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和製英語(わせいえいご)とは、英語の単語を組み合わせることにより造られた、英語風に聞こえるが本来の英語にはない表現である日本語の語。また欧米には存在せず、日本独自のモノを英語風に名づけて普及した言葉も含まれる。

概要


本来、和製英語という場合は英語風のものだけを指し、他の欧米系の言語風のものも含めていう場合は和製外来語と呼ばれるケースもあるが。一般的には、欧米系を中心とした外来語風の単語をもまとめて和製英語と呼ばれるのが一般的である。

英単語を原義とは異なる意味で使用しているもの(誤用)、動詞であるものを名詞の如く扱って単語を組み合わせて誤用しているものや、日本語的に略して発音しているものを、広義の和製英語に含めることがある。

和製英語は、日本語の母語話者の間で流通するだけであれば誤解を引き起こす恐れは少ないものの、本来の英語表現であると誤認して英語として使用し誤解の原因になったり、日本語を学ぶ英語圏の人が違和感を感じたりすることがある。これは、英語以外の言語フランス語ドイツ語など)に由来するのに、英語由来だと勘違いされる外来語でも同様である。

英語は多くの地方でつかわれる言葉なので、用法の不統一は、日本語の方言とは比較にならないほど多様である。和製英語の一部の語は、日本方言の英語として理解されている場合もある。英語教師などは和製英語の範囲を広くとらえ、英語コンプレックスをかきたてる傾向にある。また、カタカナ表記は「すべて原語の発音とは異なる」と認識した方が間違いが少ないが、日本語の言語体系を知っている人にとっては、「日本訛り」と認識される。略語は英語流、日本語流でかなり異なるので留意する必要がある。

多国語を話す人(母国語のみもしくは他国語を話す人以外)では、文法、単語の混乱は珍しくないので、上記の誤解は少ない。

以下では、広義のものも含めた和製英語の例を分類して一覧する。頭書の定義にあてはまらないが、同様の問題を起こしうる語については英語風日本語を参照。

和製英語の例


造語

()内は対応する英語

商標に由来
  • シャープペンシル、シャーペン (propelling / mechanical pencil) ※ 早川金属工業株式会社(現・シャープ株式会社)が発明した金属製繰出鉛筆の商品名に由来。ever sharp pencilとも。
  • チャック (Fastener, Zipper)
  • バイキング (Buffet, All You can Eat, smorgasbord) ※ あるホテルで命名。北欧のバイキングの食事がヒントにあるといわれる。
  • フリーダイヤル (toll free / number) ※ フリーダイヤルはNTTコミュニケーションズの登録商標。
  • ポケットベル、ポケベル (beeper, pager) ※ ポケットベルはNTTドコモの登録商標。また同社は現在「クイックキャスト」の商標で事業を行なっている。
  • ホッチキス (stapler) ※ 語源はステープラーの発明者である米国人のベンジャミン・バークリー・ホッチキス。また、ステープラーを意味する「ホッチキス」は、明治時代からイトーキの登録商標であったが、現在では文房具としての「ホッチキス」という商標は『一般名詞』化したため、消滅。(2006年4月現在、「ホッチキス」の登録商標は、キャノン㈱【登録第4343797号】とマックス㈱【登録第4766203号】が所有しているが、いずれも別件)
  • マジックインキ (marker)
  • ロマンスカー (deluxe train)

