article

国内総生産(こくないそうせいさん、GDP : Gross Domestic Product)とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額。経済を総合的に把握する統計である国民経済計算の中の一指標で、GDPの伸び率が経済成長率に値する。

日本の国内総生産は、内閣府省庁再編以前は経済企画庁)が作成、発表している。

用語解説


名目と実質

国内総生産には名目国内総生産(名目GDP)と実質国内総生産(実質GDP)がある。実質GDPは、名目GDPから物価変動の影響を除いたものである。GDPの変化(経済成長率)に関しては経済成長を参照

また、名目国内総生産(名目GDP)を実質国内総生産(実質GDP)で割ったものをGDPデフレーターと呼ぶ。

GDPデフレーター

GDPデフレーターは、名目GDPを実質化して実質GDPを計算する際に用いる一種の物価指数である。このGDPデフレーターの変動が物価変動となり、変化率がプラスであればインフレーション、マイナスであればデフレーションとみることができる。

GDPデフレーターが消費者物価指数企業物価指数など他の物価指数と著しく異なる点は、GDPデフレーターは輸入物価の上昇による影響を控除した国内の物価水準を表しているという点である。このため、原油価格の上昇など輸入物価が上昇して国内のガソリン価格が上昇するというような場合には、消費者物価指数や企業物価指数が上昇しているにも関わらず、GDPデフレーターが下落をするということがしばしば起こる。

消費者物価指数が家計消費支出のみを対象としているなど消費者物価指数や企業物価指数などが、経済活動の一部たけを対象とした物価指数であるのに対して、GDPデフレーターは総合的な物価指数であるが、輸入物価が上昇すると下落しやすく、逆に輸入物価が下落すると上昇するという、直感と異なる動きをすることになる。このため日本経済が物価の下落が続くデフレーションかどうかを判断するなどの際に、GDPデフレーターを使って判断するのが適切であるかどうかについては見解が分かれている(2005年後半から2006年始めにかけての政府と日本銀行の間で行われた量的緩和政策の解除時期を巡る議論では、日本銀行が消費者物価指数が下げ止まり、横ばいから上昇に転じたことを解除時期の根拠にしたのに対して、政府はGDPデフレーターが下がり続けていたため、こちらも考慮して欲しいとやりあっている)。

なお、2006年4月現在、日本のGDPデフレーターはパーシェ型の連鎖指数で、実質GDPはラスパイレス型の連鎖指数であり、米国の実質GDPはフィッシャー型の連鎖指数が採用されている(パーシェ、ラスパイレス、フィッシャー及び連鎖指数の説明については、指数を参照)。

GNPとGDPの違い

国の経済の規模・成長を測る物差しとして、1980年代頃までは国民総生産(GNP)がよく用いられたが、これは外国に住む国民の生産量も含んでおり、本来の国の生産量を正確に計ることができない為、近年では外国での生産活動分を除いた国内のみの生産を計る国内総生産を使用することが多くなった。

GNPとGDPは、日本の場合はほとんど同額で、若干GNPのほうが多い。これは「外国に住む国民の生産」が外国で運用されている日本資本の受け取る金利・配当も含むからである。日本は、対外債権国であるため海外へ支払う金利・配当よりも海外から受け取る金利・配当のほうが多い。このため日本ではGNPのほうが多くなる。一方で、中南米諸国などの対外重債務国は、外国へ支払う金利が多いため、GNPよりもGDPが多い。このようにGNPとGDPの違いは対外的な債権債務の国民総生産(あるいは国内総生産)に対する割合が高い国にとっては重要である。

国内総生産を推計する体系を国民経済計算(体系)と呼ぶように、国民概念がもともと利用されてきたが、国内の経済活動状況を判断する基準としては国内総生産を使用することが一般的となり、日本でも1993年から国民総生産に替わって国内総生産を使用するようになっている。

しかし、近年になって国内労働力の減少と、対外資産からの所得収支の黒字増大などを背景に経済構造が変化しつつあるとの見方も増えている。このため、海外からの純所得収入を加算するGNPが経済政策の目標として再評価されつつある。

実際の統計では、国民であるかどうかの区別は、国籍ではなく国内居住者であるかどうかによって判断されている。従って、日本国籍を有していても国外に2年以上滞在している海外居住者が行う生産活動は、日本の国民総生産には反映されない。逆に、外国国籍を有する人々の生産活動であっても日本に6ヶ月以上滞在している居住者であれば、日本の国民総生産に計上される。日本の国内総生産には含まれないが国民総生産に計上される海外での生産活動の例としては、日本に居住している歌手が海外公演を行って得た出演料があげられる。

※滞在期間に関しては「外国為替及び外国貿易管理法(外為法)」に関する旧大蔵省の通達「外国為替管理法令の解釈及び運用について」より

域内総生産

国内総生産が一国内において生産された付加価値額を表すのに対し、域内総生産(Gross Regional Product)は都市圏や経済圏、州や県など、一定の地域内で生産された付加価値額を表す。域内総生産には中央政府が行う生産が含まれない場合もあり、全国の域内総生産を合計しても、必ず国内総生産と一致するとは限らない(日本の経済産業省が公表している地域間産業連関表のように、不整合を項目として設ける等の調整を行わない限り、全国計と一致することの方が珍しい。例えば中国の各省の域総生産を合計すると、国内総生産よりも過大な値となる)。

都市圏同士の比較や地域経済間比較といった各種分析で使用される他、ロシアの統計でよく使われる。

日本


93SNA・2000年基準・連鎖方式・暦年
暦年名目GDP実質GDP
1994486.5兆円468.8兆円
1995493.3兆円477.7兆円
1996502.6兆円489.9兆円
1997512.2兆円496.8兆円
1998503.0兆円488.0兆円
1999495.2兆円487.0兆円
2000501.1兆円501.3兆円
2001496.8兆円503.2兆円
2002489.6兆円503.9兆円
2003490.5兆円512.8兆円
2004496.1兆円524.6兆円
2005502.9兆円538.9兆円

関連項目


経済学 | 経済指標

Bruto nasionale produk | Сукупны ўнутраны прадукт | Брутен вътрешен продукт | BNI per indbygger | Bruttoinlandsprodukt | Gross domestic product | Malneta Enlanda Produkto | Producto Nacional Bruto | SKT | Produit intérieur brut | תוצר מקומי גולמי | Bruttó hazai termék | Produk domestik bruto | Landsframleiðsla | Prodotto interno lordo | 국내총생산 | Bendrasis vidaus produktas | Iekšzemes kopprodukts | Bruto Nationaal Product | Bruttonasjonalprodukt | Produkt krajowy brutto | Produto interno bruto | Produs intern brut | Валовой внутренний продукт | Gross domestic product | Bruto domači produkt | Бруто домаћи производ | Bruttonationalprodukt | Gayri Safi Milli Hasıla | Tổng sản phẩm quốc nội | 国内生产总值

 

This article is licensed under the GNU Free Documentation License. It uses material from the "国内総生産".

Home Pageartsbusinesscomputersgameshealthhospitalshomekids & teensnewsphysiciansrecreationreferenceregionalscienceshoppingsocietysportsworld