地盤沈下(じばんちんか)とは、地盤が圧縮され、沈んでいく現象であり、公害の一つである。工業用水を用途とした地下水の汲み揚げが主な原因とされる。メカニズムについては、圧密の項を参照。
日本における地盤沈下
日本において地盤沈下が最初に取り上げられたのは、
関東大震災後に行われた
水準測量によってである。
荒川放水路の周辺で広範囲にわたって沈下が確認された。当初は
地殻変動によるものとされたが、次第に被害範囲が広がり、
大阪市でも同じ現象が取り上げられたため、研究者たちが本格的な調査に乗り出した。
第二次大戦末期には多くの工場が操業を休止したことに伴い、地下水位は回復し、地盤沈下の進行も収まった。戦後は再び沈下が進行し、その被害を抑えるため1960年代に地下水の揚水が規制された。
しかし現在でも、積雪地域においては消雪のために地下水汲み揚げが必要となり、地盤沈下問題の解決が困難になっている。
不同沈下
ある施設において、場所によって沈下量の異なる地盤沈下を
不同沈下(ふどうちんか)若しくは
不等沈下(ふとうちんか)という。このような場合、建物が傾いたり路面に凹凸や亀裂を生じるなど、地盤沈下で最も問題となる。具体的には、建物が傾けば、住人にとって不便であり不快であるし、
空港の滑走路であれば、離着陸時の安全性に問題を生じる。
不同沈下の事例として最も有名な建物としてイタリアのピサ大聖堂の鐘楼ピサの斜塔がある。
抜上がり
杭基礎を用いた建物にあっては地下水位の変動の影響を受けない支持層によって支えられていることが多く、周囲の地盤のみが沈下することで建物が周辺地盤より高い位置になる
抜上がりを起こす例がある。地盤の揺れによる液状化現象が生じた場合には建物の抜き上がりは深刻であり、ガス管や水道管等の埋設管は地盤と共に挙動するが、建物は元の位置を保つため埋設管と建物の接合部で破断する可能性が高くなり建物が機能しなくなる畏れがある。
その他
ゼロメートル地帯
ゼロメートル地帯とは一般的には平均潮位と同じ、若しくは更に低い標高の地域。海抜ゼロメートルを指したことから呼ばれる。
海岸地域以外では河川の氾濫から都市生活を守るために築かれた土手や堤防の反対側の地域を指し、堤防等の決壊により被害を被る地域が同様の状態である。このため日本では流域が長く広い長野県の信濃川などの周囲も比喩として指す場合がある。
経年にわたる大規模な工業用水の取水により地下水の水位が変化し、広範囲な地域で地盤沈下が生じ、ゼロメートル地帯に至る場合もある。
河川が上流から運んだ土砂等が堆積して周囲より川底が高くなる天井川(てんじょうがわ)の周囲もゼロメートル地帯と似た状況になる。
用法
比喩として、政党が想定していた投票数が得られない場合に対立党派とのパワーバランスが崩れる状態を「選挙で大敗したため、○○党の地盤沈下が起きている。」や経済基盤の変化による「工場が撤退したため○○市の経済は地盤沈下している。」など、基礎基盤に悪影響が生じた際に用いられることが多い。
関連項目
外部リンク
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