誤用

  • RV(station wagon, SUV, MPV) ※米国で「RV」はキャンピングカー(camper, motorhome)として使われることがある。
  • 「ダブル」の意味のW (double, D) 1990年頃の「W浅野」(浅野温子浅野ゆう子)など。※ただしWの語源は「double u」(二重のu)である。
  • アイドリングストップ (stop idling) ※idling stopでは「アイドリングしたままの停止」と正反対の意味になる。
  • カスタム (custom) ※本来の"custom"はオーダーメイドなどの意味。
  • カメラマン(= 写真家) (photographer) ※映画やテレビ撮影のカメラマンは "cameraman" あるいは "camera operator"
  • カンニング (cheating) ※本来の"cunning"はずる賢いなどの意味。
  • クリスタル (shiny) ※本来は、結晶という意味だが、きらきらしたものという意味で使われている。
  • X'mas(=クリスマス)(Christmas, Xmas) ※ギリシア語でキリストを表すΧΡΙΣΤOΣ(Xristos)に由来するXの後にアポストロフィは入らない。
  • 不具合の発生に対する「クレーム」 (complaint) ※本来の"claim"は単に請求、主張の意味。
  • コンプレックス (complex) 本来は複合体、合成物、大型アパートや団地などの意味。ただ、精神分析の用語として「強い感情やこだわりをもつ内容で、ふだんは意識下に抑圧されているもの」という意味があることから、日本語では「●●コンプレックス」のように「劣等感」という意味で用いられている。ちなみに、ロリータコンプレックスは、英語圏では一般的に"pedophilia"という言葉が該当する。
  • サービス (free of charge, on the house) ※英語のserviceは無料の意味はない。
  • サイダー(soda pop)※本来の"cider"はリンゴ酒(シードル)の意味。
  • 歌手やスポーツ選手などの「サイン」 (autograph) ※名詞の"sign"は「看板」などの意味。クレジットカードを使用する際の「署名」のことはsignatureという。
  • シール (sticker) ※粘着剤付きで装飾用の紙などの小片、例えば「ビックリマンシール」のたぐいは "sticker"。付せんや荷札は "label"。本来の "seal"は印章、および(印章によって行われたことから)封印の意味。英語圏でも「シール」と言って差し支えないのは封緘紙ぐらいか。
  • ジャスト (exactly) ジャスト1000円=1000円丁度。just 1000yen=たったの1000円。12時ジャスト開始->start 12 noon sharp.
  • シュート (shot) ※"shoot"は動詞。
  • ショートケーキ (* cake) ※米国で言う"shortcake"は、スポンジの代わりに菓子パンの一種であるビスケット(biscuit)を使ったケーキ。"short"は(食感が)さくさくしている、という意味。
  • シルバー ※本来シルバーシート(priority seat)とは「優先席」のことであり、誤って老人のみを指すようになったものが、さらに「老人」を意味する形容詞化したもの。
  • スイッチバック駅の一部 ※本来のswitchback は、ジグザグの意味で勾配上に設置されるスイッチバック駅は語義どおりの使い方だが、遠軽駅十和田南駅のように、一方側が行き止まりで単に方向転換をする駅をスイッチバック駅と称すのは誤用に近い。むしろ、後述のTerminalが近いと思われる。
  • スケルトン (translucent) ※本来は「骨格」という意味だが、「透ける」という語感からの類推もしくは洒落で「内部構造が見える半透明なもの」という意味で使われている。
  • スタイ (bib)
  • 本の「スピン」 (ribbon, tassel)
  • スペル (spelling) ※単語の「つづり」の意味で使われるが、「spell」には、「つづる」という動詞の意味か、名詞であれば「呪文」等の意味しかない。かつては、盛んに「間違いである」との指摘がなされていたが、最近は、ほとんど指摘されなくなったようなので、誤用として定着したと評価できるかもしれない。
  • スマート (slim, slender) ※本来の"smart"はしゃれた、頭が切れるといった意味。
  • スリップする(車が) (skid)
  • センス がよい、悪い(good/bad taste)
  • ソーラーシステム (solar battery)※英語のthe solar systemは「太陽系」のこと。
  • ダイエット ※本来の"diet"は腎臓病などを含む食餌(食事)療法の意だが、痩身の意に限定して使われている。
  • タコス (taco) 日本においては、単数でも複数形を用いることが多い。
  • ターミナル駅の大半 ※欧州でのTerminal は、行き止まりの頭端式ホームを持つ主要駅のことで、本来の意味である「終端」に由来する。日本で本来の語義どおりのTerminalである駅は、近鉄名古屋駅近鉄上本町駅阪急梅田駅東武浅草駅西鉄福岡(天神)駅等ごく少数であり、東京駅名古屋駅大阪駅等を「ターミナル駅」と称すのは、本来の語義から考えると誤用で、Hub station がふさわしいと思われる。
  • タレント※本来の"talent"は「才能」「才能のある人」の意味。
  • ツーショット (two-shot) ※ネイティブには「二人が射撃された」という意味に受け取られるらしい。
  • トーナメント (knock out system) ※本来の"tournament"は、1箇所に集まって行う競技会という意味。日本語ではノックアウトシステムの競技会にほぼ限定されて使用。
