、それぞれで若干概念が異なっている。バランス感覚を欠き、著しく体を動かすことで困難を覚える子が多いため、リハビリテーション医学の分野でも研究が行われている。

定義としてよく紹介されるものは、アメリカの連邦合同委員会が出したものである。

「学習障害とは、聞き、話し、書き、推理する能力、算数の能力を取得したりするのが著しく困難な、さまざまな問題群の呼び名である。そのような問題は、生まれつきの中枢神経の働きの障害によるものと考えられる。 学習障害は、他のハンディキャップ(たとえば、感覚の障害、精神遅滞、社会性や情緒の障害など)や不適切な環境(文化的な違い、望ましくない教育など)からも生じるが、そのようなハンディキャップや環境から直接生じるものではない。」(1981年 学習障害に関する連邦合同委員会報告)

文中の「精神遅滞」は今日の知的障害のことである。原文通りに訳した。

学習障害は、医学的には「微細脳機能障害」と呼ばれたこともあるように、脳の機能障害からくるものとされ、その一般的な特徴には次のようなものがある。

  • 落ち着いて座っていることができない。多動、過活動。
  • 左右の認知に問題があることから、運動下手。
  • からだの平衡感覚が著しく悪い。
  • また、文字を書くと左右がひっくり返った鏡映文字になる。
  • 情緒が不安定で、衝動的な行動に走ったりする。
  • 発音と聞き取りの障害。ことばが遅れる、特定の音が抜け落ちる。
  • 抽象的に物事を考えることができない。

ただし、LDの子は全体的な能力で劣っているとは限らず、一部の認知・運動能力の障害以外には問題がないことも多い。したがって高校、大学への進学もケースにより可能で、こうした子どもたちの人権を擁護する団体もある。 まれにそれ以外の特別な能力、天賦を与えられていることもある。それが早期発見され、うまく助成されれば社会的な成功者となることができることもあると考えられている。そうした幸運な成功者の例としてトーマス・エジソンアルバート・アインシュタイントム・クルーズなどがあげられることが多いが、実際にLDの診断を受けているのはトム・クルーズのみである。

LDの種類には次のようなものがある。

  • 読字障害(Dyslexia)特定の字などが読めず、単語の意味を取り違えたりする。
  • 書字表出障害(Dysgraphia)書くという作業ができない。
  • 計算障害(Dyscalculia)計算ができない。紙に書いてする計算も暗算も困難。
  • 言語障害(Language deficit)自分のことを口に出して語れない。
  • 聴力障害(Auditory deficit)聞いて理解ができない。背後に雑音があるとできない、言葉で語られると思い出せないなど。
  • 空間認知障害(Spatial organization deficit)立体的な空間、立体が理解できない。
  • 記憶障害(Memory deficit)時間割、歴史的な事件などを思い出せない。
  • 社会スキル障害(Social skill deficit)顔の表情やボディーランゲージを読み取ることや、声の抑揚で怒っているとか馬鹿にされているといったことが理解できない。
  • 注意欠陥・多動性障害(ADHD) 注意が集中できないだけでなく、ゴソゴソと動き回る。LDの中に入れていいものかどうか、議論あり。LD/ADHDと併記されることが多い。

2000年から、日本LD(学習障害)学会が学会認定資格として、LD教育士という資格を設けている。LD/ADHDの子どもたちの発達支援をする特別支援教育士という資格も近い将来、学会認定か国家資格として生まれることになる見込みである。

学習障害の分類


学習障害は、LDと呼称するほうが一般的である。学習障害との呼称は、実態よりも重篤な印象を与えるためである。 従って、適切な訳語が考案されるまでは、LDの呼称を用いたほうが妥当であろう。

LDは、言語性LD動作性LDに大別される。

言語が不器用な言語性LDは、知的障害に近い印象を与える。そのため、障害者認知がされやすく、たまに出来る領域があれば、人から褒められる。

しかし、動作が不器用な動作性LDは、意思表示に問題がないから、障害者認知が受けにくい。なまじ言語性学習能力が高いと、「口先だけ」「生意気」との誤解を招き、辛い立場に置かれやすい。特に、小学校低学年までは、同世代動作性学習能力だけを評価の対象にするから、同世代からも無能力の評価を受けやすい。

ただし、アスペルガー症候群のように、認知面で健常と異なるわけではないから、苦手領域を避ければ、成人後の心配はあまりない。

関連項目


外部リンク


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