古典派音楽(こてんはおんがく)は、18世紀後半を中心とする、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンに代表される音楽。 この3人がウィーンで活躍した事により、ウィーン古典派とも呼ばれる。
ソナタ形式が発展して、形式美が重要とされた。和声法が確立され現代につながる音楽の基本が完成した。交響曲や協奏曲、弦楽四重奏曲などが盛んに作られた。
しかし、音楽においては事情は異なる。音楽は古代ギリシア・ローマにおいて、後世の模範となるような完成度に達しなかった。例えば「ウィーン古典派」の3人のうち、特にベートーヴェンは古代ギリシア文学から大きな霊感を得た事が知られているが、かといって古代ギリシア音楽そのものの復興を目指していたわけではない。このように音楽における「古典」を、ギリシア・ローマ芸術の復興と定義することはできない。
そこで、音楽の一応の完成をもって「古典」の名を与えるとする考えもある。もちろんウィーン古典派の芸術のもつ完成度の高さ、普遍性、形式的統一感は「古典」の名に相応しい。しかしながら、ウィーン古典派以前にも15~16世紀にポリフォニーを完成させたネーデルランド学派や、17~18世紀にかけてのイタリア音楽、フランス音楽、そしてバッハに代表されるドイツ音楽なども、その後の時代への多大な影響を考えて「古典」の名に値すると考える事もあながち見当外れではなく、稀であるが実際にこの意味で「古典」という言葉が用いられる事もある。
時代区分で「古典派」とくくる事も一概にはできない。ベートーヴェンの若い時には既に時代はロマン派に突入していた。実際に19世紀から20世紀にかけてベートーヴェンは古典派かロマン派かという論争が起きている(その後20世紀中盤に至る研究により、ベートーヴェンは「ロマン派に最も影響を与えた古典派」という事でこの論争は概ね合意が得られている)。
逆にベートーヴェンの後に活躍したためロマン派とされた芸術家の中で、ブラームスや最晩年のシューベルトなどは、その形式感や作曲技法から見る限り、彼らを古典派的と考えることも可能である(このことについては新古典主義音楽を参照)。
このように、音楽における「古典」という言葉に本来の意義に沿った明確な定義が与えられているとは言い難い。しかし、「古典派」という時は暗黙のうちに「ウィーン古典派」のハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを指すのが普通である。すなわち、音楽における「古典」という言葉はある意味で乱用され、ゆえに厳密に定義する事は難しいが、普通は単にこの3人の巨匠を指すだけの慣用的・便宜的な言葉として用いられているのが現状である。
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