  • ドメスティック・バイオレンス (spousal abuse) ※本来家庭内の暴力全般を意味するが、日本語としては専ら配偶者による暴力のみを意味するように変化した。これは、「家庭内暴力」という日本語として通りのよい言葉との使い分けが意識された結果である可能性がある。
  • 工具のドライバー(screw driver)カクテルも同じ綴り。尚、ブラスドライバー、マイナスドライバーはそれぞれphillips, flat head.
  • トランプ (playing cards) ※本来の"trump"は「切り札」を指す。
  • パワーアップ ※本来の"power up"は、電源を入れる、出力を上げる、という意味。
  • タイヤの「パンク」 (flat tire) ※きりのようなもので突き刺すことを意味する "puncture" の転用の略。
  • バーチャル (Virtual) 本来の意味は「仮想な」ではなく「実質的な」である。これはバーチャルリアリティの訳語を「仮想現実」とすることが一般化し、無理に「バーチャル=仮想」と分解したことから誤用が広まったと思われる。
  • ハイウェイ highwayは高速道路も含むが、主要道一般を指す。高速道路はexpress way。
  • バイク (Motorcycle) 日本では「発動機を搭載した二輪車(オートバイ)」の意味で使用されているが、英語でバイク(Bike)というと自転車(Bicycle)の意味となる。
  • ハッカー (cracker) ※"hacker"は海外のマスメディアでも「コンピュータ/ネットワーク犯罪者」の意で用いられているので誤用とは言い切れないが、本来は(コンピュータ/プログラミングに)精通した人、達人の意であった。もちろん「悪い」ハッカーはクラッカーであると言える。格別プログラミング能力を持たず、出来合いのセキュリティ侵害プログラムを利用するだけの者はスクリプトキディ(script kiddy)と呼ばれる最下級のクラッカーである。
  • ハンサム ※本来の"handsome"は対象に制限はない。
  • 自動車の「ハンドル」 (steering wheel) ※"handle"はドアや鍋などの「取っ手」や「取り扱う」という意味。自転車、オートバイ、オート三輪の角ハンドルはhandle bar.
  • ファンタジック (fantastic) ※「ファンタスティック」。「ロマンス(romance)」→「ロマンチック/ロマンティック(romantic)」などからの誤った類推で「ファンタジー(fantasy)」→「ファンタジック(fantasic?)」としたものか。
  • フライングスタート (premature start, breakaway) ※本来の"flying start"は助走を付けて行うスタートのことを指す。
  • フラッシュライト(flashlight) 本来は懐中電灯の意だが、日本語では特殊部隊が用いる、敵の目を眩ます小型ライト(シュアファイア等)の意味で用いられる。
  • ベテラン (veteran) ※「老兵、古参兵、退役軍人」の意。
  • ポスト (mailbox, postbox)
  • ウェブページ全般を意味する「ホームページ」 (webpage) ※homepageは、最初に表示されるページのみを指す。
  • 体型を意味する「プロポーション」「スタイル」 (figure) ※"proportion"は比率、"style"は様式や文体の意味が強い。
  • 学校のクラブ活動などの「マネージャー」 (caretaker) ※本来の"manager"は「経営者」
  • マンション (apartment building, flat, condominium) ※本来の"mansion"は豪邸の意味。
  • ミイラ 木乃伊(mummy)
  • ムーディ (nice)※"moody"は移り気なの意味。
  • モラル・ハザード (対応語なし) ※"moral hazard"は保険システムの整備が危機感を減少させてむしろリスクを上昇させてしまう現象のこと。日本語の「モラル・ハザード」が倫理意識の喪失という意味を持ってしまっているのとは異なる。
  • ライフライン (infrastructure) 日本語では「生活線」または「生命線」と表現され、主に電気・ガス・水道等の公共公益設備など、都市機能を維持し現代人が日常生活を送る上で必須の諸設備を指す。阪神・淡路大震災以降、よく使われるようになった。英語本来の"lifeline"は、主に救命胴衣や救命浮き輪などにつながれた紐や縄、船乗りと船をつなぐ紐や縄、潜水夫につながれた紐や縄などを指す。
  • リクルート 日本では民間企業の新卒就職に関わる言葉となってしまった感があるが、英語のrecruitを、民間企業の新規就業に用いても誤用と言い切れないが、主に使われるのは兵隊の新兵募集である。
  • リストラ (downsizing) ※"restructuring"は、事業の再構築あるいは再編という意味で、人員整理を伴うことも多いが、解雇のみを指す意味は無い(「解雇」のニュアンスは石油危機以降に生まれた。日本では本来「減量経営」を指した)。
  • リフォーム(remodeling, renovation) ※日本語の「リフォーム」は住宅の改装工事のことだが、英語のreformは、宗教、制度、社会などを改革するという意味。
  • リンクフリー(free to link) ※"link free"とは、linkを含んでいない事を意味する。
  • レパートリー (repertory) ※音楽家の演奏可能な曲目を意味する場合は、フランス語起源の repertoire (レパトワ)を用いる。
  • レンジ (stove,oven)
  • ヤンキー (yankee) ※本来は米国人一般を指す俗称である。しばしば軽蔑的に(米国人にとっては自嘲的に)用いられるが、日本において「ヤンキー」が意味するところの「ごろつき、チンピラ、ろくでなし」を指す英単語はpunk、hooligan等(若者であることを強調する場合はyoungを付する)がある。
  • ヨット (sailboat) ※yachtは普通個人所有の豪華客船をさす。日本語のヨットの意味では紛らわしいためあまり用いられない。

文法的な誤用

日本語的な略語

英語以外の和製外来語と英語でなんと言うかの例


  • アベック (a couple = 一組のカップル) ※フランス語の"avec"(アヴェック=英語の"with")。
  • アンケート(questionnaire/poll) ※フランス語の"enquête"(アンケット=英語の"inquiry"。この語は「質問」「調査」一般を指す)。
  • アルバイト (part-time job) ※ドイツ語の"Arbeit"(アルバイト=英語の"work")。ちなみに朝鮮語の「아르바이트(アルバイトゥ)」も日本語と同じ意味で使われる。
  • イギリス (United Kingdom) ※オランダ語でのイングランドであり、対象となる地域も異なる。ポルトガル語の"Inglez"が鎖国政策時代に入ってきたものとも考えられる。
  • オランダ (Netherlands) ※オランダ国内の"Holland"に由来するといわれており、対象となる地域は異なるが、当該国は日本での名称としてもちいている。
  • フリーター (part-timer) ※上記「アルバイト」からの造語「フリーアルバイター」の日本語的な省略形。
  • コンクール (contest, competition) ※フランス語の"concours(コンクール)"
  • シュークリーム (cream puff) ※フランス語の"chou à la crème"(シュ・ア・ラ・クレム:"chou"は「キャベツ」の意)。なお、日本語の「靴墨(靴クリーム)」に当たる英語は"shoe cream"ではなく"shoe polish"が正しい。
  • テーマ(theme) ※ドイツ語の"Thema"(テーマ)。しかし「テーマソング」などのように英語と組み合わせて使われる例も多い。
  • ドイツ (Germany) ※当該国語ではDeutschland(ドイチュラント:「民衆の国」という意味)なので、それが略されたものといえる。しかし鎖国体制当時、オランダ人経由で「ドイツ語」「ドイツ人」を指すオランダ語"Duits"が輸入されたものとも考えられる。ちなみにオランダ語で「ドイツ(国)」は"Duitsland"。

原語を誤解しやすい外来語の例


  • スイートルーム (suite room) ※同音のsweetと混同しやすい。suiteは「ひとそろい」などの意、フランス語が語源(suit)。
  • ファーストフード (fast food) ※firstの片仮名表記と混同しやすい。大手ファーストフードチェーンのファーストキッチンがfirstであることも影響。
  • フリーマーケット (flea market) ※「フリー」はflea(ノミ)であり、freeではない。フランス語marche aux pucesが英訳されたもので、「蚤の市」の意。
  • ヒットエンドラン (hit and run) ※野球用語。英語ではhit n' runとも書かれるようにandはほとんど発音されず、hit end runと聞こえても不思議ではないが意味不明になってしまう。

和製でも英語でもない外来語の例(和製英語と誤解されるものなど)


  • アイスバーン ※ドイツ語Eisbahnより。ドイツ語ではスケートリンク(skating rink)の意味。Bahnは道路を意味する。
  • アンケート (questionnaire) ※フランス語の"enquête"
  • イクラ ※ロシア語のИКРА
  • エネルギッシュ (energetic) ※ドイツ語の"energisch"
  • コック(cook) ※オランダ語の"kok"
  • コーヒー珈琲(coffee) ※オランダ語の"koffie"
  • コップ(cup) ※オランダ語の"kop"
  • ゴム護謨(rubber) ※オランダ語の"gom"
  • コンビナート(kombinat/комбинат) ※ロシア語で「結合」の意味
  • ゼミナール ※ドイツ語のSeminarより。英語の"seminar"(セミナー)はドイツ語のこの単語に由来。
  • デビュー (debut) ※フランス語のdébutより
  • トナカイ(reindeer/caribou) ※アイヌ語の"tunakkay"
  • ノンノ ※アイヌ語の"non-no"
  • ハイム ※ドイツ語Heim(ハイム)より、英語のhomeに相当。
  • 食品の「パン」 (bread) ※ポルトガル語の"pão"が由来。ちなみにフランス語でも"pain"(パン)と呼ぶ。
  • ビール(beer) ※オランダ語の"bier"
  • ポンプ(pump) ※オランダ語の"pomp"
  • を意味する「マロン」 (chestnut) ※"marron"は仏語で、本来はマロニエの実。これに由来する英語の"maroon"は「栗色」の意味になる。
  • ラッコ(Sea Otter)※アイヌ語の"rakko"
  • レジュメ (resume) ※フランス語のrésuméより

関連項目


外部リンク


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